2019年8月25日日曜日

Revitに最適なPCは?2019

Revitに適したPCを探す~2019

この夏、自宅のデスクトップPCを6年ぶりに買い換えました。Revitに最適なPCを求めて、かなり迷った挙句、ようやく購入に至りました。購入したPCのスペックは
  • CPU : AMD Ryzen9 3900X
  • メモリ : 32GB DDR4 SDRAM
  • グラフィックカード : nVidia GeForce RTX2070 SUPER 8GB
  • ストレージ : 1TB Gen4 NVMe SSD / 3TB HDD
かなりの高スペックですが、結果としては大正解で、非常に快適にRevitが稼働しています。今回は「Revitに最適なPCは2019」の選択法をご紹介します。

CPU

Autodesk推奨のRevitの環境はヘルプを見ると、次のように記述してあります。

CPU出展
シングルコアまたはマルチコアの Intel®、Xeon®、または i-Series の SSE2 テクノロジ対応のプロセッサ、またはこれらに相当する AMD® プロセッサ。入手可能な最高速度の CPU を推奨します。
Autodesk® Revit® 製品は、さまざまなタスクで複数のコアを使用します。

というわけで「入手可能な最高速度の CPU 」ということでAMD Ryzen9 3900Xに決定しました。AMDのCPUでRevitが稼働するかどうか心配している方、ご安心ください。何の問題もないどころか、きわめて快適です。では何をもって最高速度というのか、ですがRevitをを使うPCでCPU重要なことは以下の点です。
  • CPUはシングルスレッドのパフォーマンスを重視

RevitはCPUで決まる

RevitはグラボよりもCPUです。CPUのパワーが最も重要で、しかもシングルスレッドの能力が極めて重要です。

ではCPUを具体的に選択してみましょう。以下のURLでPASSMARKのベンチマークを見てください。
https://www.cpubenchmark.net/
PassMarkのCPUベンチマークのページ
このページで注目するべきは左右の2カ所です。左の赤い枠の部分がいわばCPUの総合力を示しています。CPUは複数のコアを稼働させて処理を行いますので、一般にコア数が多ければ多いほどパワーのあるCPUということになります。
Revitで注目するべきは単一のコアの能力です。パスマークでは右の青い枠の部分がCPUの単一のコアの能力を示しています。
総合力(赤枠)でみると
総合力
2019年8月時点でトップは、7月に発売されたばかりのAMDのRyzen9ですが、その他はずらりとXEONが並んでいます。2番目にi9の9980XEがありますが、価格は非常に高価です。これらのCPUはトップのRyzenを除いてほとんどがワークステーション用です。

ところが、Revitは多くのプロセスがシングルスレッドで動いているため、高いワークステーションを使っても、本来の力をすべて使いきれないのです。

そこで、青枠のシングルスレッドのチャートを見てみましょう。
シングルスレッド
上位にはRyzen7/9、i9-9900KF/Kが登場します。このi9-9900KFは総合力のほうではやや下位にランキングされていますが、それでも十分な能力です。

この二つのチャートを見比べながらCPUを選択するとよいでしょう。私のお勧めはAMDのRyzen9 3900Xまたはインテルのi9-9900KFです。

インテルはi7の上位としてi9をリリースしました。その関係で第9世代 i7ではハイパースレッドが実装されていませんので最新のi7はお勧めできません。ハイパースレッドがあればRevitでも常に2スレッドが動きますので効果は高いです。

ワークステーションはスペックをよく見る!

