カテゴリが許可する場合って・・・
ファミリを作成するとき、フォームの表示方法を以下のダイアログボックスで選択することができます。
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4番目のオプションに注目! |
このダイアログボックスの4番目の「平面図/天井伏図で切り取り時(カテゴリが許可する場合)」とは、文字通り
フォームが平面図または断面図で切断された場合に表示されるかどうか?
を設定します。この働きを考えてみます。
許可してくれるカテゴリは?
このチェックボックス、いつでも使えるわけではありません。そもそも切断可能なロード可能ファミリのカテゴリは次の11カテゴリに限られています。
- 手すり子
- 造作工事
- 柱
- ドア
- 窓
- 外構
- 構造柱
- 構造基礎
- 構造フレーム
- カーテン ウォール パネル
- 一般モデル
また、
このチェックボックスが使えるのは太字で示したカテゴリだけです。例えば一般モデルでは、以下のように表示されても選択することはできません。
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一般モデルカテゴリの場合は強制的にチェックされている |
一般モデルカテゴリの場合、フォームは平面図/天井伏図で切断されたときに常に切断面が表示されます。
どのような働きがあるのか?
造作工事(旧名:収納家具、英語版:Casework)のカテゴリで試してみましょう。造作工事の場合はこのチェックボックスは自由にオンオフ可能です。
下の図のようなフォーム一つでできている単純な立方体のファミリを作成し、「平面図/天井伏図で切り取り時(カテゴリが許可する場合)」にチェックをいれたファミリと、チェックを外したファミリを用意します。
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立方体(600X600X600)のファミリを造作工事のカテゴリで作成 |
平面図のビュー範囲は以下のように設定します。
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断面はFL+1200 |
では実験してみましょう。
①ビュー断面以下にある場合
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断面 |
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平面 |
②ビュー断面の位置にある場合
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断面 |
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平面 |
③ビュー断面より上にある場合
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断面 |
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平面 |
平面図/天井伏図でファミリが切断されたときにフォームを表示するには、「
平面図/天井伏図で切り取り時(カテゴリが許可する場合)」かならずチェックを入れなければなりません。
ただし、ここには切り取り時に
フォームの切断面を表示するとは書かれていません。ここがポイントです。
切断時に切断面が表示されているとは限らない
フォームは平面図/天井伏図では
基本的に見え掛りで表示されます。平面図/天井伏図で切り取り時(カテゴリが許可する場合)にチェックすることで、初めてビューで切断されたときに限って表示されます。
ところが、カテゴリによっては切断されていても断面が表示されず
常に見え掛りで表示されるものがあります。
上記の②の場合、ビューの表示を下の図のように、見え掛りは青、断面は赤で上書きしてみます。
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見え係は青、断面は赤 |
すると
なんと
ビューの断面で切り取られているにも関わらず見え掛りが表示されているのです。このため下記ダイアログには、切り取り時に切断面を表示するとは明示していないわけです。
となると造作工事のフォームの平断面は表示できないのか?という疑問がわきます。そうです、表示できません。ですからいくら凝った形状をフォームで作っても、平断面を表示することはできないのです。
かわりに「
平面図/天井伏図で切り取り時(カテゴリが許可する場合)」をオフにして、シンボル線分で切断時の様子を描画することになります。このときシンボル線分のサブカテゴリを造作工事[切り取り]を使用します。
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サブカテゴリを[切り取り]に指定すると |
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平面図では切断面として表示される |
平面図/天井伏図での切り取り時(カテゴリが許可する場合)とは、言い換えれば
切断したときは特別な表示をシンボル線分で作成しておくので、フォームは非表示にしておきたい。
といったニーズにこたえる機能なのです。こんなところからもRevitの平面図は単に切断して下を見ているのではない、ということがわかります。