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2018年11月25日日曜日

リンク(1)

リンクの扱い基礎

プロジェクトの一部をリンクファイルで作成する場合のリンクの取り扱いにつついておさらいしておきます。

プロパティを集計表に表示する

リンクインスタンスに含まれる建具などのプロパティを集計表に表示したい場合、集計表の[フィールド]タブの「リンクにある要素を含める」にチェックを入れます。
リンクにある要素を含めるに✔
こうすることで、ホストプロジェクトと同じようにパラメータを扱うことができます。たとえばドアのカテゴリであれば、使用可能なフィールドに「部屋から」「部屋へ」を選択できます。
リンクインスタンスの部屋も取得可能
そして、リンクインスタンスにある部屋の情報を取得することができます。
ホストと同様にプロパティを取得できます。
この「リンクにある要素を含める」の機能は、「カラースキーム」にもあります。
[建築]タブ>[部屋/エリア▼]>[カラースキーム]
カラースキームも「リンクにある要素を含める」に✔
このダイアログにある「リンクにある要素を含める」びチェックを入れると、リンクインスタンスにある部屋のプロパティを利用した色塗りが可能です。
リンクにある部屋をカラースキームで色塗り

リンクインスタンスに名前を付けよう

リンクインスタンスの見栄えはまずホストのオブジェクトスタイルに従って表示され、次に各ビューの表示・グラフィックスの設定に従います。リンクを作成したのち、平面図ビューなどで[表示]>[表示/グラフィックス]をクリックし、[リンク]タブを選択すると下の図のようになります。
ここになぜ[1]という名前の行があるかというと、これはリンクインスタンスの名前なのです。平面図などでリンクインスタンスを選択してみると名前のプロパティが「1」になっています。
リンクインスタンスに名前を付けよう!
これを適切な名前に変更することをお勧めします。
リンクインスタンスに名前を付けよう!
リンクインスタンスはコピーできるので、同じプロジェクトで複数リンクインスタンスを作成した場合はそれぞれに名前を付けて、表示をコントロールできます。
複数のリンクインスタンスをそれぞれ表示コントロール可能

インスタンスごとに集計

さらにこのインスタンスの名前は集計表にもプロパティとして表示できます。
集計表の[フィールド]タブで[RVTリンク]を選択すると、[使用可能なフィールドを選択]に「RVTリンク:名前」が現れます。これが先ほど指定したリンクインスタンスの名前です。
リンクインスタンスの名前を追加する
これで、どのドアがどのリンクインスタンスに含まれているかを表示することができます。
リンクインスタンスの名前も集計表のフィールドとなる

2018年11月17日土曜日

壁の納まり--開口処理

開口処理(開口部の納り)とは?

ドアや窓のファミリのタイププロパティに「開口処理」がありますが、これは「開口部の壁のレイヤの回り込み」を制御するパラメータです。どんな振る舞いをするのか具体的に見てみましょう。
下の図のような壁にドアを作成して、ドアを選択し、タイププロパティを確認します。「開口部の処理」のプロパティを確認しましょう。
開口処理(2019) 

壁のプロパティは次の図の通りです。
壁のレイヤ構成
一つずつ、振る舞いを確認します。

内部

内部のレイヤが回り込みます。
内部のレイヤが回り込む

外部

外部のレイヤが回り込みます。
外部のレイヤが回り込む

両方

同様に両方が回り込みます。
両方のレイヤが回り込む

ホスト別

これは壁タイプの設定に依存するという意味です。壁を選択してタイプパラメータを開いてみると下の図のように、同じような選択肢があります。
壁のタイププロパティ
振る舞いは窓やドアと同じです。

回り込むレイヤは指定できる

この開口処理に「参加」する壁のレイヤは自分で設定できます。壁のレイヤで「納まり」のチェックボックスは、この開口処理に参加するかしないかを決めるチェックボックスだったんですね。
たとえば、下の図のようにチェックを外してみると
納まりの✔を外すと
「両側」に指定した開口処理は下の図のようになります。
回り込みのレイヤは制御可能

どこまで回り込むのかは参照面で指定する

回り込む位置はファミリで制御できます。下の図のようなファミリの場合、だきの内側の部分で回り込みをやめて、内側は回り込みを無しにしたいところです。
回り込みの位置も制御可能
実はこれはファミリの参照面で指定できるのです。ファミリで回り込みの位置に参照面を追加して、参照面のプロパティ「(壁の納まり 改め)開口処理」をチェックします。
参照面の「開口処理」に✔
上の図のドアの場合は、この指定をしていないので、壁の中心までが自動的に開口処理の位置に指定されていたというわけです。

2018年11月11日日曜日

ファミリの原点

ファミリの原点は3枚の参照面で決まる

ファミリの原点(挿入基点)はどこにあるのか?なんとなく参照面の交点だということはわかると思いますが、単なる参照面ではありません。
たとえば一般モデル.rftを元に新規のファミリを作成し、平面図の参照レベルを開き、表示されている参照面を選択してプロパティを見てください。
[基準点を設定]というパラメータに注目してください。これにチェックが入っています。さらにロックされています。もう一方の参照面も同様です。
参照面のプロパティに注目!
この[基準点を設定]にチェックが入ってロックされている参照面の交点が、ファミリの挿入起点になります。
XYの原点が決まったので、Zの原点も決めなければなりません。
[立面図]>[正面]を表示すると、レベル線に重なって参照面が作成されています。マウスオーバー&TABキーで参照面を選択し、プロパティを表示します。
レベルと参照面が重なっている
やはり、[基準点を設定]にチェックが入っていてロックされています。
この3枚の参照面の交点がファミリの挿入起点となります。この理屈を抑えておけば自由に挿入起点を設定することができます。

4つ作ったらどうなるのか?

