2020年2月23日日曜日

スロープ

スロープでランプウエイ

ランプウエイをスロープを使って作成してみます。路面に傾斜をつけることはできないのですが、計画用としては十分使えると思います。
スロープでランプウェイを作ってみる

スロープタイプの設定

ランプウエイを以下の条件で作成してみます。

  • 階高:7m
  • ランプウエイの内法半径:9m
  • ランプウエイの道路幅:25m

スロープを緩和勾配用と車路勾配用に分けて複数作成します。最大長さは大きな値(ここでは100m)を設定しておきます。
緩和勾配用
車路勾配用

コンクリート手摺タイプの設定

コンクリート製の手摺をスロープに沿って作るために、コンクリート手摺のプロファイルを準備します。下の図のようなプロファイルを「プロファイル - 手摺(メートル単位).rft」テンプレートを使って作成し、「コンプリート手摺.rfa」として保存して、プロジェクトにロードします。(床厚300+手摺1100で高さを1400に設定しています。)
コンクリート手摺のプロファイル
プロジェクトブラウザでファミリ>手摺>手摺の任意のノードを右クリック>複製し、名前を変更します。
ダブルクリックしてタイプパラメータ編集ダイアログボックスを開き、手摺横桟構成の編集で以下のように設定。
プロファイルを読み込んで高さを設定
さらに手摺子構成ですべてなしに設定。
すべてなし
笠木手摺の有無のチェックを外す。
笠木手摺の有無
モデリング
緩和勾配部を昇降部上下に30度、車路勾配部270度で作成します。

  1. 参照面や詳細線分を使って、下絵を作成します。
    緩和勾配を30度
  2. 建築タブ>階段パネル>スロープ
  3. プロパティウィンドウで
    1. タイプセレクタから緩和勾配用のタイプを選択
    2. 基準レベル:1FL
    3. 基準レベルオフセット:0
    4. 上部レベル:1FL
    5. 上部レベルオフセット:400
    6. 幅:25000
  4. ツールパネル>手摺で作成したコンクリート手摺タイプを選択
    手摺タイプを選択
  5. 描画パネルで円弧を選択
  6. 中心をクリックし、半径として215000(=9m+0.5*25m)を指定し、方向を設定してクリック。
    この時点では勾配1/12を目いっぱい使って400mm高さを上げた場合のスロープが作成される。
  7. 中央の青い円弧を選択し、端部をドラッグ。
    青線の下端をドラッグ
  8. モードパネル>✔
同様の手段で、1FL+400から2FL-400の間に車路勾配を、2FL-400から2FL±0、まで緩和勾配のスロープを作成します。
ランプウエイ

形状の変更

スロープの形状は編集可能です。
  1. スロープを選択して、モードパネル>スケッチを編集
  2. 境界を選択し、既存の緑色の線を削除して、新しい境界を作成
  3. 蹴上(黒線)と境界(緑線)で閉じた図形をつくる。
    緑の線と黒の線で閉じた図形をつくる
  4. モードパネル>✔
うまく組み合わせれば、比較的容易にランプウエイを作成できます。
スロープでランプウェイ





2020年2月16日日曜日

ランプウエイ

スパイラル状のスイープ

大型の流通施設などにみられるランプウエイは、いってみればスパイラル曲線に沿って、スラブの断面形状をスイープしたものです。
スパイラル曲線に平行四辺形をスイープする

しかしながら、このスパイラル曲線はRevitではなかなか作成が難しいものです。Revitは作業面を基準とするソリッドモデラーだからです。しかしながら唯一作業面に縛られないモデリングができるカテゴリ、マスを使えば希望の形状が作成できるかもしれません。

