2021年11月30日火曜日

作業面グリッド

作業面の表示

Revitでモデリングを行うときは常に「現在の作業面はどこなのか?」を意識する必要があります。平面図のビューのプロパティには「関連したレベル」プロパティがあります。

関連したレベルが既定の作業面

平面図では基本的にはこのレベルが作業面になっています。ここで

  • 建築タブ>作業面>セット

をクリックすると、次のように作業面が表示されます。

作業面ダイアログボックス

作業面グリッドにスナップ

作業面は作業面ベースのファミリをホストすることが主な目的ですが、作業の目安となるグリッドとしても使うことができます。
  • 建築タブ>作業面>表示

で、作業面を表示すると、青い作業面に破線でグリッドが表示されています。

作業面を表示

このグリッドにはスナップを設定することができます。

  • 管理タブ>設定>スナップ
で「作業面グリッド」をチェックします。
作業面グリッド

こうすることで、作業面のグリッドの交点に合わせてモデリングを行うことができます。
グリッドにスナップさせながら作業する
またグリッドの間隔は、作業面のプロパティ「作業面グリッドの間隔」で変更することができます。
作業面グリッドの間隔





2021年11月14日日曜日

天井段差

天井段差を平面図に表示するには?

平面図上に断面線より上にある要素の形状を表示したいときは、アンダーレイと線種変更(ラインワーク)を組み合わせます。

天井段差を平面図上に破線表示

なかなかレガシーな手法ですが、結構役に立ちます。

手順

ここでは1階の平面図に天井の情報を表示してみます。

  1. 平面図のプロパティのアンダーレイグループで、
    • 範囲:下部レベル:1FL
    • 範囲:上部レベル:2FL
      アンダーレイの設定

  2. 平面図に1階の天井の様子が表示されます。
    天井防ビューがアンダーレイで表示される

  3. 修正タブ>表示パネル>線種変更
  4. 線種パネルから適切な線種(ここでは<オーバーヘッド>)を選択。
    線種を選択
  5. 平面図に表示したい線をクリックします。
    要素のエッジをクリックして線種変更

  6. ビュープロパティの範囲:下部レベルを「なし」に設定
    天井が表示される

ラインワークは「例外表示」

この線種変更は「要素の例外表示(強制表示)」コマンドであって、2次元的に図面にお化粧をしているのではありません。線種変更で表示した線をマウスオーバーすると要素の情報が表示されます。つまり、表示規則に従わない例外的な表示を行っている、ということです。ですから、クリックすれば天井の要素を選択することができますし、もちろん編集も可能です。

ラインワークで表示した天井を編集

もちろん他のビュー、たとえば天井伏ビューで天井を編集しても、平面図に表示された破線も変更されます。

線種変更はエッジ単位

ただし、線種変更は要素のエッジ単位なので、線種変更をした線が削除されたり、編集後に新しく作成されたエッジは、新たに線種変更で指定する必要があります。

エッジの状態を変更すると・・・

新たに作成されたエッジは線種変更未指定なので平面図に表示されない。

線種変更はモデルを表示しているので、モデルの変更がそのまま反映されます。

2021年10月30日土曜日

構造フレームの始点と終点

解析モデルで表示

構造フレームは線形のファミリなので、始点と終点があります。鉄骨であれば平面図に矢印が表示されるので始点と終点を判別することは簡単ですが、RC部材の場合はどうやって始点と終点を見分けたらいいでしょうか?

解析モデルで始点側(赤)終点側(緑)を表示

構造設計者の方であればもうご存じだと思いますが、構造フレームの始点と終点は解析モデルを表示することで判別することができます。上の図は解析モデルで、始点側を赤で、終点側を緑で表示したところです。構造関連のテンプレートであれば最初から設定されているのですが、建築・意匠系のテンプレートでは設定されていないこともあるので、その表示方法をご説明します。

使い方

次の図のようなRC躯体のモデルを使って、始点終点を表示する手順を説明します。

RC躯体

オブジェクトスタイルの設定

  1. 管理タブ>設定パネル>オブジェクトスタイル
  2. 解析モデルオブジェクトタブを選択。
  3. ビューコントロールバーの解析モデルを表示をクリック
  4. 解析用梁の+を展開して、始端セグメントと終端セグメントの色を設定
    解析用梁の値を設定
  5. OK