おすすめのCPUをあげたのはいいけれど、実際にはどういったPCなのでしょうか?CAD/CGといえばワークステーションですが・・・・

たとえば、あるブランドの最新のデスクトップワークステーションではXeon W-2102が使われています。これはチャートで見ると

総合力     :6954-----トップは31875
シングルスレッド:1616-----トップは2977

となっており、CPUのパワーはかなり低いです。これではRevitは使えません。しかしそれでも24万円もするワークステーションなのです。ワークステーションだからと言ってもRevitの使用には不向きなものも数多くありますので注意が必要です。Xeonならいいとうものでは決してありません。Xeonにこだわるならば予算内でクロック数のできるだけ高いものを選択してください。

ストレージはSSD必須

次に重要なのはストレージです。ノートPCではだいぶん普通になってきましたが、デスクトップでも当然SSDが必須といえます。WindowsもRevitも立ち上がりのスピードが断然違います。今回購入したPCではRevit2020の起動にかかる時間は、わずかに10秒あまりです。
ただしSSDにも種類があるので転送速度には注意してください。

SSDのサイズと接続方法

  • 2.5インチ
    • SATA接続-最大 6Gbps(600MB/s)
  • M.2
    • SATA接続-最大6Gbps(600MB/s)
    • NVMe接続-最大 40Gbps(4,000MB/s)
  • mSATA
    • SATA接続-最大 6Gbps(600MB/s)
ということで、カタログにM.2 NVMeと表記しているSSDが最速です。

グラボはGeForceでOK

QuadroかGeforceか、ということですが、結論としてはどちらでもいいです。ただし先ほどのヘルプにはグラボについて
  • Shader Model 5 対応、DirectX 11 対応のグラフィックス カード
とだけ書いてあります。DirectXに対応していればいいのですから、値段も考えてGeForceで十分です。これはむしろRevitよりも合わせて使用するソフト(例えばEnscapeとか)の特性に合わせて決めればいいでしょう。こちらもPassMarkにベンチがあります。
GeForceはRTXがついているものを選択したほうがいいです。RTXはいわゆるVR対応のグラボと考えていいです。
また一般には GeForce = DirectX、Quadro = OpenGLですから、GeForceの最新のものを選択するといいでしょう。

メモリは32GBまたは16GB

ヘルプには、扱う規模によってメモリのスペックがかいてあります。
  • 最小モデル: エントリレベルの構成:8GB
  • バリュー: 価格と性能のバランスが取れている:16GB
  • パフォーマンス モデル: 大規模で複雑なモデル:32GB
実際には16GBでかなりの建物が大丈夫ですが、念のため32GBをお勧めします。少々マニアックですが8GBの4枚さしではなく、16GBの2枚刺しがおすすめです。32GB一枚刺しは少々パフォーマンスが低下します。

で、結局何を買ったのか?

こうしたスペックのPCは実はゲームPCだったりします。最近eスポーツが盛んになり、だいぶんゲームPCの信頼性・安定性は向上してきました。なにせeスポーツにはプロがいるのですから、脆弱なPCでは相手にされません。ゲーミングPCはコスパもよく性能も高いものが多いです。皆さんも検討してみてはいかがでしょうか?
で私は結局近所のドスパラで買いました。(^^♪

2019年8月18日日曜日

MEPことはじめ 衛生(2)

配管を伸ばしてつなぐ

前回に引き続き配管の接続方法を学習しましょう。排水管は勾配がついているのでこの配管に接続するのは難しそうに思いますが、これはRevitがうまく処理してくれます。

練習ファイル(v2019)

