2024年7月14日日曜日

ARTマテリアル~色・粗さ

金属

ARTマテリアルには様々なパラメータがあります。代表的なパラメータの働きについて理解しましょう。ベースとなるARTマテリアルのうち「金属(メタル)」は最もパラメータ数が少なく、初心者にの理解には最適です。

反射色のこと。光を当てた時その金属が何色に見えるのかを示します。例として

  • アルミニウム    R:245 G:245 B:246
  • 真鍮                R:243 G:203 B:124
  • ステンレス       R:203 G:203 B:203  
等の計測値が公開されています。
ステンレスを例としてマテリアルを作成してみましょう。

マテリアル作成手順

  1. 管理タブ>設定パネル>マテリアル でマテリアルブラウザを開き、左下の[新しいマテリアルを作成]を選択。

  2. アイデンティティタブで名前を[ステンレス1]とする
  3. 外観タブで[このアセットを置き換えます]を選択し、アセットブラウザを開く

  4. [外観ライブラリ]を選択し、検索ボックスに「ベース」と打ち込んで検索。
  5. [ベースマテリアル - メタル]をダブルクリック、または右端の矢印ボタンをクリックし、マテリアルブラウザに表示して閉じる
    ダブルクリック または 矢印ボタンをクリック

  6. マテリアルブラウザで[このアセットを複製します]ボタンをクリック
  7. 情報パネルを展開し、名前を設定。ここではマテリアルの名前と同じにします。
    アセットを複製して名前をつける

  8. パラメータパネルの色ボックスをクリックして、R:203 G:203 B:203に設定
  9. 粗さを0にする

  10. OK
これを適用し、次のような格子模様の床の上にキューブとして配置し、

レンダリング(高)をかけてみました。反射している床面の色が設定した「色」に染め上げられていることに注目してください。
反射に色が反映されている
アルミや真鍮も同様にマテリアルを作成してレンダリングみると
左からステンレス、アルミ、真鍮

色を設定する効果がわかります。

粗さ

粗さとは、表面の微妙な凹凸のことで、結果として反射の精度に現れます。ここまでは「粗さ」の値を0にしたので、床面に施された格子は正確に面に表現されています。
粗さの値は0~1の範囲で設定します。値を変えて結果を見てみます。
粗さ=0.1

粗さ=0.2


粗さ=0.5


粗さ=1.0
粗さを1にすると完全にマットな質感となりステンレスらしさが失われていますね。

粗さのテクスチャマップ

「粗さ」は数値(0~1)で全体の販社の粗さをコントロールできますが、グレースケール画像を使って粗さをマッピングすることもできます。
マテリアルブラウザの粗さの右端の矢印をクリックしてイメージを選択します。
粗さにイメージを設定する
そして、例えば次のような画像を指定します。

これは、Autodesk Materialライブラリに含まれる画像の一つです。("C:\Program Files\Common Files\Autodesk Shared\Materials\Textures\1\Mats\brush_long_bump.png")
黒のピクセルは鏡面のような仕上げを表し、白のピクセルはマット仕上げを表します。グレーのピクセルは、その中間です。
この画像を前回のテクスチャマップと同様の方法で画像調整を行います。

黒が鏡面仕上げになるのでイメージを反転させてみました。レンダリング結果はこのようになりました。


色と粗さの働きについては以下のヘルプに詳細に記載されていますので、ぜひご覧ください。