解析設定

  1. 管理タブ>設定パネル>構造設定▼>構造設定
  2. 解析モデルの設定タブを選択
  3. 解析モデルの表示グループの設計解析モデルの両端を区別に☑
    構造設定

  4. OK(警告が表示されますが、閉じるを選択)

構造フレームのインスタンスプロパティ

  1. 構造フレームを選択
  2. インスタンスプロパティ「解析モデル有効」に☑
    構造フレームの解析モデル有効に✔

解析モデルの表示

  1. ビューコントロールバーの解析モデルを表示をクリック
    ビューコントロールバーの解析モデルを表示

以上の手順で、解析モデルによって始点と終点を見分けることができます。
解析モデルを表示した状態

2021年10月24日日曜日

造作工事カテゴリの平面図表示(4)~平面図と天伏の表示を両立するには?

サブカテゴリの活用

ここまで説明してきたように、造作工事ファミリ(ドアも窓も同様)の平面図/天井伏図の表示は単純ではありません。要点をまとめると

  1. 全てのフォームが描画対象である
  2. 切断表示位置は常に一定である
この条件のもと、平面図と天井伏図の表示を両立する方法を考えてみましょう。対象は次の図のような造作工事ファミリですが、天板と底板と中板の形状が異なっているところがポイントです。
天板・中板・底板で形状が異なる造作工事ファミリ

ここまで学習してきたように、平面図の切断位置は常に一定なので、切断面はFL+1200で固定します。
ファミリのビューのビュー範囲の断面を1200に

全てのフォームが描画対象なので、平面・天井伏図の表示の際、天板・底板が邪魔になります。そこで、サブカテゴリ「平面図で非表示」「天井伏図で非表示」を作成し、
オブジェクトスタイルでサブカテゴリを作成

天板、中板、底板、仕切板のサブカテゴリを設定します。
サブカテゴリの設定
簡単に言うと、切断位置より完全に上にあるフォームには「平面図で非表示」、切断位置よりも完全に下にあるフォームには「天井伏図で非表示」のサブカテゴリを設定します。

これをプロジェクトにロードし、プロジェクトの平面図では造作工事カテゴリの「平面図で非表示」のチェックを外し、天井伏図では「天井伏図で非表示」のチェックを外します。その結果、

平面図


天井伏図

切断位置は固定ながらも平面図と天井伏図で表示を両立することができました。


2021年10月17日日曜日

造作工事カテゴリの平面図表示(3)~切断位置

平面図での切断表示位置を変更するには?

平面図における造作工事ファミリの平切断位置は規定値では+1200ですが、ファミリの編集時に、切断位置を指定することができます。

次のような造作工事のファミリをプロジェクトに配置し、平面図で表示します。前回お話しました通り、ビュー範囲の断面の位置を変更しても、常に+1200の位置の切断面として表示されます。(緑が切断・赤が投影)

ビューの切断位置:+1500

ビューの切断位置:+500
平面図では常に左側の仕切板が切断されていることに注目してください。

ファミリを編集

この造作工事のファミリを「ファミリを編集」で開きます。

  1. プロジェクトブラウザ>ビュー>平面図>参照レベル
  2. このときプロジェクトブラウザで、もう一度「参照レベル」をクリックし、プロパティウィンドウにビューのプロパティを表示します。
    参照レベルビューのプロパティを表示

  3. 範囲グループのプロパティ「ビュー範囲」の編集ボタンをクリック。
  4. 断面の位置が1200になっているので、これを任意の値(ここでは6
    00)に変更してOK。
    ビュー範囲の断面を600
  5. 保存して、プロジェクトにロード。
この結果、

ビューの切断位置:+1500


ビューの切断位置:+500

今度は常に右側の仕切り板が切断として表示されるようになります。造作工事ファミリの平面図での切断位置はファミリの編集で平面図の参照レベルのビュー範囲の断面を変更することで変更することができます。

天井伏図の表示

実は同じことが天井伏図の表示にも適用できます。ファミリの編集で、天井伏図の参照レベルビューのビュー範囲の断面の値が、プロジェクトで切断位置となります。
天井伏図のビュー範囲の断面

