2020年6月21日日曜日

排煙チェックは可能か?

窓とドアの部屋から部屋へ

窓とドアの集計表には「部屋から」と「部屋へ」というパラメータがあります。これがどのように認識されているかについては
に書きましたが、これを使って排煙計算が可能か下の図のような簡単なサンプル(図中のH2400などは、上枠の高さを示しています。)で考察してみましょう。垂れ壁がある場合など複雑なものはさておき、単純に天井レベルから800、必要面積1/50として考えます。 

必要なパラメータ

部屋のインスタンスパラメータを一つだけ追加します。集計表だけではなくタグにも表示したければ共有パラメータにしますが、今回はプロジェクトパラメータで試してみます。
  1. 管理タブ>設定パネル>プロジェクトパラメータ
  2. 追加をクリック
  3. パラメータプロパティダイアログボックスで
    • カテゴリから部屋を選択
    • パラメータデータで名前を平均天井レベル
    • パラメータタイプを長さ
    • パラメータグループを解析結果(なんでもよい)でOK
    • カテゴリからを選択
    • パラメータデータで名前を排煙開口比率
    • パラメータタイプを実数
    • パラメータグループを解析結果(なんでもよい)
    • タイプを選択してOK。
  4. OK

窓集計表の作成

次に窓の集計表を作成します。

フィールドの設定

  1. 表示タブ>作成パネル>集計▼>集計表/数量
  2. カテゴリから窓を選択してOK。
  3. フィールドタブで、
    1. 使用可能なフィールドを選択で部屋からを選択し、次のフィールドを追加
      • 部屋から:レベル
      • 部屋から:番号
      • 部屋から:名前
      • 部屋から:面積
      • 部屋から:平均天井レベル
    2. 使用可能なフィールドを選択で窓を選択し、次のフィールドを追加
      • マーク(タイプ)
      • 排煙有効比率
      • 上枠の高さ
    3. 計算値をおして、計算値ダイアログボックスで
      • 名前:有効高さ
      • タイプ:長さ
      • 計算式:800 mm - (部屋から: 平均天井レベル - 上枠の高さ)
    4. 計算値で
      • 名前:排煙有効開口面積
      • タイプ:面積
      • 計算式:有効高さ*幅*排煙開口比率
    5. 計算値で
      • 名前:排煙必要面積
      • タイプ:面積
      • 計算式:部屋から: 面積 / 50
  4. 並べ替え/グループ化タブで次の図のように設定

  5. 書式タブでレベルを非表示にする。
  6. OK
集計表がいったん完成

排煙開口比率の設定

排煙開口比率が0なので、排煙有効開口面積もすべて0になっています。集計表で適切な値(引違なら0.5、両開きなら1.0など)を設定して、変化を確認

合計値でチェック

次に窓の排煙有効開口面積を合計します。
  1. 集計表のプロパティウィンドウで書式をおして
    • 排煙有効開口面積を選択し、合計を計算を選択
  2. 並べ替えグループ化タブで
    • 各インスタンスの内訳の☑を外す
  3. OK
    排煙有効開口面積と排煙必要面積
J列の排煙有効開口面積と排煙必要面積を比較することで、チェックすることは可能です。

部屋の集計表ではどうか?

部屋の集計表で同様の検討が可能でしょうか?残念ながらいくつかのハードルがあって、実現は難しそうです。

部屋が窓を認識しない?

下の図は部屋の集計表で、組み込み集計表を使って窓を表示したものです。内容は上記窓集計表と同じなのですが。。。
部屋は窓を認識しないのか?
では部屋は窓を認識できないのか?というと、実はそういうわけではなさそうです。

部屋へ(外側)なら認識する

これは考え方の違いなのか、バグなのかよくわからないのですが、窓を反転して外側を内側に向ければ部屋は窓を認識します。そうすると次の図のような集計表が作成できます。
外側ならば認識される

しかし、外側を内側に向けるわけにもいきませんから、これはなんとも残念な話ですね。