2019年11月30日土曜日

階段練習帳(1)

標準的な階段


Revit標準添付の建築テンプレートで階段を作る練習をしてみましょう。標準的な階段、踊り場に段がある階段、螺旋階段など順番に練習します。
まずは基本の階段から

すぐにクリックしてはいけない

階段を作成する場合、コマンドに入ってすぐに画面をクリックしてはいけません。入念に準備してから作成を始めましょう。

  1. 建築テンプレートで新規プロジェクトを作成。
  2. [建築]タブ>[階段]パネル>[階段]
  3. プロパティウィンドゥの拘束セクションで次の操作をします。
    • タイプセレクタから鉄骨階段:鉄骨を選択。
    • 基準レベル:レベル1
    • 基準レベルオフセット:0
    • 上部レベル:レベル2
    • 上部レベルオフセット:0
    • 階段全高を確認する。階高をチェックすることが階段作成の第1です。
      まずは階段をどこに作成するのかを決めます
  4. プロパティウィンドゥの寸法セクションで次の操作をします。
    • 蹴上数:18→20
    • 現在の蹴上寸法が変化することを確認
    • 現在の踏面奥行:250
    • 蹴上と踏面のサイズを確認することが第2です。
      次に蹴上と踏面を決めます。
  5. オプションバーで次の操作をします。
    • 配置基準線:経路:右
    • オフセット:0
    • 実際の経路幅:1250
    • 経路とは階段のことです。経路の寸法を決めることが第3です。
      次に階段幅を決めます。
  6. [修正|階段]タブ>[ツール]パネル>[手すり]をクリックして次の操作をします。
    • ドロップダウンリストから「なし」を選択します。
    • 手すりを同時に作ることもできますが、手すりは後から作成したほうが納得のいく手すりができます。階段作成時は「なし」がおすすめです。
      手すりはなしにしましょう。
  7. いよいよ作成を始めます。画面をクリックし、上方にマウスを移動し「10蹴上が作成されました。10継続中」と出たらクリック。
    • このとき、配置基準線を経路:右としたために階段経路の右側をスケッチしていることに注目してください。
    • 屋内階段などの場合は、壁面に沿って作るのであれば選択していることに
      いよいよ作成開始
  8. マウスをやや右に移動してクリックし、下側に移動しすべての階段を描き切る。
    階段を描き切る
  9. 最後に作成した経路を選択
  10. [修正]パネル>[移動]で、階段1段分下方へ移動する。
    上側の経路を下へ1段分「移動」します。
  11. 今度は両側の階段経路を、下方へ100mm移動します。
    両方の階段を下へ100mm移動
  12. 上側の階段を選択し、表示された仮寸法を「=1250*2+200」と入力して、階段経路と経路の間を200mmに設定する。
    階段経路と経路の間隔を設定する。
  13. [モード]パネルの✔をクリックして終了。
基本的な階段の作成方法は以上です。

2019年11月10日日曜日

構造壁と意匠壁

何が違うのか

壁・床・柱にはそれぞれ意匠と構造があります。
意匠と構造
意匠壁・床と構造壁・床は、インスタンスプロパティ「構造」のチェックをオン・オフするだけでいつでも変換可能です。
構造プロパティのオンオフのみでいつでも変換可能
構造にチェックを入れると、構造設計のためのプロパティが追加されます。
構造設計用プロパティが追加される

構造同士・意匠同士は結合する

この違いは用途を示すだけではなく、要素同士の包絡(結合)に影響します。柱と壁の関係を考えてみると、意匠壁と意匠柱、構造壁と構造柱は作成した時点で自動的に結合されます。一方、意匠壁と構造柱、構造壁と意匠柱は作成しただけでは結合されません。
構造部材同士は作成時点で結合する
構造要素同士、意匠要素同士は自動結合されます。構造要素には構造フレームも含まれていて、意匠要素とは同じ関係にあります。
構造部材同士は結合する
躯体図や平面詳細図を作成する場合は、やはり構造図に現れている壁や床は構造に✔を入れるとよいでしょう。

手動結合は構造部材が優先

構造と意匠は手動で結合することができます。この場合の結合順位ですが、一般にはホスト要素勝ち、つまり壁や床が一番強く、ロード可能ファミリの構造柱や構造フレームは切りかかれることになります。
構造要素同士ならばシステムファミリ(床・壁)の勝ちですが・・・
ところが、意匠要素と構造要素では構造勝ちになります。
意匠要素より構造要素が強い!
構造フレームと意匠壁も同じ関係です。下の図のように、構造フレーム・構造床と意匠壁を重なった状態で作成します。
意匠壁と構造フレーム、構造床を結合すると・・・
これを結合すると、下の図のように構造部材勝ちで結合します。
構造勝ちで結合
この特性を理解しておけば、詳細図作成時に効率アップにつながります。

2019年11月3日日曜日

ベースプレート

構造接合を使ってみよう

下の図のベースプレートは「構造接合」を使って作成したものです。
構造接合で作成したベースプレート
この構造接合を練習してみましょう。練習ファイルを準備したのでこちらからダウンロードしてご利用ください。
A360(ver2019)
GoogleDrive(ver2019)
練習ファイルはRevit標準添付の建築テンプレートを使っています。また配置されてる鉄骨とRCの柱もRevit標準添付のライブラリを使用しています。

構造接合を追加する~準備しよう!


  1. {3D}ビューを開く。
  2. [鉄骨]タブ>[接合]パネル の右端の↘をクリック。最初は少し時間がかかります。
    ↘をクリック
  3. ベースプレートを選択し[追加]をクリックしてOK。
    ベースプレートを追加してOK

カテゴリを表示~サブカテゴリに注意!

構造接合のサブカテゴリを表示します。
  1. [表示]タブ>[グラフィックス]パネル>[表示/グラフィックス]
  2. フィルタリストで建築のみに✔して、構造接合の+をクリックしてサブカテゴリを展開する。
    建築だけだとサブカテゴリの数が限られている。
  3. 次にフィルタリストで「構造」に✔をいれ、構造接合のサブカテゴリすべてに✔を入れる。
サブカテゴリの表示もフィルタリストに左右されることに気を付けてください。

構造接合を配置する

構造接合を配置します。このアクションは普通のRevitと異なり、コマンドの終了のためにENTERを用います。
  1. ビューのプロパティ[詳細レベル]を詳細にする。構造接合は詳細のときのみその形状を表示します。
  2. [鉄骨]タブ>[接合]パネル>[接合]
  3. タイプセレクタからベースプレートを選択。
  4. 右から左へ矩形を描いてドラッグして、鉄骨柱とRC柱を選択しENTER。
    二つの柱を選択してENTER
  5. [修正|構造接合]タブ>[接合]パネル>[パラメータを修正]
    構造接合のパラメータを修正する
  6. ベースプレートレイアウトで、柱の短縮をプレートの厚さに設定。
    ベースプレートレイアウト
  7. ベースプレート寸法で、投影1を100に設定。
    投影1を100に
  8. アンカー平行ウェブで
    • 数:3
    • 中間距離:300
    • 中心からのオフセット:0
    • 中央ボルトを削除:✔
      アンカー平行ウェブ
  9. アンカー平行フランジでも同様に
    • 数:3
    • 中間距離:300
    • 中心からのオフセット:0
    • 中央ボルトを削除:✔
      アンカー平行フランジ
  10. 座金プレートで座金プレート作成に✔
    座金プレート
  11. 右上の✖で閉じる
以上の手順で下の図のようなベースプレートを作成することができます。
完成したベースプレート