2025年4月20日日曜日

建築工事標準詳細図(1-31)

屋内防水
屋内防水のサンプル

屋内防水のサンプルを作成してみました。作成したのは

  • 壁と重ね壁のタイプ
  • 床タイプ
  • 吹き出し(詳細図)

などです。今回はモデリングだけではなく、吹き出しの使い方についても参考にしていただけると幸いです。

サンプルファイルのダウンロードはこちらから

重ね壁は便利

防水層の立ち上がりはH=300までです。そこで、H=300 を境に上下で壁タイプを作成し、重ね壁の構成壁タイプに取り込みました。重ね壁にすることで、防水立上りの壁の高さを変更しやすくしています。

防水立上りの部分と上部で重ね壁に

壁厚が一定ならば領域分割も一手

1-31-1のように、防水立上り部分と上部の壁で厚さが変わらないような壁であれば、重ね壁ではなく標準壁として作成することもできます。プロジェクトの壁タイプには「1-31-1 屋内防水(アスファルト防水)」というタイプがあります。この構造を見てみると次のように領域を分割・結合・レイヤを割り当てして作成していることがわかります。

領域を分割・結合しレイヤを割り当てる

ただし立ち上がりの高さ(ここではH=300)については、重ね壁同様にタイプを分ける必要はあります。

吹き出しには2種類ある

今回も詳細は別途詳細ビューを作っていますが、いままでの製図ビューではなく、詳細ビューで作成しています。1-01と1-02、1-21ではレベル1のビューの吹き出しタグに「参考」のマークが入っています。

吹き出しタグには「参考」の文字がある

これは「モデルとは直接関係のない製図ビューを参考にしている」という意味で「参照ラベル」と呼ばれるものです。なお参照ラベルは自由に変更できるのでリンクをクリックしてヘルプをご確認ください。

吹き出しの点線の部分を選択しリボンの修正|ビュータブの参照パネルを見てください。ここで参照する製図ビューを変更することができます。

参照する製図ビューは変更できる

このようにして、一つの製図ビューを複数個所(平面でも断面でも)に割り当てることができます。

一方、断面ビュー「1-31-1~3 屋内防水」を表示してみると、同様の吹き出しが配置されています。

一見同じような吹き出しだが・・・

吹き出しの点線部分を選択しても、修正|ビュータブ>参照パネル で参照先のビューを変更することはできません。

参照先は変更できない

同じ吹き出しでも、このビューは詳細ビューというシステムファミリで、モデルベースのビューになります。

モデル表示

1-31-1の吹き出しを選択し、右クリックしてビューに移動を選択します。一見、製図ビューと同様に塗り潰し領域や詳細線分などで詳細図が書かれていますが、ビュープロパティのモデル表示を確認してください。

モデル表示を確認

値が「表示しない」に設定されています。

表示/グラフィックスの上書きを使って、詳細項目カテゴリを非表示にしてみてください。次のような図になるはずです。

詳細項目を非表示にすると…

モデル表示をハーフトーンまたは表示にしてみてください。断面ビューの吹き出しが囲んでいた部分のモデルが表示されます。

モデルが表示される
詳細ビューではこのようにモデルを「下敷き」として、より詳細な情報を詳細項目、詳細線分などで上書きして、最後にモデル表示を「表示しない」とすることでディテールを作り込みます。
モデルを非表示
このようにモデルは表示されていないとはいえ、モデルの断面には違いないので参照先を変更することはできないのです。

1-31-2 屋内防水(塗膜防水)と1-31-3 屋内防水(合成高分子系ルーフィングシート防水屋内保護密着工法)の詳細ビューは、ラスを除いて詳細項目は使用せず直接モデルを表示しています。

ご利用についてのお願い

ファミリも製図ビューも、サンプルファイル内の要素は、なんでも自由に利用していただいて結構ですが、何があっても責任は一切負いませんので自己責任でご利用ください