コンセントをつくる
MEPの電気器具カテゴリでコンセントのファミリを作成してみます。MEPの電気分野の機能はなかなかよくできているのですが、ドキュメント化されていないことが多いので、コンセントのファミリを作成しながら理解を深めていきましょう。
コンセントファミリを作る手順は大筋次のような流れになります。
- モデルの作成
- コネクタの設定
- 電気記号の設定
- モデルと記号の表示設定
ひとつずつ進めていきましょう。
目標
今回は、次の図のような基本的なコンセントを作成してみます。
参考図 |
ファミリの配置方法
ファミリテンプレートを選択する時重要なことは「ファミリの配置方法」です。Revitのファミリには次の配置方法があります。
- OneLevelBased
家具のように、1点をクリックして任意の位置に配置 - OneLevelBasedHosted
ドアのように1点をクリックしてかつ壁などのホスト要素にとりつく - TwoLevelsBased
柱のように上と下のレベルを指定して配置する要素 - ViewBased
注釈のようにビューに依存する点配置の要素 - WorkPlaneBased
参照面または何らかの要素の面に取り付く要素 - CurveBased
線基準のモデル要素 - CurveBaseedDetail
線基準の注釈要素 - CurveDrivenStrucural
構造フレーム - Adaptive
アダプティブコンポーネント
コンセントは壁面に取り付きますので2と思うかもしれませんが、この配置方法を選択すると配置面は壁に限定されてしまいます。またリンクインスタンスにある壁は「面」としてしか認識できません。
コンセントの場合、適切な配置方法は「1」または「5」です。今回は「5」の面に取り付くファミリとして作成してみます。
テンプレートの選択
- ファイル>新規作成>ファミリ で「一般モデル(メートル単位)、面付き.rft」を選択
- プロパティパネル>ファミリカテゴリとパラメータ で電気器具を選択しOK。
カテゴリについて
コンセントのカテゴリは電気器具です。電気関連のカテゴリは、電気器具をはじめ電気設備、照明器具、照明装置などのカテゴリがありますが、末尾の二文字が重要で
設備>器具>装置
モデルの作成
今回はモデルの大きさは固定なので、参照面は使わずにモデルを作成します。(パラメータを用いてサイズを変更できるようにするならば、参照面が必要です)
Revitのモデルは製造用ではないのであまり細かく作りすぎないようにします。ポイントは「おさまりが検討できる」「それっぽく見える」ことです。
- 作成タブ>フォームパネル>押し出し
- 描画パネルから選択(緑色の線)を選択
- オプションバーの奥行を9、オフセットを35として、垂直の参照面を選択して左右にオフセット。
- オプションバーのオフセットを60として水平の参照面から上下にオフセット。
左右に35、上下に60 - 描画パネルのフィレット円弧を選択し、オプションバーの連結と半径にチェックを入れて、半径尾10とし、コーナーを成型する。
コーナーを10mmで面取りする - もう一度描画パネルから選択(緑の線)を選択し、左右に15、上下に35
- 修正パネル>コーナーへトリムでコーナーを直角に成型する。
- モードパネル>✔
- 作成したフォームを選択し、クリップボードパネル>コピー
- クリップボードパネル>貼り付け▼>同じ位置に位置合わせ
- モードパネル>押し出しを編集
- 外周のスケッチラインを削除して、モードパネル>✔
- プロパティパネルの押し出し終端の値を10、押し出し始端の値を-25として適用
- 3Dビューで形状を確認する。
- フォームをすべて選択し、プロパティパネルのマテリアルの関連付けボタンを押す。
- 新規作成ボタンを押して、名前をコンセントパネルとしてOK。
フォームのマテリアルをパラメータに関連付ける - プロパティパネルのファミリタイプをクリックし、既定の高さにコンセントの取り付け高さの基本として200を設定する。これは参照面の交点の位置の高さを示します。
- 名前を付けて保存します。
以上の手順でコンセントのモデルの部分の設定はできました。次回はコネクタの設定について詳細に説明します。