Autodesk Ray Tracer
現在のマテリアルライブラリには「レガシーマテリアル」と「ARTマテリアル」の2種類が混在しています。ARTはAutodesk Ray Tracerの略で、現在のRevit、AutoCAD、Inventorなどに搭載されているレンダリングエンジンで、名前の通りレイトレーシングを基調としています。今回はARTマテリアルを使って画像をマッピングしたマテリアルを作ってみましょう。
ARTマテリアルのベース
レガシーマテリアルにはベースとなるマテリアルが存在します。アセットブラウザで、外観ライブラリ>規定 を選択すればレガシーマテリアルの14のベースマテリアルが表示されます。
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レガシーマテリアルのベースマテリアル |
同様にARTマテリアルにもベースマテリアルが存在します。アセットブラウザで外観ライブラリを選択した状態で、検索窓に「ベース」と打ち込んで検索します。
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5種類のベースマテリアル |
v2025では6つのアセットが表示されますが、タイプ列を見ると
の5種類のベースマテリアルが見つかります。それぞれの内容については以下のヘルプにに詳細に記述されていますので、ぜひ参考にしてください。
Autodesk Rendering ヘルプ | 概要 - マテリアル | Autodesk
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Autodesk Rendering ヘルプのホームページ |
金属(強い反射)でも透過性(屈折)でもない、一般的なマテリアルは「ベースマテリアル-不透明」を複製して使用します。
テクスチャ画像の準備
前回同様にINAXのホームページから画像をダウンロードして使用します。
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CG用画像をダウンロード |
ダウンロードした画像を任意のフォルダに保存します。
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ダウンロードした画像ファイル |
この画像ファイルにはタイルが18段あります。目地寸法は247x70ですから画像の高さは70×22=1260mm、幅はタイル6枚なので、247×6=1482mmになります。
テクスチャマッピングマテリアルの作成
- 管理タブ>設定パネル>マテリアル
- マテリアルブラウザダイアログボックスの左下の[新しいマテリアルを作成]を選択
- アイデンティティタブをクリックし、任意の名前を設定
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アイデンティティタブで名前を設定 |
- 外観タブで、[このマテリアルを置き換えます]をクリック
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このアセットを置き換えます |
- アセットブラウザで外観ライブラリを選択して、検索窓に「ベース」と打ち込み検索。
- ベースマテリアル - 不透明を選択し、右端の矢印ボタンをクリック
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ベースマテリアル - 不透明 で置き換え |
- マテリアルブラウザで[このアセットを複製します]をクリック
- 情報パネルを展開し、名前を設定。
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アセットを複製し、名前を設定 |
- パラメータパネルを展開し、色の右の▼をクリックして、イメージをクリック
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イメージをクリック |
- ダウンロードした画像ファイルを指定
- イメージをクリックしてテクスチャエディタダイアログボックスを開く
- 変換>尺度 でリンクアイコンをオフにし、幅を1482 、高さを1260に設定
- 終了
これでテクスチャ画像を設定したマテリアルができました。
プレビューをみると、悪くはありませんが、なんだかちょっと平坦ですね。。。こんなときはバンプを設定してみましょう。バンプはARTではレリーフパターンといいます。
レリーフパターン(バンプ)
レリーフパターンを設定するにはまず白黒画像を準備します。画像の白黒化は簡単で、元の画像をペイントで開いて、ファイル>名前を付けて保存>その他の形式 でモノクロビットマップを選択して保存します。もう一度開いてJPGで保存すればファイルサイズの節約になるでしょう。
- マテリアルブラウザの外観タブで、レリーフパターン(バンプ)に✔し、作成したモノクロ画像を選択。
- テクスチャエディタの尺度で、リンクボタンを解除し、幅と高さに同じ値を設定する。
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幅1482 高さ1260 |
- 詳細を展開すると、高さマップと法線マップが選択できますが、とても大雑把に言うと高さマップはグレースケール画像、法線マップはRGBイメージです。今回は高さマップを選択します。
- 終了
プレビューをみると、少し凹凸が出たようにも見えますがはっきりとはわかりませんね。
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凹凸があるようには見えるが… |
それでは実際に二つのマテリアルをプロジェクトに配して、リアリスティック表示で比較してみます。
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左:レリーフパターンあり、右:レリーフパターン無し |
レリーフパターンの有無で、大分表現が違いますね。
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拡大 |
他にも細かな設定はありますが、まずは大筋このやり方でOKです。テクスチャマッピングもARTではかなり高速にレンダリングできるので、レガシーマテリアルをお使いの場合は、早めにARTマテリアルに乗り換えてみてはいかがでしょうか。