モデルの新旧比較
Autodesk Construction Cloud(以下ACC)のDocsを使って、モデルの新旧比較をしてみます。異なるバージョン間で何が変更になったのかを知るにはRevitだけではなかなか難しいのですが、ACCを使えば容易に把握することができます。
ACCでモデルの新旧比較をしてみよう |
準備
何事も準備が大事です。DocsにおけるRevitでの準備とはパブリッシュ設定のことです。パブリッシュとは情報公開のことで、クラウド上でビューを閲覧可能にすることです。
サンプルのデータとして、Revit標準添付のプロジェクトrst_advanced_sample_project.rvtを使用しました。
- コラボレートタブ>モデルを管理パネル>パブリッシュ設定
- 既定で「セット1」があるのでこのセットを使用します。
- セット1をクリックし、
- リストに表示:モデル内のすべてのビュー及びシート
- すべて選択ボタンをクリックし、セット1にモデル内にすべてのビューとシートを追加します。本当は比較する対象となるビューだけ(たとえば{3D})でいいのですが、今回は操作を単純化するためにすべて「セット1」に追加します。
- セット1に✔が入っていることを確認して[保存して閉じる]
V1モデルをクラウドモデルとして保存
パブリッシュ設定ができたら、一度上書き保存をします。そのうえで
- ファイルタブ>名前を付けて保存>クラウドモデル
- 適切なアカウントとプロジェクト、フォルダを選択して保存する。
最初に保存したとき、パブリッシュは自動で行われます。以後は任意のタイミングで自分でパブリッシュする必要があります。
V2モデルを作成してクラウドに保存
引き続き、モデルにちょっとした変更を加えます。今回はJ-1の構造柱:450mm→600mmに変更し
さらに、3通りと4通りの間に新しい柱を追加してみました。
この状態で「上書き保存」(すでにクラウドモデルになっているので、上書きするだけでよい)を実行
柱を太くしてみた |
柱を加えてみた |
自分でパブリッシュ
- CTRL+Dでホーム画面に戻り、Autodesk Docsをクリック、適切なアカウントとプロジェクトを選択して、保存したモデルがあるフォルダにナビゲートし、ファイルに✔を入れる。
- チェックを入れると[パブリッシュ]ボタンが表示されるので、このボタンを押して新しい情報をクラウドにパブリッシュ(情報公開)をする。
Docsで比較
いよいよDocsで新旧比較をしてみましょう。
- ブラウザで、acc.autodesk.comに移動する
- プロジェクトの一覧が表示されるので、比較対象のモデルを保存したプロジェクトをクリック。
- 左上の製品ピッカーで「Docs」を選び、[ファイル]を選択し、目的のファイル(ここではrst_advanced_sample_project.rvt)をクリック
- シートとビューをクリックし、3Dタブから{3D}を選ぶ
- 画面右上の[比較]ボタンをクリック
- ドキュメント比較ウィンドウで適切なバージョンとビューを選択する。
- 注意することはドキュメントAが新しいほうである、ということです。
- 異なるバージョンで同じビューを指定します。
- [比較]ボタンをクリック。しばらくすると比較結果が表れる
- 緑が追加、赤が削除、黄色が変更 の色は覚えておくと便利です
- [変更]ウィンドウから緑の項目をクリックしてみると、変更箇所がズームアップされ、何が追加されたのか情報が表示される。
追加された情報 - 変更ウィンドウで[結果をツリー表示]に切り替えて、構造柱から黄色(変更)の項目をクリックすると、何が変更されたか詳細な情報が表示される
変更はより詳細な情報が表示される - 変更ウィンドウでで追加、削除、変更のタイルをクリックすると、表示非表示が切り替わる。
こうすると追加項目のみが表示される - 画面中央下の右端のボタンから[並べて表示]を選択
- 新旧のモデルが並べて表示され、変化がわかりやすい。
どのように変わったかがわかりやすく表示される - 画面中央下の右端のボタンで比較終了
Revitはファイルがどんどん更新されていくため、「前のバージョンのファイル」というのが存在しません。しかしクラウドモデルとパブリッシュをきちんと管理すれば、以前の状態をいつまでも保存できるため、新旧比較は非常にやりやすいといえるでしょう。