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2021年6月27日日曜日

電気器具ファミリ(1)~形状

コンセントをつくる

MEPの電気器具カテゴリでコンセントのファミリを作成してみます。MEPの電気分野の機能はなかなかよくできているのですが、ドキュメント化されていないことが多いので、コンセントのファミリを作成しながら理解を深めていきましょう。

コンセントファミリを作る手順は大筋次のような流れになります。

  1. モデルの作成
  2. コネクタの設定
  3. 電気記号の設定
  4. モデルと記号の表示設定
ひとつずつ進めていきましょう。

目標

今回は、次の図のような基本的なコンセントを作成してみます。
コンセントのファミリをつくる

寸法は次の図を参考にします。
参考図

ファミリの配置方法

ファミリテンプレートを選択する時重要なことは「ファミリの配置方法」です。Revitのファミリには次の配置方法があります。
  1. OneLevelBased
    家具のように、1点をクリックして任意の位置に配置
  2. OneLevelBasedHosted
    ドアのように1点をクリックしてかつ壁などのホスト要素にとりつく
  3. TwoLevelsBased
    柱のように上と下のレベルを指定して配置する要素
  4. ViewBased
    注釈のようにビューに依存する点配置の要素
  5. WorkPlaneBased
    参照面または何らかの要素の面に取り付く要素
  6. CurveBased
    線基準のモデル要素
  7. CurveBaseedDetail
    線基準の注釈要素
  8. CurveDrivenStrucural
    構造フレーム
  9. Adaptive
    アダプティブコンポーネント
コンセントは壁面に取り付きますので2と思うかもしれませんが、この配置方法を選択すると配置面は壁に限定されてしまいます。またリンクインスタンスにある壁は「面」としてしか認識できません。
コンセントの場合、適切な配置方法は「1」または「5」です。今回は「5」の面に取り付くファミリとして作成してみます。

テンプレートの選択

  1. ファイル>新規作成>ファミリ で「一般モデル(メートル単位)、面付き.rft」を選択
  2. プロパティパネル>ファミリカテゴリとパラメータ で電気器具を選択しOK。

カテゴリについて

コンセントのカテゴリは電気器具です。電気関連のカテゴリは、電気器具をはじめ電気設備、照明器具、照明装置などのカテゴリがありますが、末尾の二文字が重要で
設備>器具>装置
というヒエラルキーがあります。
設備>器具>装置
最上位の電気設備は盤類であり、次に電力を消費するカテゴリとしてで電気器具と照明器具、弱電類として○○装置というカテゴリがあります。

モデルの作成

今回はモデルの大きさは固定なので、参照面は使わずにモデルを作成します。(パラメータを用いてサイズを変更できるようにするならば、参照面が必要です)
Revitのモデルは製造用ではないのであまり細かく作りすぎないようにします。ポイントは「おさまりが検討できる」「それっぽく見える」ことです。

  1. 作成タブ>フォームパネル>押し出し
  2. 描画パネルから選択(緑色の線)を選択
  3. オプションバーの奥行を9、オフセットを35として、垂直の参照面を選択して左右にオフセット。
  4. オプションバーのオフセットを60として水平の参照面から上下にオフセット。
    左右に35、上下に60

  5. 描画パネルのフィレット円弧を選択し、オプションバーの連結と半径にチェックを入れて、半径尾10とし、コーナーを成型する。
    コーナーを10mmで面取りする

  6. もう一度描画パネルから選択(緑の線)を選択し、左右に15、上下に35
  7. 修正パネル>コーナーへトリムでコーナーを直角に成型する。

  8. モードパネル>✔
  9. 作成したフォームを選択し、クリップボードパネル>コピー
  10. クリップボードパネル>貼り付け▼>同じ位置に位置合わせ
  11. モードパネル>押し出しを編集
  12. 外周のスケッチラインを削除して、モードパネル>✔

  13. プロパティパネルの押し出し終端の値を10、押し出し始端の値を-25として適用
  14. 3Dビューで形状を確認する。

  15. フォームをすべて選択し、プロパティパネルのマテリアルの関連付けボタンを押す。
  16. 新規作成ボタンを押して、名前をコンセントパネルとしてOK。
    フォームのマテリアルをパラメータに関連付ける

  17. プロパティパネルのファミリタイプをクリックし、既定の高さにコンセントの取り付け高さの基本として200を設定する。これは参照面の交点の位置の高さを示します。
  18. 名前を付けて保存します。
以上の手順でコンセントのモデルの部分の設定はできました。次回はコネクタの設定について詳細に説明します。


2021年6月12日土曜日

座標公開

座標=真北+測量点

座標公開とは簡単にいうと、リンクしたプロジェクトに、ホストに設定された「真北」と「測量点(ベンチマーク)」を送り込む、ということです。ここでいう座標とは地理的な位置、土木測量上の位置のことであり、これにより二つのプロジェクトで、地理的な位置を共有することができます。Revitでは地理的な位置は真北と測量点で保持されます。

敷地と建物で座標を共有する

建物と敷地のプロジェクトをリンクする

前回までに、真北と測量点(=ベンチマーク)が設定できました。この敷地のプロジェクトに建物のプロジェクトをリンクします。下の図のようなプロジェクトを想定してみます。内部基準点、プロジェクト基準点、測量点はこの時点では次の図のようになっています。

内部基準点/プロジェクト基準点/測量点の位置に注意

このプロジェクトを敷地のプロジェクトにリンクして、適切な位置に配置します。

平面位置の調整

このとき平面位置(XY)だけではなく、高さ(Z)もきっちりと合わせます。

高さも合わせる

敷地の確認

敷地プロジェクトの「敷地」を確認します。

  1. 管理タブ>プロジェクトの位置パネル>場所
  2. 敷地タブをクリック
このリストが1項目だけであることを確認してください。もし、項目が複数あれば、(現在)と接尾されていない項目をすべて削除してください。
敷地は一つだけにする

