Pages - Menu

2023年3月18日土曜日

12.7mmの隙間

妙な隙間が・・・

RC部材なのに鉄骨部材のような隙間ができてしまう

RCの構造フレームと構造柱、または構造フレーム同士が結合する部分で、隙間が空いてしまう場合があります。この隙間がだいたい12.7mm(1/2インチ)なのですが、この隙間はファミリの設定により生成されるものです。バグのようなものだとは思いますが、この修正方法について説明します。

構造フレームで検証

  1. 構造テンプレートで新規プロジェクトを作成
  2. 構造柱「コンクリート-長方形-柱:600 x 750mm」と構造フレーム「コンクリート-長方形梁:400 x 800mm」を次の図のように配置する
    この時点では正しいが。。。

    • この時点では構造柱と構造フレームはRCらしい振る舞いをしていることを確認してください。
  3. 構造フレームを選択し、修正|構造フレームタブ>モードパネル>ファミリを編集
  4. コンクリート形状を選択し、修正|スイープタブ>モードパネル>表示設定
  5. 詳細レベルグループの「簡略」のチェックを外す
    簡略のチェックを外す

  6. 修正|スイープタブ>ファミリエディタパネル>プロジェクトにロード
  7. [既存のバージョンを上書きする]を選択
  8. 3Dビューを表示し、詳細レベルを標準とする
    包絡がおかしくなる

この時点で柱と梁の包絡がおかしいことがわかると思います。簡略時にジオメトリが表示されていない、ということが問題を引き起こしているようです。
構造フレームのファミリで、コンクリート形状の表示設定を元に戻して、プロジェクトにロードして、状態が元に戻ることを確認してください。
簡略にチェックを入れてロードすると元に戻る

記号表現にも注意!

さて、もう一つの要因ですが、ファミリのプロパティ「記号表現」にも注意が必要です。それでは実際にやってみましょう。
  1. 構造フレームを選択してファミリを開く
  2. ファミリプロパティ「記号表現」の値を[プロジェクト設定から]として、プロジェクトにロードする。
    ファミリパラメータ「記号表現」

  3. 3Dビューの詳細モードを[簡略]にする。
    • このとき3Dビューで柱と梁の包絡がおかしくなることがわかります。(平面ビューでは問題なく表示されます。)
      簡略では包絡がおかしくなる

  4. 3Dビューの詳細モードを[標準]以上とする。
    • 正しく包絡することがわかります。
      標準以上だと正しく包絡される

この記号表現はスティック記号(簡略の時に構造部材を線で表現する)を表示する場合、そのスティック記号をプロジェクト設定で自動発生させるのか、それともファミリからとしてファミリ内で自分で定義するのかの違いを示しています。

構造柱にも注意

構造柱についても同様の注意が必要です。
  1. 構造柱を選択し、修正|構造フレームタブ>モードパネル>ファミリを編集
  2. コンクリート形状を選択し、修正|スイープタブ>モードパネル>表示設定
  3. 詳細レベルグループの「簡略」のチェックを外す
  4. 修正|スイープタブ>ファミリエディタパネル>プロジェクトにロード
  5. [既存のバージョンを上書きする]を選択
    柱周りの包絡がおかしくなる。梁同士には問題がない。
構造柱に取り付いている梁の端部の状態がおかしいことがわかります。RCについては構造柱も構造フレームも簡略時にジオメトリが表示されていることがRCらしく振舞うポイントとなります。

結論

結論として、納得できる包絡状態をつくるには、RCの構造柱・構造フレームは
簡略時にジオメトリを表示するように設定する
記号表現は「ファミリから」を選択する
でした!

2023年3月5日日曜日

鉄筋の拘束

鉄筋拘束

今回は鉄筋の拘束の練習です。鉄筋の拘束の編集は一般的なRevitの操作とは異なる操作が必要なので戸惑いがちですので、そのあたりを重点的に練習してみましょう。

柱の帯筋の拘束

柱の帯筋は初期値としてはかぶり線から鉄筋の面までの距離0mmで拘束されていますが、これを躯体の面から鉄筋芯までの距離での拘束に変更してみます。

  1. 帯筋を選択
  2. 修正|構造鉄筋タブ>拘束パネル>拘束を編集
    1. かぶりの破線がオレンジ色になっています。
    2. 鉄筋の中心線(これを鉄筋ハンドルといいます)がオレンジ色になっています。
    3. かぶり-鉄筋の拘束を示すコントロールが表示されています。
    4. 拘束距離が0.0mmと表示されています。これはオレンジ色のかぶりの線と鉄筋面との距離を示します。
    5. コントロールの絵柄は破線がかぶり、●が鉄筋で、面で位置合わせされています。
      かぶりと鉄筋面の拘束