天井伏図のファミリの描画は平面図とは逆に、ファミリの下方から上方に向けてフォームをひとつずつ投影で表示するか切断で表示するかを判断していきます。注意していただきたいのは「切断して上を見る」ではない、ということです。平面図と天井伏図においてはドア、窓、造作工事のファミリではあくまでもすべてのフォームが描画対象です。
次の図は今回取り上げている造作工事のファミリを下から見た図ですが、一番下の赤色で示したフォームが投影で表示されると、あとのすべてのフォームは隠れて見えなくなる、ということになります。
底板がほかのフォームを隠してしまう

ですから、ファミリの天井伏図のビュー範囲の値をどのようにしても、次の図のように表示されます。
天井伏図では「底板」が投影で表示される
そこで、フォームの表示設定に「平面図/天井伏図で切り取り時(カテゴリが許可する場合)」というプロパティがあるわけです。
平面図/天井伏図で切り取り時(カテゴリが許可する場合)
このチェックを外すことで
  1. 平面図/天井伏図の断面位置がファミリと交差するときは
  2. このフォームを描画対象としない
ということになります。そして「平面図/天井伏図」にチェックが入っていれば
  1. 平面図/天井伏図の断面位置がファミリと交差しないときは
  2. このフォームを描画対象とする
という設定ができます。

2021年10月3日日曜日

造作工事カテゴリの平面図表示(2)

ビューの断面位置の状態を表示したいが・・

造作工事のファミリの平面図での表示は、ファミリ自身の高さによって切断できるかどうかが決まります。ファミリの高さが1200以下は常に投影として表示され、1200を超えると切断が表示されます。それでは高さが1200を超えていれば、平面図上での表示はビュー範囲断面の位置によはずです。

次の図のように、仕切りの位置が上段と下段で異なる造作工事のファミリを作成して表示を確認してみます。

上段と下段で仕切りの位置が異なる造作工事ファミリ

FL+500をビュー範囲の断面にして、仕切りの高さを変えて次の図のように並べます。

高さと仕切りの位置に注目してください。

平面図(ビュー範囲断面=FL+500)をみると次の図のようになります。前回同様に赤が投影/サーフェス緑が断面です。

平面図
右の二つは断面が表示されず、左の高さ1200のファミリ同様の表示となっています。これはどういうことでしょう。

平面図/天井伏図で切り取り時(カテゴリが許可する場合)

造作工事ファミリは高さ1200を超えると、その断面を表示することが可能ですが、切断位置よりも上にある要素も表示されます。単純に「切り口から下」が見えているわけではありません。平面図には天板の投影が表示されていた、というわけです。

造作工事ファミリは全てのフォームが表示される

造作工事のファミリはすべてのフォームが投影または断面で表示されます。このファミリでは天板が投影として表示されていたのでその下にある仕切板のフォームが隠されてしまった、ということです。

そこで、ファミリで天板と棚板を選択して、モードパネルから表示設定を選択してみます。

フォームの表示設定
平面図/天井伏図で切り取り時(カテゴリが許可する場合)のチェックを外します。

平面図/天井伏図で切り取り時(カテゴリが許可する場合)
こうすることで、ファミリが平面・天井伏図でビュー範囲断面と交差していた時に、フォームを非表示とすることができます。
この設定でファミリをプロジェクトにロードすると、平面図には断面が側板や仕切り板の切断面が表示されるようになります。
断面が表示された!
これで解決!あれ?ちょっと変ですね。右の二つのファミリの表示が同じになっています。ビューの断面と交差している仕切板は中央と右で異なっています。
切断されている仕切り板に注目
それなのに、平面図では同じ表示となっています。これはいったいどういうことでしょう?

高さ1200での切断が表示される

実は造作工事ファミリはいつでもファミリの基準点から高さ1200の位置で切断された状態が表示されます。つまりビュー範囲の断面位置を変えても表示は変わらない、ということなのです。次の図のように、下段の仕切り板が高さ1200を超えるようにすると
平面図で下段の仕切板が表示されるようになります。
+1200の位置での断面が表示される

さらに次のようにファミリを下げてみます。
ビューの断面は上段の仕切と交差しているが。。
平面図はやはり、ファミリの挿入基点から+1200の位置の断面を表示します。
表示は常に+1200

結論として、造作工事ファミリのフォームは平面図/天井伏図では
  • ファミリの上端が挿入基点+1200までは、常に投影として表示
  • +1200を超えた場合、ビューの断面と交差しているかどうかだけが判断され、常に挿入基点+1200での断面が表示される。
ということになります。平面/天井伏ビューの断面位置での状態をフォームのみで表示することは実質不可能ということになります。