座標を公開するプロジェクト(この場合敷地プロジェクト)では、敷地の項目が単独である必要があります。

座標公開

「座標を公開」というよりも「座標系を発行」といったほうがわかりやすいかもしれません。敷地プロジェクトに設定されている座標系(=真北+測量点)を建物プロジェクトに発行します。
  1. 管理タブ>プロジェクトの位置パネル>座標▼>座標公開
  2. リンクされた建物をクリック
  3. 建物プロジェクトに設定されている敷地の情報が表示されます。座標を発行する敷地を選択してOKをクリック
    建物プロジェクトの敷地一覧が表示される

  4. ファイル>保存で次のダイアログボックスが表示されるので「保存」を選択する。
    リンクプロジェクトの処置を決定

敷地のプロジェクトを閉じて、建物のプロジェクトを開きます。測量点を選択すると、真北の方向とBMの位置が敷地プロジェクトと同じになっていることが確認できます。
座標(=真北+BM=測量点)が共有された

今度は建物のプロジェクトに敷地プロジェクトをリンクします。
  1. 挿入タブ>リンクパネル>Revitリンク
    1. 敷地プロジェクトを選択
    2. 配置から「自動-共有座標を指定」を選択
    3. 開く
  2. 敷地境界線と地盤が適切な位置にリンクされることを確認してください。
敷地と地盤がリンクされる



これで敷地←建物、建物←敷地のリンクが全く同じ位置となりました。二つのプロジェクトで地理的位置(BM+真北=測量点)が「共有」されたことになります。

地理的位置を複数のプロジェクトで統一するには「真北」と「測量点」を統一するということになります。

2021年6月5日土曜日

地盤と敷地境界線

地盤を作成したあとの手順

前回は測量座標をベンチマークを合わせてRevitに取り込み地盤を作成しました。

この時点では上が真北


ここからの手順は建物と敷地は別プロジェクトにする前提で進めます。

  1. 測量図を取り込んで敷地境界線を作成する
  2. 地盤・敷地境界線・取り込んだ測量図をBMを中心に回転してプロジェクトの北を設定
  3. 測量図の真北に合わせて真北を設定
  4. 測量点の設定

測量データを取り込んで敷地境界線を作成する

測量CADデータを読み込み敷地境界線を作成します。たとえば次の図のような敷地図データがあり、矢印の辺に対して建物を平行に計画するとします。

矢印の辺に対して建物を平行に計画する

敷地のデータを読み込む

  1. 配置図のビューを開く
  2. 挿入タブ>読込パネル>CAD読込
    1. 「現在のビューのみ」にチェック
    2. 配置で「手動-中心」
    3. 読込単位で適切な単位(一般にmm)を選択
    4. 開くで配置(この時いったん敷地の外に配置する)
  3. 配置した敷地のCADデータを選択し、オプションバーから「前景」を選択

敷地のデータを真北に向ける

  1. 敷地のCADデータを選択
  2. 修正パネル>回転
    1. オプションバーの「配置」をクリックし、方位記号の中心をクリック
    2. 回転して真北が上を向くようにする。
  3. 修正パネル>移動
    1. BMの位置を内部基準点に合わせる。
      敷地図の真北とBMを合わせる

敷地境界線を作成する

  1. マス&外構タブ>外構修正パネル>敷地境界線
  2. 「スケッチで作成」を選択
    1. 描画パネルから「選択」を選択し、敷地境界線をスケッチする
    2. モードパネル>✔

プロジェクトの北を決定する

建物は敷地境界線の↓の辺に対して平行に計画するので、この辺がプロジェクトの基準となります。作成した
  • 地盤
  • 測量図CADデータ
  • 敷地境界線
BMを中心に回転します。
  1. 注釈タブ>詳細パネル>詳細線分
  2. 描画パネルから選択を選択し、建物の基準となる敷地境界線の一辺をクリックして詳細線分を作成。
  3. 作成した詳細線分を選択し、修正パネル>移動で端点をBMに移動
    詳細線分を作成する

  4. 地盤・測量図CADデータ・敷地境界線・先の手順で作成した詳細線分を選択
  5. 修正パネル>回転
    1. オプションバーの「配置」をクリックし、BMを指定
    2. 先の手順で作成した詳細線分の辺のうえの任意の点をクリック
    3. 水平になるまで回転してクリック。
プロジェクトの北の設定完了


真北の設定

次に真北を設定します。角度がわかっていればプロジェクト基準点の角度を直接変更しても構いませんが、ここでは画面上でクリックして設定します。

  1. 平面図のビュープロパティ「向き」を「真北」に設定
  2. 管理タブ>プロジェクトの位置パネル>位置▼>真北を回転
    1. オプションバーの「配置」ボタンをクリックし、方位記号の中心をクリック
    2. 方位記号の先端をクリック
    3. 真上に車で回転してクリック
      真北の決定

  3. 平面図のビュープロパティ「向き」を「プロジェクトの北」に設定

測量点の移動

真北の回転により測量点(△)の位置が移動してしまいます。測量点はベンチマークなので、BMの位置に移動します。このときクリップがONになった状態で移動します。

BMに測量点を配置

BMレベルの設定

このプロジェクトを敷地のみのプロジェクトとする場合は、レベルはBMのみでよいことになります。立面図を表示しBM(測量点)にレベルを設定します。この時点ではBMレベルの高さは0になっているはずです。

測量点にBMを設定


以上の手順で敷地の設定は終了です。次回は、さらに建物のファイルをリンクして、座標を公開します。