2022年7月23日土曜日

土量計算のポイント(1/2)

地盤の盛土切土プロパティ

地盤を作成して切土・盛土の計算ができることは皆さんご存じだと思います。でもこのプロパティは表示されたりされなかったりします。

土量プロパティが表示される条件は?

どういった条件で土量計算ができるのかを確かめてみましょう。

フェーズと範囲が重要

土量計算を行う条件は次の2点です。

  1. 既存地盤の構築フェーズが計画地盤の構築フェーズの前であること。
  2. 計画地盤は既存地盤の範囲内にあること。

いたってシンプルな条件ですので、実際に地盤を作成して土量計算を行ってみましょう。

手順1 既存地盤の作成

  1. 建築テンプレートで新しいプロジェクトを開始
    1. 建築テンプレートにはあらかじめフェーズが設定されています。このフェーズを利用します。

  2. 平面図:設計GLを開く
  3. ビューのプロパティで
    1. 「ビュー範囲」で下とビューの奥行を無制限に設定
    2. これは見やすくするための処置であり土量計算には必須ではありません。
  4. マス&外構タブ>外構作成パネル>地形で任意の形状の地盤を作成
    1. だいたい30m角ぐらいの地盤を高さ0mで作成します。
    2. プロパティ「名前」を既存地盤に設定
      だいたい30m角ぐらいの地盤を作成し名前を「既存地盤」とする。

手順2 計画地盤の作成

  1. 同じく平面図:設計GLを開く
  2. 計算結果の確認をわかりやすくするために正確に10m角の地盤を作成します。
    1. 注釈タブ>詳細パネル>詳細線分
    2. 長方形ツールを使って、10mの正方形を既存地盤の内側に描画
  3. マス&外構タブ>外構作成パネル>地形
    1. 作成した10m角の正方形の4つの頂点に高さ1mの点を配置
    2. プロパティ「名前」を計画地盤に設定
      計画地盤を高さ1mで作成する


手順3 土量計算

今のままでは既存地盤も計画地盤も構築フェーズが新しい建設なので、土量計算は行われません。計画地盤のフェーズを変更して土量計算をしてみましょう。
  1. 計画地盤(10m角の地盤)を選択し、土量計算のプロパティが表示されないことを確認。
  2. 既存地盤を選択し、構築フェーズを既設に設定
    既存地盤の構築フェーズを「既設」に設定

  3. 計画地盤を選択し、土量関連のプロパティが表示されていることを確認します。
    計画地盤に土量関連プロパティが表示されます。

    1. 10m角の地盤を高さ1mで作成したので、盛り土が100㎥、切土が0㎥となります。
  4. 計画地盤を選択し、サーフェスを編集
    1. 上側の頂点ふたつの高さを-1000とします。
  5. 計画地盤を選択し、土量関連のプロパティを確認します。
    切土盛土が同じ量なので正味切土/盛土は±0に

    1. 計画地盤の半分が既存地盤に埋もれたようになるので、切土と盛土が同じ値となります。
  6. 計画地盤を移動して、一部を既存地盤の外側に出します。
    計画地盤の一部を既存地盤の外に出す。

  7. 計画地盤を選択し、土量関連のプロパティが表示されなくなっていることを確認します。
    土量関連プロパティがなくなった!

  8. UNDOで元の位置に戻します。

まとめ

土量計算のポイントは以下の二つです。
  1. ポイント1:構築フェーズ
    • 比較元となる既存地盤の構築フェーズを計画地盤の構築フェーズより前のフェーズに設定する。
  2. ポイント2:計画地盤の範囲
    • 計画地盤は比較元の既存地盤の内側になければならない。