MEPのセオリー
電気の初歩に引き続き、今回からは空調・換気です。Revitでは空調換気も電気と同じく「端末を置いてつなぐ」という作業になります。手順は
- 端末(空調・換気機械や制気口)をおく
- システムを組む
- ダクトを作成
のステップです。端末自体はファミリさえあれば問題ありませんのでモデリングそのものは、意匠構造に比較して容易ですので安心して取り組んでください。
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説明を追加 |
練習ファイルはこちらからダウンロードして開いておいてください。バージョンは2019です。
MEP設定の転送
このチュートリアルの目的は、意匠設計者がMEPの基礎を学ぶことです。本来は設備用のプロジェクトを起こして、建築モデルをリンクするのですが、このチュートリアルでは建築モデルに直接MEPモデルを作成します。
まずはMEPモデルを作成するための各種の設定をする必要があります。機械テンプレートを使ってプロジェクトを作成して、プロジェクト標準を転送しMEP設定を行います。
- 練習ファイルを開いておきます。
- [ファイル]>[新規作成]>[プロジェクト]で機械テンプレートを選択してOK
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機械テンプレートでプロジェクトを新規作成 |
- 練習ファイルをアクティブにし、[管理]タブ>[設定]パネル>[プロジェクト標準を転送]
- コピー元にプロジェクト1(機械テンプレートで作成した新規プロジェクトファイル)を指定して、以下の設定を行う
- [チェック解除]ですべてのチェックを外す
- ダクトサイズ、ダクトタイプなどダクト○○すべてに✔を入れる。
- フレキシブルダクト、フレキシブル配管に✔。
- 配管○○すべてに✔。
- OK。
- 機械テンプレートで新規作成したプロジェクトを保存しないで閉じる。
これでとりあえずダクトと配管を作成する準備ができました。これらの設定をしたからと言ってファイルが重たくなったり、建築関連の設定がおかしくなったりすることはありませんから安心して転送してください。
基本的な設定はこれでOKです。詳細な内容はダクトを作成しながら順次説明します。
機械ビューの準備
制気口や換気扇を配置するための平面ビューを作成します。
- [平面図 2階]を右クリックして複製。
- 名前を平面図 2階 機械とする。
- ビューのプロパティで以下の設定をする。
- [専門分野]を機械
- [ビュー範囲]で[上]の設定を上のレベル、[オフセット]を0とする。
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上を上のレベル、オフセットを0にする |
- [表示]タブ>[グラフィックス]パネル>[表示/グラフィックス]で以下の操作をする。
- フィルタリストで[電気]のみを選択。
- スペース、一般モデル、線分、詳細項目を除いてすべてチェックを外す。
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電気の設定 |
- フィルタリストで[機械][配管]のみを選択。
- エリア、パーツ、マス、ラスターイメージ、部屋をのぞいてすべてに✔。
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機械と配管 |
- OK
- 平面図 2階 電気 を表示し、スペースタグをすべて選択してクリップボードにコピーする。
- 平面図 2階 機械 を表示し、[修正]タブ>[クリップボード]パネル>[貼り付け▼]>[現在のビューに位置合わせ]
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平面図 2階 機械 |
- [表示]タブ>[作成]パネル>[3Dビュー]
- 作成された{3D}の名前を変更して機械とし、[専門分野]を機械とする。
- レベルを選択して右クリックし[ビューで非表示]>[カテゴリ]
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専門分野を機械 |
専門分野を機械にしても電気関連ファミリが非表示になるわけではありませんが、こうすることで優先的に機械関連カテゴリの要素を選択することができるようになります。
ビューの設定はこれで完了です。ビュー範囲の上を上のレベル±0にしたのは、切断面より上にあるダクトなどの機械関連のファミリを平面図に表示するためです。
建築関連では断面~上の範囲にあるもので平面図に表示されるのは
の3種類でしたが、MEP関連のカテゴリはほとんどが下~上の範囲に入っていれば平面図に表示されます。
さて準備ができたところで、次回からは実際のモデリングに入っていきましょう。