マスファミリをつくる

  1. ファイル>新規作成>ファミリ
  2. コンセプトマス>マス(メートル単位).rft
  3. 作成パネル>描画パネル>中心・両端指定による円弧
  4. オプションバーの配置面をレベル:レベル1に指定して、180度の円弧を作成。
    レベル1に円弧を作成
  5. 立面図>南を開く
  6. 描画パネル>直線
  7. オプションバーで配置面を参照面:中心(正面/背面)に指定して、断面形状を作成する。
    プロファイルを作成
  8. 3Dビューを表示
    断面形状と円弧を選択してソリッド作成
  9. 作成した断面形状と円弧を選択し、フォームを作成▼>ソリッド作成
  10. レベル1を選択
  11. 修正パネル>コピーを使って、上方に6mコピーしてレベル2を作成
  12. 9で作成したフォームを選択してCTRL+Cでクリップボードにコピー
  13. クリップボードパネル>貼り付け▼>選択したレベルに位置合わせでレベル2を選択。
    レベル2にフォームをコピー
  14. 断面が見える方向にビューを回す。
  15. 断面形状の任意の頂点を選択、ギズモを表示
    頂点を移動する
  16. 青のギズモをドラッグして、レベル2のフォームの対応する位置に移動
    他の頂点も移動する
  17. これを他の3つの点で繰り返す。
  18. レベル2のフォームを削除
    レベル2のフォームを削除して完成
  19. 名前を付けて保存
  20. プロジェクトにロードする。

プロジェクトでのモデル

プロジェクトに配置されたマスを使って、床を作成します。しかしながら床は融通が利かず、複雑なマスの面から床を作成することができません。ホスト要素で最も融通が利くのは屋根です。この面を建築要素にする方法は屋根以外にありません。
  1. 建築タブ>構築パネル>屋根▼>屋根(面)
  2. タイプセレクタで適切なタイプを選択
  3. 基準面を屋根面 上部にする
  4. ロードしたマスの面を指定
  5. 複数の選択パネル>屋根を作成
    屋根を作成
  6. マスを非表示にする。
ランプウエイの床形状ができました。

2020年2月9日日曜日

梁のレベルの表示

天井裏の梁を表示する

天井懐の様子を表示する
天井裏の梁がどうなっているのかがわかれば、設備の計画がやりやすくなります。Revitで構造モデルと意匠モデルを重ねれば、簡単にそんなことができるようになります。サンプルモデルを使ってその手段をまとめておきます。

手順


  1. 意匠モデルに構造モデルをリンクします。
  2. 表示タブ>作成パネル>平面図▼>天井伏図で任意の階の天井伏せ図を作成します。ここでは2階の天井伏図を例にとって説明します。
  3. 表示タブ>グラフィックスパネル>表示/グラフィックス
  4. 天井の投影/サーフェスを任意の色で塗りつぶしに指定し、透過度を80%程度にします。これは天井の有無を明確にするためです。
    天井を塗りつぶして透過にする
  5. 構造フレームの投影/サーフェスを任意の色で塗り潰す(任意のハッチパターンを選択してももちろんかまわない)
    構造フレームの投影/サーフェスに塗りつぶしパターンを設定する
  6. 注釈タブ>タグパネル>タグすべてで部屋タグを配置
    部屋タグを配置したところ
  7. 任意の構造フレームタグをロード。
    • ここでは標準添付のライブラリから注釈>構造>構造フレーム タグ.rfaをロードしましたが、もちろんどのような構造フレームタグでもかまいません。
  8. 注釈タブ>タグパネル>梁注釈を選択し、真ん中の[...]ボタンを押す
    1. 構造フレームタグを選択
    2. 任意の構造フレームタグを選んでOK。
      中央の[...]で構造フレームタグを選択
  9. 中央下側の[...]ボタンをおして
    中央下側の[...]をクリックして
    1. 指定点高さを選択
    2. <タイプを作成/修正...>を選ぶ
    3. 表示された警告を一読して閉じる
    4. タイププロパティダイアログボックスで複製
    5. 名前をレベルとする。
    6. コンポーネントに沿って回転に✔
      ここが肝心!必ず✔する。
    7. 記号を<なし>に設定
    8. 単位書式を設定(プロジェクト設定を使用のチェックを外して、正の値に+を記入に✔しています。)
      形式を設定
    9. 高さ基準を相対
    10. OK
    11. OK
      相対基準として現在のレベル、
      立面図を表示(これは高さ表示の誤訳と思われます)を下面の高さ
    12. OK
  10. リンクからの梁を含める既存の梁タグと指定点高さを削除に✔
  11. 設定ボタンを押して水平部のオフセットに0mmであることを確認してOK
    端部の水平オフセットを0
  12. OK
これで梁したレベルを表示した図が出来上がりました。
梁したレベル(赤枠)が表示された!
あとは天井の上側のレベルを表示します。
  1. 注釈タブ>寸法パネル>指定点高さ
  2. タイプセレクタでレベルを選択し、相対基準を現在のレベルに設定
  3. オプションバーで引出線のチェックを外し、立面図を表示を上面の高さを選択。これで天井面の上側の高さを表示することができます。
  4. 2点をクリックし、天井の上面のレベルを配置
天井レベルを配置
これで、梁下のレベルと天井上のレベルを引き算することで、天井懐の寸法を知ることができます。指定点高さの寸法タイプを工夫すれば、もっとわかりやすい表示になるでしょう。
天井懐を計算できます。

