側溝ファミリ~ボイド切り取り時のエラー
U字側溝のファミリを作成するときにはボイドを設定しておけば、地形ソリッドを切り取ることができるのですが少し注意が必要です。
例えば、次の図のような線基準のファミリを作成し、
線基準のU字側溝ファミリだとちょっと問題がある |
地盤面に勾配なりに配置した場合、次のようなエラーになる場合がります。
微妙な勾配の場合、地盤面を切り取れない |
大きな勾配であればエラーは起きにくい |
常に鉛直になるように
こうしたエラーを防ぐためには、ソリッド/ボイドが勾配に関係なく常に鉛直になるように作る必要があります。作戦は、「スイープではなくブレンドでフォーム/ボイドを作成する」です。
正面から見たところ。勾配にかかわらず常に鉛直に。 |
作り方
- 一般モデル(メートル単位).rft でファミリを新規作成
- ファミリカテゴリとパラメータ
- カテゴリを「外構」または「ハードスケープ」に
- 作業面ベースに✔
- ロード時にボイドで切り取りに✔
- 左右の参照面を作成し、寸法で拘束して均等に。インスタンスパラメータ「長さ」を設定する。
左右の参照面と長さインスタンスパラメータを設定 - U字側溝の幅を示す参照面を上下均等に作成して、タイプパラメータ「A」を設定
上下均等に参照面を作成して、タイプパラメータAを設定 - 立面図>正面 で次のように参照面とパラメータを設定。バックセットのみタイプパラメータとする。
正面ビューで高さ関連のパラメータを設定 - 立面図>左 で、U字溝に関する参照面とパラメータを作成する。
U字側溝関連の参照面とパラメータ - このままではわかりにくいので、出来上がりの姿を重ねてみます。かなり簡略化した状態なので、必要に応じて変更してください。
出来上がりのイメージ - 作成タブ>フォームパネル>ブレンド で左側の形状をスケッチ
左側の形状 - モードパネル>上部を編集 で右側の形状をスケッチ
右側の形状 - モードパネル>✔
- 平面図>基準レベル を開き、作成したフォームの左右の面を参照面にロックする
左右の面を参照面にロック - 作成したフォームを選択し、プロパティウィンドウのマテリアルの関連付けボタンをクリック
- 新規作成をクリックし、「U字側溝」という名前のタイプパラメータを作成して関連付ける。
フォームのマテリアルを関連付ける - 同様に「敷モルタル」「基礎砕石」の部分をブレンドで作成する。
- オフセット右、オフセット左のインスタンスパラメータを追加
- 制御_オフセット右の式に「バックセット-オフセット右」、制御_オフセット左の式に「バックセット-オフセット左」を設定し、オフセット左、オフセット右の値を変更して挙動を確認してください。
- 立面図>左を開き、地形ソリッド切欠き用のボイドを作成します。
- 作成タブ>フォームパネル>ボイドフォーム▼>ブレンド
- プロパティウィンドウの「ジオメトリを切り取り」のチェックを外す
- 次の図のように、左側の形状をスケッチ
地盤ソリッド切欠き用の左側の形状 - モードパネル>上部を編集 で右側の形状をスケッチ
右側の形状 - モードパネル>✔
完成したU字側溝ファミリ
立面図>正面のビューで、オフセット右、オフセット左の値を変更して形状の変化を確認してください。
オフセット右・左の値を変更して形状の変化を確認 |
ブレンドを使えば、常に鉛直な形に変化するファミリを作ることができます。次回はこのファミリを使って地盤を切り欠いてみます。