意匠設計者のためのMEP基礎知識
RevitMEPにご興味・ご関心のある意匠設計者の方は多いのではないでしょうか?はたしてMEPにはどんな機能があり、どんなことができるのでしょうか?今回からワンルームマンションの電気・衛生・空調のモデルと図面を作成するチュートリアルを連載します。まずは自分で使ってみて体験してみましょう。
ワンルームマンションのMEPモデリングをしてみましょう |
電気の設定
このチュートリアルは意匠設計者が使うことを前提としているため、意匠モデルに直接MEPをモデリングしていきます。意匠モデルにはMEP関連の設定ができていませんから、まずは設定を行います。参考
本来はMEPのテンプレートを使ってMEPプロジェクトを開始して、意匠モデルをリンクします。練習ファイル(A360) (GoogleDrive)をダウンロードして開いてください。練習用ファイルのバージョンは2019です。
- [管理]タブ>[設定]パネル>[MEP設定▼]>[電気設定]
- 左側のツリーで電圧設定を選択。
- 規定値をクリックして100Vとし、値を100、最小を95、最大を107とします。(100Vの許容範囲は101V±6V)
- 追加ボタンをおして、名前を200V、値を200、最小を182、最大を222とします。(200Vは202V±20V)
電圧設定 - 左側のツリーで配電システムを選択。
- 規定値をクリックし名前を単相3線とし以下の設定をします。
- OK
電気豆知識
単相三線とは電圧線(100Vと-100V)と接地線(0V)の3線を使用して、100Vと200Vの電圧を取り出す仕組みのことです。詳細はWikipediaやTepcoのホームページを参考にしてください。
L-L電圧のLとはLOAD、つまり負荷がかかっている電線、電圧線のことで、L-G電圧のGとはGround、接地線のことです。
その他の配電システムについてはこちらにも記載していますので参考にしてください。
L-L電圧のLとはLOAD、つまり負荷がかかっている電線、電圧線のことで、L-G電圧のGとはGround、接地線のことです。
その他の配電システムについてはこちらにも記載していますので参考にしてください。
電気用のビューを作成
電気図用のビューを作成します。
- プロジェクトブラウザで[平面図]>[平面図 2階]を右クリックして[ビューを複製]>[複製]
- 作成されたビューの名前を変更して平面図 2階 電気とする。
- ビューのプロパティ[専門分野]を電気にする。
MEP版の部屋=スペースの配置
部屋は意匠モデルで部屋の領域と部屋のプロパティを示す要素ですが、設備には設備用の空間を表すスペースという専門の要素があります。いわばMEP版の部屋です。
- [解析]タブ>[スペース及びゾーン]パネル>[スペース]
- [スペース]パネル>[スペースを自動的に配置]
- 表示されたダイアログで閉じるをクリック。
- [スペース及びゾーン]パネル>[スペース名の設定]
- 名前と番号、すべてのレベルを選択してOK。この操作により重なっている部屋から名前と番号を写し取ることができます。
スペースの設定 - [注釈]タブ>[タグ]パネル>[タグすべて]
- スペースタグに✔をいれてOK
スペースタグに✔ - 以下のようなダイアログが表示されたらOK。
OKをクリック - スペースタグを見やすい位置に移動。引出線を使うとよい。
スペースの配置ができた
スペースのプロパティ
これらのプロパティは設備関連の計算を行うために重要な役割をもっています。これからチュートリアルが進むにつれて、順次これらの機能について説明していきます。