2019年5月26日日曜日

ルーバー 手摺

手摺で作ってみる

カーテンマリオンでルーバーを作成する場合の難点は「直線形状しかできない」ということです。円弧のルーバーを作成するには手摺を使うとよいでしょう。
よい点と悪い点をまとめると

〇:動きが軽快
〇:円弧で作成可能
〇:コーナーの処理が容易
✖:ちょっと手間
✖:垂直面・矩形面しか作成できない

という感じです。
手摺で作成した水平ルーバー

作成方法

まずはプロファイルを作成します。「プロファイル - 手すり(メートル単位).rft」を使って下の図のようなプロファイルを作成します。
ルーバーのプロファイル

このプロファイルをプロジェクトにロードします。
次に手摺のタイプを作成します。

  1. [建築]タブ>[階段]パネル>[手摺]
  2. [タイプを編集]>[複製]で名前を水平ルーバーAとします。
  3. [手摺子構成]をクリックし、下の図のようになしを設定してOK。
    手摺子構成
  4. [上部手摺の有無]のチェックを外す。
  5. [手摺子横桟構成]で必要な数だけ水平ルーバーを設定する。このとき1本ずつ高さを指定しなければならない。まず最初のルーバーを慎重に設定する。
    いったんひとつだけ設定しておいて・・・
  6. 次に[複製]で必要な数だけ複製して、高さを調整してOK。(高さの変更はマウスでセルをクリックするよりもTABキーを数回押してセルを移動したほうが効率が良い。)
    複製して高さを調整
  7. [修正|作成 手摺のパス]タブ>[描画]パネルで円弧のパスをスケッチして終了。
    パスをスケッチ
曲線のルーバーはめったにないかもしれませんが、手摺で作成するといろいろとメリットもありますので、場合によって使い分けてください。
曲線のルーバー

2019年5月19日日曜日

ルーバー カーテンシステム

カーテンウォールか手摺で

屋上設備や外部階段などの「目隠壁」を作成するには

  • カーテンウォール
  • 手摺
  • ダイナモ+アダプティブコンポーネント

などの方法がありますが、それぞれ使い勝手に特徴がありますが、まずば作ってみましょう。

カーテンウォールで作ってみる

プロファイルファミリの作成

カーテンウォールで目隠しルーバーを作成する場合はルーバーのプロファイルが必要です。ファミリテンプレートプロファイル - マリオン(メートル単位).rftを使って、ルーバーの形状をスケッチします。外側が画面の下側、右が上になります。
ルーバーの形状をスケッチ
これを「プロファイル_マリオン_三角」と名前をつけてプロジェクトにロードします。

マリオンタイプの作成

プロジェクトで作成したプロファイルを使ってマリオンを作成します。

  1. プロジェクトブラウザで、[ファミリ]>[カーテンマリオン]>[長方形のマリオン]のノードの一つを右クリックして[複製]
  2. 名前を水平ルーバーとして、ダブルクリックしてタイププロパティ編集ダイアログを開く。
  3. プロファイルにロードした「プロファイル_マリオン_三角 」を選択、適切なマテリアルを選択してOK。

カーテンウォールのタイプを作成

次にこのマリオンを利用したカーテンウォールのタイプを作成します。

  1. プロジェクトブラウザで、[ファミリ]>[壁]>[カーテンウォール]で[カーテンウォール]を右クリックして[複製]、名前を水平ルーバーとする。
  2. ダブルクリックしてタイププロパティダイアログボックスを開いて、次の設定をする。
    • カーテンパネルを「システムパネル:なし
    • 水平グリッドのレイアウトを「固定間隔
    • 間隔を120
    • 水平マリオンの3つのタイプを「長方形マリオン:水平ルーバー
      カーテンウォールのタイププロパティ
  3. OK
これで準備完了です。プロジェクトでこのタイプを使用してカーテンウォールを作成してみましょう。カーテンウォールであれば高さの変更にも柔軟に対応可能です。
カーテンウォールで作成した目隠しルーバー

曲面への適用

カーテンマリオンでルーバー作成するメリットの一つに、マスを利用した曲面への適用ができることがあります。
  1. プロジェクトブラウザで、[ファミリ]>[カーテンシステム]で既存のノードを右クリックして[複製]、名前を水平ルーバーとする。
  2. ダブルクリックしてタイププロパティを開き、下の図のように設定。
    カーテンシステムのタイププロパティ
  3. まず下の図のようにマスで曲面を作成します。(マリオンは直線状にしか作成できないので、3次曲面はアダプティブコンポーネントを利用することになります。)
    マスで曲面を作成
  4. [建築]タブ>[構築]パネル>[カーテンシステム]でタイプを「水平ルーバー」に変更。
  5. マスの面を選択し、[複数の選択]パネル>[システム作成]
これで曲面にルーバーを作成できます。
面にルーバーを作成
これでマスを非表示にすれば完成です。

ヒント:形状を変更するとき

マスを編集した後、カーテンシステムを選択して[面に更新]をクリックします。
マスを変更したら面に更新でカーテンシステムを更新する

ヒント:反転させたいとき


壁のように反転の機能はありません。反転したプロファイルとそれを使ったマリオンを作成する必要があります。
反転したプロファイル
反転したルーバー


2019年5月12日日曜日

未来は表示できない

フェーズフィルタ

住戸タイプの平面図に、間仕切壁を点線で表示したい場合があります。前回のように、住戸タイプと住戸間仕切をフェーズを使って分けた場合は、フェーズの順番が問題となります。
複数のフェーズを表現をかえて一つのビューに表示することは、フェーズフィルタの機能を使えば可能ですが、「未来を表示できない」という特徴に注意が必要です。
前回は下の図のようにフェーズを分けました。
住戸タイプ→住戸間仕切