A360 Drive
Google Drive

MEP隠線

  1. 練習ファイルをダウンロードして開きます。
  2. 平面図-平面図 2階 衛生が開いていることを確認する。
    • 給水管(青)が排水管(緑)を部分的に隠しています。
    • これはMEP隠線処理が行われているからです。
      MEP隠線処理
  3. [管理]タブ>[設定]パネル>[MEP設定▼]>[機械設定]
  4. 隠線処理を選択し、MEP隠線を作成のチェックを外してOK。
    隠線処理をいったん解除する
  5. すべての配管が表示されていることを確認する。
    隠線処理が解除された
排水管の延長
  1. 排水管の下側のエルボを選択
  2. 下側に表示された+をクリックして、T型エルボに変換する。
    +をクリック
  3. 変換されたT型のエルボを選択し、下側の接続口を[右クリック]>[配管を描画]
    配管を描画
  4. 上り勾配が1%であることを確認し、洗面所の下側でクリック→ESCで配管を作成する。
    配管を作成
  5. 洗濯パンの排水口(洗濯パン本体ではありません)を選択し、[修正|衛生器具]タブ>[レイアウト]パネル>[接続先]
    排水口を選んで接続先をクリック
  6. コネクタ1(アウト側)を選択してOK。この排水口のファミリには水が入ってくるコネクタ(洗濯機→排水口)と、水が出ていくコネクタ(排水口→排水管)があります。
    アウトを選択
  7. 配管を選択して接続する。
    接続
  8. 同様に、洗面台を選択し、接続先をクリック。
  9. コネクタ1の排水を選択してOK。
    排水コネクタを選択
  10. 排水管を選択して接続。
    排水管を作成
  11. ①の配管を選択してDeleteで削除
  12. T型エルボを選択し、下側の - をクリックしてL型のエルボに変換。
    - をクリック
  13. 完成
    完成

配管のモデリングは、様々なサポート機能があるので、比較的簡単に接続することができます。
3Dビューで確認する

2019年8月12日月曜日

MEPことはじめ 衛生(1)

配管設定

続いて配管を作成します。ダクト同様配管にも配管設定がありますので、これを標準添付のテンプレートからプロジェクト標準転送を行って設定します。

練習用ファイル

A360 Drive
Google Drive

配管設定の転送


  1. ダウンロードした練習ファイルを開きます。
  2. [ファイル]>[新規作成]>[プロジェクト]
  3. [参照]でPlumbing-DefaultJPNJPN.rteを選択して開く。
    プロジェクトの新規作成
  4. 練習ファイルをアクティブにする。
  5. [管理]タブ>[設定]パネル>[プロジェクト標準を転送]
  6. コピー元をプロジェクト1に指定し、配管○○をすべて✔してOK。
    プロジェクト標準を転送
  7. 下の図のような警告が表示されたら、上書きを選択。
    上書きをs

竪管の追加

上水道と汚水排水管の竪管を作成します。
  1. [設備]タブ>[給排水衛生設備および配管]パネル>[配管]
  2. タイプセレクタで配管タイプ:プラスチック - 水 を選択
  3. システムタイプを住宅用冷水を選択
  4. オプションバーで直径を20mm、中央のオフセットを-1000mmとして、PSの内部(下の図の赤丸あたり)をクリック。
    説明を追加
  5. オプションバーで中央のオフセットを3000mmとして、適用を2回クリック。
  6. 作成した住宅用冷水竪管を選択し、[修正|配管]タブ>[修正]パネル>[コピー]
  7. やや上部にコピーを作成。
    やや上方にコピーを作成
  8. コピーした竪管を選択して、プロパティウィンドゥで以下の操作をおこなう。
    • システムタイプを衛生に設定
    • 直径を100mmに設定
      プロパティウィンドゥでシステムタイプと直径を変更
  9. 3Dビュー>衛生を開く
  10. ビューコントロールバーで詳細度を詳細に変更し、配管を実サイズで表示する。
    配管は詳細モードの時だけ実サイズで表示される

上水道管の作成

  1. 大便器を選択し、表示された水道蛇口のアイコンをクリック。
    蛇口のアイコンをクリック
  2. 下の図のように3回クリックして竪管と接続する。

排水配管の作成

  1. 大便器を選択して、配管アイコンをクリック。
    配管アイコンをクリック
  2. オプションバーの中央のオフセットに-500と入力し適用をクリック。これで竪に500mm配管が作成されます。
    オプションバー
  3. 傾斜配管パネルで、下り勾配と1%を選択。
    下り勾配 1%
  4. 続けて下の図のようにクリックして配管を作成します。
    説明を追加
  5. 3Dビュー>衛生を開いて状況を確認する。
    配管が作成されました!
配管の作成で大事なことは、常に何の配管=なんのシステムタイプを作成するのかを意識することです。