2024年6月23日日曜日

標準Dシートと吹き出し

詳細図

みなさんの会社でも標準のおさまりを示したディテールシート集があるでしょう。今回はモデルと直接関係のない標準のディテールシートを吹き出しを使って関連付けてみます。

国土交通省官庁営繕の建築工事標準詳細図5-01に次の図のようなパラペットのおさまりがあります。

国土交通省官庁営繕建築工事標準詳細図から引用

このようなディテールシートを製図ビューに作成するには次の方法が考えられます。

  1. 詳細線分、詳細項目などのRevitネイティブ要素で再作成する。
  2. CADデータを製図ビューにインポートして配置する。
  3. PDF/画像データを読み込んでスケールを合わせる

一部を改造して使用することを考えると1が最も望ましいです。

Revitの製図ビューで再作成するのがベストだが…

一方、過去のCAD資産を活用するならば2ですがデメリットは線の太さや種類が正しく表示されない場合がある、ということです。また非表示に設定したレイヤが表示されたりなど、十分に注意する必要があります。

その点3のPDFやイメージならば線の太さや線種について心配する必要がなく、一番確実でお手軽な方法といえます。この場合ビュー上をクリックして正確な寸法を得ることはできませんが、ディテールシートは仕様の表明であると考えれば大きな問題はないといえるかもしれません。

まず、十分に高解像度な画像(300DPI程度が目安)を作成して、製図ビューにイメージとして読み込みます。この際尺度はもとの詳細図の尺度に合わせておきます。

挿入タブ>読込パネル>イメージ読込
リンクでも構いませんが、リンク切れには注意してください。またクラウドでコラボレーションしている場合は、リンクするPDFやイメージファイルもクラウドにアップロードする必要があります。ファイル管理が面倒ならば読込のほうがお手軽です。

修正|ラスターイメージタブ>修正パネル>スケール で、おおまかに尺度を合わせます。

尺度をだいたい一致させる
このとき、ベクトルベースのPDFを読み込んでいる場合は、スナップを有効にする機能が使用できます。
スナップを有効にする
スナップを有効にすると、PDFといえども線にスナップできるようになります。
PDFなのにスナップできる!

モデルに適用する

  1. 適用先のビューを開き、表示タブ>作成パネル>部分詳細▼>長方形 を選択
  2. 修正|吹き出しタブ>参照パネル>他の参照ビューに✔し、作成した製図ビューを選択
    他の参照ビューにチェックして製図ビューを選択

  3. 適用箇所を2点をクリックして囲み、符号の位置を調整する
    適用先に吹き出しを作成

  4. 吹き出しが選択された状態で、タイプセレクタに製図ビューのビュータイプが表示されていることを確認してタイプ編集ボタンをクリック
  5. 参照ラベルに適切な文字を設定。参照ラベルは例えば標準図であれば「標準」、プロジェクトごとに作成したディテールシートであれば「P」などと、納まりの種別を示すのに役立ちます。もちろん何も設定しなくてもOKです。
    ビュータイプを複製し、適切な参照ラベルを設定

あとはシートに製図ビューを配置すればOKです。