2024年11月16日土曜日

コーディネーションモデル

コーディネーションモデルで新旧比較

ACC Docsに保存されたさまざまな形式のファイル(例:*.rvt,*.ifc,*.dwgなど)をコーディネーションモデルとしてリンクすると、Revit上でそのバージョン間の比較を表示することができます。

ACCのDocsで新旧比較の記事で紹介したACC DOCSのファイルをRevitにコーディネーションモデルとして挿入します。

  1. 挿入タブ>リンクパネル>コーディネーションモデル▼>Autodesk Docs を選択

  2. アカウントとプロジェクトを選択して適切なファイルを選択しクリックします。
    • ここでrvtファイルを選択しますが、これはrvtファイルのリンクではありません。
    • rvtファイルをコーディネーションモデルとして扱うことに注目してください。
      ACC Docsのファイルを選択

  3. コーディネーションモデルをリンクダイアログボックスが開くので、リンクするべきビューと配置位置を指定し[リンク]をクリックします。
    1. リンクするのは3Dビューです。
    2. リンク元のファイルには不要な情報をあらかじめ取り除いたビューを設定しパブリッシュしておけば、より目的が明確になります。

以上の手順でプロジェクトにコーディネーションモデルとしてRVTファイルをリンクしました。

コーディネーションモデルの差分比較

次に3Dビューでコーディネーションモデルだけが表示されるビューを作成します。
  1. 新たに3Dビューを作成する
  2. 表示/グラフィックスの設定を表示
  3. モデルカテゴリタブで、[全選択]ボタンをクリックし、すべてのカテゴリのチェックを外す。

  4. OK

  5. コラボレートタブ>コーディネイトパネル>コーディネーションモデルの変更をクリック
    • 右側に[コーディネーションモデルの変更]ウィンドウが開く
  6. コーディネーションモデルを選択 から リンクしたコーディネーションモデルを選択

  7. 比較対象から以前のバージョンを選択すると、[追加][修正][削除]の項目が表示される

  8. それぞれの項目をクリックし、変更箇所を確認する

この機能はその他のファイル形式においても有効です。
IFC形式のファイルをコーディネーションモデルとしてリンク
表示される変更に関する内容はACC Docsのほうが詳細に表示されますが、Revit上で他分野のモデルの変更を容易に把握できるこには一定のメリットがあります。またコーディネーションモデルは軽快なので、巨大なIFCファイルを受け取った場合は直接リンクするより、Docsからコーディネーションモデルとしてリンクすることを検討してみてください。

2024年11月10日日曜日

AU2024のおすすめクラス

AU2024ふりかえり

AU2024が終わりました。今年はデスクトップよりもACC(Autodesk Construction Cloud)関連の情報が多く提供されています。クラスもやはりACC関連のものが多くありました。そのなかから、動画、プレゼン資料、配布資料が充実した、おすすめのクラスをいくつかご紹介します。

AU HOME

ACCの総合入門コース

ACC Cloud Publishing 101: Strategies for Success and Mistakes to Avoid

このクラスではACCの様々な機能について、初歩から丁寧に説明しています。動画だけでなくハンドアウトも充実しているので、ACCの概要や初歩的な操作・機能を知りたい人には最適です。

クラッシュチェックの基本をマスター

Autodesk Construction Cloud for Structural Engineering: Let's All Work Better Together

タイトルはStructural Engineeringとなっていますが、意匠・設備でも十分に理解できる内容で、クラッシュチェックのお作法を学べます。

Model Coordinationを使いこなしたい

Efficiency Elevated: Automating Clash Detection for Seamless Collaboration Between Architects and Structural Engineers in ACC

こちらもクラッシュチェックのクラスです。Model Coordinationを使う手順がわかりやすく説明されています。

Navisはもう用済みかと思ったら!

NavisworksとACCのModel Cordinationを組み合わせて、クラッシュを管理する方法を学べます。まだまだNavisworksに一日の長があることがよくわかります。

コーディネーションモデルの使い方

最近Revitに搭載されたコーディネーションモデルの活用方法がわかります。これは結構意外でした。

コーディネーションモデルを深堀り!


直上のクラスと同じスピーカーです。より詳しくコーディネーションモデルの使い方を説明しています。

Formaて何だ?

今回のキーノートでも「Forma」についていくつかの事例が紹介されていました。そもそもFormaとは何か?を知るためのセミナーです。

Data ExchangeでRevitとInventorをつなぐ

ACC Docsの「データ交換」の機能を使う方法を紹介しています。データ交換はACCにパブリッシュされたビューのモデルやパラメータを他のシステムとデータ交換するための機能です。このクラスではより具体的にその使用感をつかむことができます。

Data Exchangeって何に使えるの?

もう一つ、データ交換に関するクラスを紹介します。データ交換には「コネクタ」と呼ばれる通訳のようなアプリが必要なのですが、これらの使い方がよくわかります。

未来の工業化建築

最後に、未来の話を。将来の工業化建築を実現するために何をすればいいのか、どんな手法があるのか?Revitのデータをどのように製作サイドを共有していくのか。動画のみですが様々な示唆に富んだセミナーです。

AU2024は終わってしまいましたが、いつでもこれらのページにアクセスして最新の情報を手に入れることができます。皆さんもお気に入りのセミナーを見つけてください

2024年11月2日土曜日

形状ハンドルが表示されない?

参照面+インスタンスパラメータで形状ハンドル

ファミリの形状を変更する◀▶のマークを「形状ハンドル」といいます。このマークをドラッグしたり、位置合わせで目的の面に一致させたりすることで、ファミリの形状を変更できるので大変便利です。

一般には「参照面」に寸法を作成して、インスタンパラメータのラベルを付与すればOKです。

図A : 参照面+インスタンスパラメータ

これをプロジェクトにロード、配置し選択すると形状ハンドルが表示されます。

図B : プロジェクトにロードすると形状ハンドルが表示される
この形状ハンドルをドラッグして、インスタンスパラメータの値(図AでいえばXとYの値)を変更することができます。

形状ハンドルが表示されないとき

この形状ハンドルが表示されない場合があります。図Aで右側の参照面の参照を[参照なし]に設定し、

図C:参照面の参照プロパティの値を[参照なし]に設定

プロジェクトにロードします。すると右側の形状ハンドルが表示されなくなります。

図D:参照なしの参照面には形状ハンドルは表示されない

上下の形状ハンドルに注意!

ファミリエディタで正面のビューで、次のように参照面+インスタンスパラメータの寸法を作成しました。h1、h2の上下端の参照面の参照は弱参照です

図E:正面ビュー

こんな場合も形状ハンドルが表示されません。

図F:上下に形状ハンドルが表示されない

これはなぜでしょうか?これは図Eのh1、h2の寸法がレベルと参照面の間に作成されているからです。

図G:寸法は参照面とレベルの間に作成されていた

形状ハンドルを表示するには参照面と参照面の間に寸法を作成する必要があります。多くのファミリテンプレートでは、参照レベルに参照面がロックされています。参照レベル側の寸法補助線を、参照レベルにロックされている参照面に付け替えて、再度パラメータh1、h2を与えます。

図H:参照レベルにロックされた参照面を使う

そしてプロジェクトにロードすると無事形状ハンドルが表示されます

図I:参照面同士に寸法を作成すると形状ハンドルが表示される

特に意識していないと、立面ビューで寸法を作成する時、レベルを押さえてしまうので、レベルにロックされている参照面を押さえるようにしてください。