原点を表示してみる
Revitを操作しているうちは、座標を気にすることはまずありません。しかし座標は存在しています。ダイナモを使って原点を表示してみます。- Revitで建築テンプレートを使って新規プロジェクトを作成。
- [管理]タブ>[ビジュアルプログラミング]パネル>[Dynamo]でダイナモを起動。
- 新規作成
- [Geometry]>[Points]>[Point]>[Origin]でPoint.Originを追加します。
ダイナモを使って原点を探る - Revitに戻り、[平面図]>[設計GL」を表示。
- これで画面上に青い点が表示されます。これがOrigin=(0,0,0)を示しています。
この原点はRevit Modeling Plateの中心に固定されていて、プロジェクトの北がY方向です。RMP全体はプロジェクトの移動により移動できますが、この原点をRMP上の任意の点に移動することはできません。
プロジェクト基準点と測量点
前回書いたプロジェクト基準点と測量点、クリップする、しないについて具体的に見ていきましょう。前回の地球とRMPの絵を思い出しながら、実行してみてください。
練習用のファイルを準備しましたので、ここからダウンロードして開いてください。設計GLのレベルに1000mmピッチで方眼がモデル線分で書かれています。
測量点とクリップ
- 原点に測量点とプロジェクト基準点が重なって配置されているので、測量点を選択する(マウスオーバーして何度かTABキーを打てば選択できます。)このとき、表示される座標は下の図のように0,0,0です。
測量点の値に注目 - クリップした状態で、[修正]>[移動]で(-6000,-5000,0)の位置に移動します。すると、座標の値はやはり0,0,0です。前回の説明にあるように、測量点は地球座標系上にあり、クリップ先は「測量原点」です。クリップを解除しないまま移動したため、測量原点が地球上を移動したのです。
測量原点が移動した 測量原点の移動 - 次にクリップアイコンをクリックし、赤い線が付いた(クリップした)状態にして、(2000,2000,0)に移動します。すると、N/S(Y)=7000、E/W(X)=8000となり、測量原点からの距離を表示します。
クリップしていないので、測量原点は元の位置のまま。 測量基準点は移動しない。 - クリップを解除したまま、N/S、E/Wの数字をクリックして0にすると元の位置に戻ります。
プロジェクト基準点とクリップ
- プロジェクト基準点を選択します。このとき表される数字は測量点からの距離です。
プロジェクト基準点には測量点からの距離が示される - プロジェクト基準点を、クリップをしたまま右へ3000移動します。これはプロジェクトの移動と同じであり、RMPを地球上で右(東)へ3000移動したことになります。
プロジェクト基準点を右(東)に3000移動 - このとき、測量点は地球座標上にあるので移動しません。一方、方眼のモデル線分はRMP上に乗っているので、全体的に移動します。プロジェクト基準点の値は測量点からの距離なので、E/Wの値は9000になります。
測量点は移動しない プロジェクトの移動 - 次にプロジェクト基準点のクリップを外して、(-4000,-2000)の域に移動します。プロジェクト基準点のクリップ=RMPへのクリップです。クリップが外れた状態だと、RMPの中心(原点)は地球上を移動しません。
クリップを外すと、RMPは地球上を移動しない。 RMP上を移動する - N/S、E/Wの数値をクリックして0にすると、測量点とプロジェクト基準点が一致します。
測量点とプロジェクト基準点が一致 - プロジェクト基準点が選択された状態で右クリックし、[開始位置に移動]を選択すると、プロジェクト基準点はRMPの中心(つまり原点)に戻ります。
開始位置に移動でRMPの原点に戻る
真北の回転
- 測量点を選択し、クリップされている(赤い線がついていない)ことを確認します。同様にプロジェクト基準点を選択し、クリップされていることを確認します。
- プロジェクト基準点を選択し、[真北の角度]の値を30にします。ENTERした瞬間に測量点が移動することに注目してください。
真北の角度を変えるとクリップした測量点は移動する。
RMPが回転するのではなく・・・ |
また、測量点はRMP上にあること、つまり原点から半径10マイル以内においておくことが望ましいと言えます。