住戸タイプと住戸間仕切
各要素をグラフで表すと下の図のようになります。
フェーズと表示の関係

フェーズフィルタ

フェーズフィルタを使用すれば、フェーズの異なる要素を様々な表現で一つのビューに表示することができます。
主語「このフェーズにおいて」を補って
このダイアログボックスの用語の「主語」は「このビュー(フェーズ)において」です。つまり

  • [新設]このフェーズにおいて新しく作成する要素
  • [既設]このフェーズより以前に作成されている要素
  • [解体]このフェーズより以前に作成され、このフェーズで解体される要素
  • [仮設]このフェーズで作成され、このフェーズで解体される要素

の表示状態をコントロールするのが、フェーズフィルタです。

未来は表示できない

ところが、このフェーズより後、つまり未来に作成される要素については設定することができません。つまり、表示することができないというわけです。では次のような表示を行うにはどうすればいいでしょうか?
住戸タイプに間仕切りを点線で描画
このためにはまずフェーズの「住戸タイプ」と「住戸間仕切」を逆転します。
住戸間仕切りを先に
次に間仕切りの「寿命」を変更します。間仕切壁を「住戸間仕切」のフェーズで作成して、「住戸間仕切」のフェーズで解体するように設定します。
フェーズを変更
間仕切壁のフェーズを変更する

そして「住戸間仕切」フェーズでフェーズフィルタを「既存と」に設定すると
フェーズとフェーズフィルタを設定
このように「過去」に作成された間仕切壁を表示を上書きして表示することができます。
住戸タイプ平面ビューに、間仕切りを破線で表示
この場合のフェーズフィルタは、このフェーズで解体される間仕切壁を、
既存と解体を表示
下の設定で上書きしています。
グラフィックスの上書き
フェーズフィルタを活用すればいろいろな表現が可能です。ただし未来は表示できませんが。

2019年5月5日日曜日

住戸タイプと住戸間仕切

部屋のフェーズはちょっと変わっている

ずいぶん以前にフェーズについての解説をしました。一般にモデル要素には「寿命」があり、どのフェーズで作られてどのフェーズで壊されるのかを設定することができます。
要素のフェーズには「構築されたフェーズ」と「解体されたフェーズ」がある。
しかし、部屋にはこの「寿命」の設定がありません。
部屋のインスタンスプロパティには[フェーズ]があるのみ

部屋の寿命はそのフェーズに限られています。いわば「一代限り」というわけです。さらに新しいフェーズを作成し、そのフェーズを表示すると部屋はなくなってしまいます。
次のフェーズではもう前のフェーズの部屋は表示されない。
つまり、それぞれのフェーズに部屋を作成する必要があるというわけです。部屋はそのフェーズに存在する境界要素(床・壁・天井・屋根)によって設定されるため、部屋そのものには寿命の設定がありません。

住戸プランに応用できる

つまり、部屋はフェーズさえ異なれば同じ位置に存在できるわけです。そこで集合住宅の住戸割プランと住戸内間仕切プランをフェーズをわけて作成してみます。
フェーズの作成

  1. 建築テンプレートで新しいプロジェクトを作成します。
  2. [管理]タブ>[フェーズ]パネル>[フェーズ]を選択。
  3. 下の図のように「住戸タイプ」「住戸間仕切」のフェーズを作成します。
    住戸タイプ、住戸間仕切のフェーズを追加
  4. [平面図]>[レベル1]を表示し、名前を「レベル1-住戸タイプ」とする。
  5. フェーズフィルタを[完全表示]、フェーズを[住戸タイプ]に設定。
    ビューを作成
  6. 下の図のように壁を作成して、壁の「構築されたフェーズ」を[住戸]と「解体されたフェーズ」を[なし]とする。
    壁の「構築されたフェーズ」を[住戸]と「解体されたフェーズ」を[なし]とする
  7. 部屋を配置して、Aタイプ、Bタイプ、Cタイプと名前をつけ、フェーズが[住戸タイプ]であることを確認する。
    ェーズが[住戸タイプ]であることを確認
  8. [平面図]>[レベル 1-住戸タイプ]を右クリックし、[ビューを複製]>[複製]。
  9. 作成したビューの名前を[レベル1-住戸間仕切]とし、「フェーズ」を[住戸間仕切]とする。
    フェーズを住戸間仕切とする
  10. 下の図のように間仕切壁をいくつか作成し、部屋を配置する。間仕切壁の[構築されたフェーズ]は「住戸間仕切」、部屋の[フェーズ]は「住戸間仕切」となっていることを確認する。
    間仕切壁を追加。構築されたフェーズが[住戸間仕切]
  11. [平面図]>[レベル 1-住戸タイプ]、[レベル1-住戸間仕切壁]を切り替えて表示を確認する。
レベル 1-住戸タイプ
レベル1-住戸間仕切壁
建具やキッチンなどのほかの要素も、それぞれのビューで入力すれば適切にフェーズが設定されます。