ディテールとモデルの連携
吹き出しはモデルと詳細を関連付ける機能です。今回はこの機能の具体的な使用方法を見てみましょう。
次のような簡単なモデルを作成し、パラペット部分の詳細図を作成してみます。
モデルは簡単に |
断面ビュー |
吹き出しを作成する
- 表示タブ>作成パネル>部分詳細▼>長方形
- パラペットの周囲を2点クリックし、吹き出し(Call Out)を作成
①-②をクリック - 作成した吹き出しを選択し、記号をドラッグして適切な位置に配置
- 吹き出しを選択した状態で右クリック>ビューに移動
- ビュースケールを1/10に設定
- ビューのプロパティモデル表示をハーフトーンに設定
ビュースケールを1/10 モデル表示をハーフトーン - ビューのモデル(壁・床など)がハーフトーンで表示されていることを確認してください。
通り芯・レベルを除きハーフトーンで表示される
ディテールをかく
パラペットのディテールを作成します。使用する要素は「詳細線分」「塗潰領域」「詳細項目」といった2D要素です。参考にしたのは国土交通省官庁営繕発行の建築工事標準詳細図(令和4年改訂)です。
- 注釈タブ>詳細パネル>領域▼>塗潰領域
- タイプ編集>複製で「RC」という名前のタイプを作成
- 前景の塗り潰しパターンをRC(切り取り)などの、コンクリートを示すパターンを選択しOK
- マスキングに✔してOK
- コンクリートの領域を<中線>で囲んでOK。このとき必ずしもモデルをトレースする必要はなく、必要に応じて面取りなどを加えてください。
コンクリートの領域に塗りつぶし領域を作成 - 注釈タブ>詳細パネル>詳細線分 で適切な線種でふかしの線を作成します。今回はは<隠線>を使用します。
ふかしの詳細線分を作成 - 注釈タブ>詳細パネル>領域▼>塗潰領域
- タイプ編集>複製で「モルタル」という名前のタイプを作成
- 前景の塗り潰しパターンをコンクリートなどの、モルタルを示すパターンを選択しOK
- 70㎜の面が取れるように、三角形の領域を<細線>で作成します。
三角形の塗り潰し領域を作成 - 同様の方法で塗潰領域で防水層を幅10mmで作成します。塗潰領域のタイプ名は「防水層」で、パターンは<塗り潰し>とします。
防水層を塗潰領域で作成 - 詳細線分<太線>と<隠線>でアルミ笠木をスケッチします。
アルミ笠木を詳細線分で描画 - シール材を塗潰領域で作成します。
- タイプ名はシール
- 塗り潰しパターンは適切なパターンを選択してください。新たに作成してもかまいません。
- 半径15mm程度の半円の塗り潰し領域を作成し、防水層の先端に配置します。
- 原則としてあとから作成した塗り潰し領域が上になります。不都合がある場合は、選択して前後関係を調整します。
シールを作成 - ビューのプロパティ「モデル表示」をハーフトーンから表示しないに変更します。ハーフトーンで表示されていたモデル要素が非表示となります。
- 必要な寸法と注釈文字を加えます。
- ビューのプロパティシートのタイトルを「屋上パラペット(アルミニウム製笠木)」とします。
- トリミング領域を調整して完成。
完成
シートにレイアウト
断面ビューと吹き出しをシートにレイアウトすると、吹き出しの記号にシート番号とビューの詳細番号が反映されることがわかります。
シートにレイアウト |
モデルを詳細に作り込みすぎると設計変更への対応が遅れがちになります。おさまり検討が可能なできるだけ簡単なモデルを作成して様々な部位を検討し、必要なディテールを入念に作成するのも一手ではないでしょうか。