2024年6月8日土曜日

吹き出し記号の仕組み

吹き出し記号はちょっと複雑

前回は吹き出しの簡単な使用方法を説明しましたが、今回は吹き出し記号の表示について説明します。

断面ビューのタイププロパティが表示される

吹き出し記号を選択してタイプ編集ボタンを押すと、断面ビューのタイププロパティが表示されます。このプロパティの中の「吹き出しタグ」と「参照ラベル」が吹き出しに関係しています。

吹き出しタグの[...]ボタンをクリック

吹き出しタグの値を選択して右端の[...]ボタンをクリックします。すると吹き出しタグのタイププロパティが表示されます。

部分詳細記号とコーナー半径の関係

  • 部分詳細記号は注釈記号カテゴリのファミリで、自由に作成することができます
  • コーナー半径は囲み線のコーナーの半径です。

囲み線の色と線種を変更するには?

囲み線の線種や色や太さを変更したい場合は、オブジェクトスタイルで「部分詳細境界」を探してください。例えば次のように設定すると
部分詳細境界と部分詳細引出線

このようになります。

この部分詳細境界カテゴリ表示/グラフィックスの上書きダイアログボックスには表示されません。表示グラフィックスの上書きでは表示するかしないかだけを吹き出しカテゴリで設定できるだけです。

表示/グラフィックスの上書き

部分詳細記号のラベル

部分詳細記号はロード可能ファミリなので、自由にデザインできますが、使用できるラベルは次の通りです。

少々わかりにくいプロパティが並んでいます…

  • シート番号
  • 参照シート
  • 参照ラベル
  • 参照詳細
  • 詳細番号
これらがそれぞれ何を示すのか、を説明します。

シート番号と詳細番号

最初のシート番号と詳細番号は、吹き出しビューが配置されているシート番号と詳細番号です。これはRevitユーザーならば直感的にわかるでしょう。
シート番号と詳細番号

参照シートと参照詳細

参照シートと参照詳細はちょっとわかりにくいのですが、吹き出しビュー側から見て、どのビューに適用されているのか?を示しています。
上の図で言うと、「屋上パラペット(アルミニウム製笠木)」という詳細図は、A101の詳細番号1の断面頭上に配置されてます。したがって次の図のようにプロパティに
親ビュー(断面図)のシート番号と詳細番号を示している


参照シート:A101--------親ビューのシート番号
参照詳細(番号):1--------親ビューの詳細番号
と表示されます。ですのでビュー上に表示することはあまりなさそうなプロパティですね。

参照ラベル

今回はパラペットの詳細を作成しましたが、この詳細図を他の箇所にも適用したいことがあります。そんな時は「他のビュー」を指定して吹き出しを作成します。

  1. 表示タブ>作成パネル>部分詳細▼>長方形
  2. 修正|吹き出しタブ>参照パネル>他の参照ビューに✔
  3. リストから作成した吹き出しビューを選択

  4. 画面上で矩形を描画し、記号を適切な位置に配置する
    記号右の「参照」に注目!

このとき、Revitの建築テンプレートに含まれる詳細記号ならば、右上に「参照」という文字が表示されます。これが「参照ラベル」です。この値は吹き出しのタイププロパティ「参照ラベル」の値で、自由に変更できます。

参照ラベルプロパティ
このラベルは、モデルを下敷きとせず、「他の参照ビュー」に✔をいれてビューを選択した場合にのみ表示されます。これをRevitでは参照吹き出しと呼んでいますが、訳とUIがあまり一致していないので名前はどうでもよいでしょう。

次回は標準ディテールの活用について、です。