拘束を躯体面に変更

躯体面と鉄筋芯の距離で拘束する場合です。いわゆる鉄筋の重心距離での拘束です。

  1. コントロールをクリックします。
  2. コントロールの図が変わって、拘束先が躯体面になります。
    1. 躯体面がオレンジ色になり、拘束位置を示しています。
    2. 鉄筋位置は変わりません。
    3. 拘束距離の値が変化しますが、これは躯体面と鉄筋芯の距離を示しています。
    4. コントロールの絵柄は、実線が躯体面、●が鉄筋で、芯で位置合わせされています。
      躯体面と鉄筋芯の拘束

拘束距離を変更する

    1. 表示された拘束距離をクリックし、0とします。
      1. 鉄筋芯が躯体面に移動します。
      2. マイナスが躯体内、プラスが躯体外側です。

    2. コントロールをクリックし、かぶり-鉄筋面拘束に変更
    3. 拘束距離をクリックし、0とします。
      1. 元に戻ったことを確認します。
    4. 修正|構造鉄筋タブ>複数パネル>✔

主筋の拘束

今度は鉄筋同士の拘束です。主筋は規定値では帯筋に拘束されています。
  1. 主筋の一つを選択
  2. 修正|構造鉄筋タブ>拘束パネル>拘束を編集
  3. 鉄筋ハンドルが十字に表示されるので、帯筋に平行なハンドルを選択
    1. 帯筋の芯がオレンジ色に表示され、主筋と帯筋が拘束されていることがわかります。
    2. コントロールが二つ表示されます。「鉄筋の2方向の拘束を切り替え」コントロールと、「鉄筋の内法/芯芯寸法」コントロールです。
      コントロールの意味

    3. 既定値では主筋を移動しても、帯筋は移動しません。

    4. 鉄筋の2方向の拘束を切り替えコントロールをクリックし、拘束を双方向に変更すると、主筋を動かせば帯筋が移動するし、帯筋を移動すれば主筋が動きます。

コーナーの主筋

コーナーの主筋は帯筋の内法に拘束します。
  1. コーナーの主筋を選択
  2. 修正|構造鉄筋タブ>拘束パネル>拘束を編集
  3. 主筋の鉄筋ハンドル(縦でも横でもよい)をクリック
  4. 帯筋のコーナーをマウスオーバーして表示されるターゲットをクリック
    帯筋コーナーのターゲット

  5. これでコーナーの内法に拘束されます。

    梁の2段筋

    梁の2段筋の位置は、位置合わせコマンドや寸法を使って調整することが可能ですが、拘束を利用しても位置を決定することができます。
    1. まず図のように2段筋を配置します。この時セットではなく1本ずつ配置します。


    2. 2段筋の一つを選択
      1. 上段とY軸をそろえ、かつ芯間隔を60mmに設定してみます。
    3. 修正|構造鉄筋タブ>拘束パネル>拘束を編集
    4. 水平の鉄筋ハンドルを選択→上段の主筋の水平のハンドルを選択

    5. 「鉄筋の内法/芯芯」コントロールをクリックして、「芯-芯」のコントロールに変更

    6. 拘束距離をクリックして、「60」と入力
      1. 鉄筋の芯芯距離が60mmになります。
    7. 2段筋の垂直の鉄筋ハンドルをクリック→上段の垂直ハンドルをクリック

    8. 拘束距離をクリックして、「0」と入力
    9. 修正|構造鉄筋タブ>複数パネル>✔

    自動拘束ロジックについて

    このように拘束を使用することで、鉄筋同士あるいはかぶり、躯体との距離を拘束することができます。拘束を編集するには、画面上に表示されるコントロールの意味を把握することが重要です。また、鉄筋ハンドルのクリック順も大切なポイントです。
    ただ、鉄筋を配置する際に「拘束された配置」ボタンを押しておくと、既定のロジックにより鉄筋は自動拘束されます。

    自動拘束のロジックは次のヘルプに記載されていますので参考にしてください。