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2023年4月23日日曜日

地形がSOLIDになった!(1)

地形ソリッド

長らくRevit唯一のサーフェス要素だった地盤面が、Revit2024から地形ソリッドとして生まれ変わりました。旧バージョンで作成した地盤面は引き続き有効ですが、編集や新規作成はできなくなります。

次の図はRevit2024のマス&外構タブ>外構作成パネルの外観です。

Revit2024
こちらはRevit2023の外構作成パネルです。
Revit2023
ご覧のようにいくつかのコマンドが廃止されています。大きな変化は次の通りです。

  • 地形(→地形ソリッド)
  • 地盤面を簡略化(→廃止・今のところ代替手段はない)
  • 地形面を分割(→修正タブの「要素を分割」)
  • 外構設定(地形ソリッドのタイプパラメータに組み込まれた)
  • 建築舗装(廃止・ボイドファミリを自作して切り取りを行う)

アップグレードすると地盤面はどうなるのか?

Revit2023以前からRevit2024にデータをアップグレードするとどうなるでしょうか?次のデータは地盤面に舗装とサブ領域を追加したモデルです。
舗装とサブ領域を含むRevit2013のデータ

これをRevit2024にアップグレードすると、まずは今まで通りの地盤面、舗装、サブ領域として再現されます。
Revit2024でも同じ要素として読み込まる

この地盤面を選択すると、次のようなボタンがリボンに表示されます。

このボタンを押してみると次のダイアログボックスが表示されて、地形ソリッドのレベルとタイプを指定します。
このダイアログボックスで注目するべきは3行目に書いてある「建築舗装は無視される」という一文です。
地盤面から地形ソリッドを作成する
地形ソリッドが指定したタイプで生成されますが、元の地盤面自体はなくならないので、変換が終わったら削除します。


サブ領域はサブ区画に変換されますが、舗装は変換されず地盤面として残ってしまいます。

地盤の分割

舗装はRevit2024で廃止されました。代替手段の一つとして、地形を分割して異なるタイプを設定することができます。
  1. 修正タブ>修正パネル>要素を分割
    要素を分割

  2. 地形を選択
  3. 分割線をスケッチして✔

  4. 地形ソリッドが分割されるので、選択して形状をリセットしたり、異なる地形タイプを設定します。
    異なる地形ソリッドタイプを割り当てる

要素を分割で地盤が分割できることは素晴らしい進化だと思います。残念なことは要素を分割で領域を分けることができるのは地形ソリッドだけで、床や屋根などは分割できない点です。

新規に地形ソリッドを作成する

新規に地形ソリッドを作成する手段として
  • スケッチから作成
  • 読込から作成
の二つの手段があり、読み込みから作成する場合はさらに
  • CADから作成
  • CSVから作成

と、旧バージョンの地盤面作成と同じ手段が提供されています。こちらにサンプルのCSVファイルを配置しておきますので、メートル単位で読み込んでみてください。
CSVから作成された地形ソリッド

スケッチから作成

スケッチから作成は次のステップで行います。
  1. 床と同様に外形線をスケッチして作成
  2. 選択して、床と同様にサブ要素(点・分割線)を追加する
2のステップでは、従来の「点を配置」と同様に、ポイントを作成してその高さを指定していきます。地盤面を作成するときの点の高さは内部基準点からしか指定できませんでしたが、地形ソリッドでは
  • 現在のレベル(地形ソリッドの基準レベル)
  • プロジェクト基準点
  • 測量点
  • 内部基準点
  • 現在の面の高さからの相対距離
で指定することができます。

まずスケッチで地形ソリッドの外形を作成します。この時注意するべきこととして、地形ソリッドの基準レベルをベンチマークのレベルに設定しておくことです。これにより、次工程の点を入力する作業において、点の高さの計算が不要になるでしょう。

次に、作成した地形ソリッドを選択すると次のような編集ツールがリボンに表示されます。
地形ソリッドを選択すると編集ツールが表示される

点を追加を選択し、「絶対」「現在のレベル」を選択

高さの値に適切な値を入れて、地形ソリッド面上をクリックして点を追加します。
高さを設定して点を追加

これを繰り返すこと地形ソリッドを作成できます。



今回の地形ソリッドの採用は、外構作成にとって朗報です。いまだ不十分な点はありますが、これからの改善が楽しみです。