2020年2月2日日曜日

階段練習帳(8)~手摺(3)

レベルサイドの手摺の取り合い

前回の記事で手摺子の位置をコントロールする方法はお判りいただけたかと思います。今度は、下の図のように上の手摺と下の手摺の二つの手摺をつなぐ方法です。
上下階の手摺の取り合い
手摺をつなぐといっても、実際には二つに分かれており、見た目はつながっているように見えるだけです。
二つの手摺のレベルサイドの高さを合せる方法を見てみましょう。
二つの手摺は、階段部ではH900、踊り場部ではH1100とします。手すりの取り合い部は水平部分で取り合うようにします。

下側の手摺の設定

基本的には前回ご紹介した方法で、手摺子の位置を決定し、手すりタイプのプロパティ

  • 踊場での高さ調整:☑
  • 踊場での高さ:200(これは基本となるH900に対して、+200してH1100にするという意味です。)

という設定をします。
そして、手すりのパスの終端(上部)の部分を下の図のように、最後の手摺の位置まで延ばします。
下の手摺の最上部は、上の階段の登り口まで回り込ませる
下の手摺はこの図のようになります。
水平部で取り合うようにする

上部の手摺の設定

上部の手摺は始端の手摺子がいらないので、手すりのタイププロパティの手摺子構成で手摺柱の始端側手摺柱をなしとします。
始端側手摺柱をなしとする
そしてポイントは始端側のパスです。始端側のパスは、階段部の手前に1っ本パスを付け足します。
線を伸ばすのではなく、線を新たに書き加える
このままOKしても、下の図のようにおかしなことになってしまいます。
手摺の高さがおかしいですね・・・
もう一度、上の手摺を選択してパスを編集します。先端に付け加えた短い線分を選択して、オプションバーの高さを「カスタム」とします。(ここでは使用しませんが高さの値は手摺の高さではなく基本の高さからの増減を入力します。)
オプションバーでカスタムを選択
これで3Dを見てみると下の図のようになります。
ちょっとズレています
かなり良くなりましたがまだ、少しずれがあります。
ここからはちょっとした作図が必要です。

  1. 手すりが表示される断面図を作成
  2. レベルサイドの踊り場からH1100で水平線(赤の破線)を書く。
    H1100で詳細線分で水平線を作図(赤の破線で示した線)
  3. 手摺の天端と2の詳細線分の交点から、垂直な参照面を作成
    手摺の上端とH1100の水平線との交点に参照面
  4. 上の階段の手摺を選択、パスの編集を行い、3で作成した参照面でパスが区切られるように調整する
    参照面でパスが分かれるようにする。
  5. 3Dで確認
    きれいにとりあいました。
手摺のパスにも勾配と高さのパラメータがあります。うまく使いこなして、自由に手すりを作成しましょう。