レイヤの機能と躯体境界
壁と壁が取り合う場合、壁の各レイヤはどのような理屈で結合するのかを調べてみましょう。ここではレイヤの機能と躯体境界が大きな役割を果たしています。
機能の[]は結合の優先順位
壁や天井のタイプのレイヤには機能に[1]~[5]の数字があります。
[]内の数字の意味は? |
この数字は壁同士あるいは壁と天井などの層構造をもつホストファミリ(床・壁・天井・屋根)が結合したときに、どのレイヤが優先的に結合するかを示しています。
RC外壁と間仕切壁の結合
次の図では、LGSに両面ボード張りで仕上にケイ酸カルシウム板をはった間仕切壁が、内側をGLボンドで仕上げたRCの壁と結合しています。
LGS(紫)とRC(灰)が結合していることに注目! |
ここで、LGS壁のGB12.5を仕上1[4]から下地[2]に変更してみます。
下地[2]GB12.5が断熱層を突き抜けている |
下地の優先順位は[2]なので、断熱層または通気層[3]よりも強いため、下地が断熱層を突き抜けています。また上の図では包絡していたGB12.5のレイヤ(クリーム色)ですが、下の図ではレイヤの機能(仕上1[4]と下地[3])が異なるので、包絡されていません。
耐火間仕切壁と一般間仕切壁の結合
耐火間仕切壁と一般間仕切壁の結合を考えてみます。例えば吉野石膏B15はスタッドの両面に強化石膏ボードを2枚張りしています。この壁に一般のLGS壁が取り合う場合、この強化ボードが通っている必要があります。
結合の優先順位は[]内の数字以上に躯体境界の内側が最優先されます。次の図は、強化石膏ボードを優先順位最高位の構造[1]にし、躯体境界の外側に設定した場合です。
耐火間仕切と一般間仕切のLGSが結合している |
耐火間仕切壁のレイヤ構成 |
このように、耐火間仕切壁のLGSに、一般間仕切壁のLGS65が強化GBを突き抜けて結合しています。では強化GBのレイヤを躯体境界の中に入れてみます。
性能壁を構成するレイヤをすべて躯体境界の中に入れてみる |
すると次の図のように理想的な結合となります。
強化石膏ボードが通っている理想的な結合 |
では、ここで強化GBのレイヤの機能を下地[2]にするとどうなるでしょう?
強化GBを下地[2]に設定 |
これでは元の木阿弥。。。 |