では、同様の設定をした参照面を4つ作ったらどうなるでしょうか?[立面図]>[正面]のビューで、任意に参照面を作成し、[基準点を設定]にチェックを入れてみてください。
そして、参照面に重なっているレベルを選択すると、チェックが外れていることがわかります。
矛盾した設定はできない
矛盾した定義はできないようになっています。

ドアのテンプレートに注意!

気を付けなければならないのはドアのファミリテンプレートです。なぜか、ドアのファミリテンプレートにはZ原点を定義する参照面が作成されていません。
レベルのみで参照面がない

たいていの場合問題はないのですが、ごくまれに困った問題を引き起こします。例えば、開口部を参照レベル以下に設定してみます。
開口を参照レベル以下に設定してみると
これをプロジェクトに挿入してみると・・・
オフセットが0にもかかわらず、図のように下枠高さのプロパティが-100mmとなってしまいます。
下枠高さが-100に!

下枠高さの値を0にすると
上に上がってしまいます。
うえに上がってしまいます。
これを修正するには、ファミリの参照レベルに参照面を作成して、ロックし、[基準点を設定]を✔します。
参照面を追加してレベルにロックし、[基準点を設定]を✔します
プロジェクトにロードしてみると
下枠高さ0で
ドアのテンプレートを使用するときは、必ず参照レベルに参照面を追加して、[基準点を設定]を✔しておくことをお勧めします。


2018年11月4日日曜日

マスとマス床(2)

インプレイスマス=フリーフォーム?

矩形の組み合わせで作れない場合は、インプレイスでマスを作成することになりますが、慣れないうちはこれがなかなか大変です。

昔のインプレイスマスはインプレイスファミリと全く同じで、「押し出し」「スイープ」「回転」「ブレンド」といった方法で作成し、カテゴリだけが異なっていたのですが、今はフリーフォームの作成要素という役割が追加されて扱いが変化してきました。

プロファイルをロック

しかし「プロファイルをロック」すれば、かつての動きを再現することができます。プロファイルとは、インプレイスマスを作成するとき、最初にスケッチする閉じた線分群のことです。

まずはインプレイスマスを作成してその効果を確かめます。


  1. 平面図ビューを開く
  2. [マス&外構]>[コンセプトマス]>[インプレイスマス]
  3. 名前をつけてOK
  4. [描画]パネルの[直線]・[作業面で描画]を選択し、[セット]でレベル1を選択
  5. 閉じた図形を作成します。これがプロファイルです。
このとき重要なのがオプションバーの[閉じたループからサーフェスを作成]をチェックしているかどうかです。
オプションバーに着目!
これをチェックしているか否かでこのプロファイルの編集方法が変わります。

チェックしている場合

閉じた図形作成と同時に「面」が作成されるので、プロファイルが閉じた時点で立体化されています。間違った場合修正するには、プロファイルの一辺を選択し、[モード]パネルの[プロファイルを編集]を使って修正します。
プロファイルを編集で修正する

チェックしていない場合

閉じた図形を作っても、それはあくまでも線の集合。まだ立体(面)は作成されていません。トリムなどのコマンドを使って、普通の線として編集できます。
まだ線しかないので、普通に編集できる。

フォームを作成しプロファイルをロック

作成したプロファイルを「押し出し」て、フォームを作成します。

  1. 線をマウスオーバーすると、連結された線分がすべて選択されます。
  2. [フォーム]パネル>[フォームを作成]
  3. 3Dビューで確認します。マスはカテゴリで非表示になっていることが多いので、もし見えない場合は、ビューの[表示/グラフィック]でマスを表示してください。
  4. マウスオーバーしてTABキーをおし、フォーム要素を選択します。
  5. プロパティウィンドゥに注目してください。現状は以下のようになっています。
    フォームのプロパティ
  6. [フォーム要素]パネル>[プロファイルをロック]をクリックし、再びプロパティを確認します。
    [正のオフセット][負のオフセット]のプロパティが表示される
プロファイルをロックすると、プロファイルを単純にプロファイルに垂直な方向に押し出す形状に限定されるため、オフセットの値で高さを設定することができ利用になります。

辺の動きに注目

プロファイルをロックした状態で、上辺を選択してドラッグしてみます。
プロファイルをロックしていると、辺をドラッグしても面が移動する
プロファイルをロックしているので、辺を移動しても面が移動します。
次にプロファイルのロックを解除して同じことをしてみますと
プロファイルのロックを解除すると辺だけ移動する
辺だけが移動します。これはいわゆるフリーフォームの状態で、面・辺・点をそれぞれ自由な変形させることができます。

もう一度プロファイルをロックして、マスを終了します。

平面図での編集

平面図でマスの形状を変更してみます。

プロファイルをロックしていない場合

  1. マスを選択し[インプレイス編集]
  2. マスを選択し、[プロファイルを編集]
  3. 左下のステータスバーに[編集するプロファイルまたはパスを選択]と表示されますが、平面図のままでは選択は難しいです。
    プロファイルの選択を促すコメントが表示されますが。。。
  4. 3Dビューに切り替えて、底面か上面を選択。
    3Dビューならば選択できる
  5. しかしこれを編集しても期待した通りの変更はできません。
    期待する結果とはちょっと違いますね・・・

プロファイルをロックしている場合

  1. マスを選択し[インプレイス編集]
  2. マスを選択し、[プロファイルを編集]
  3. すぐにスケッチモードになります。これなら簡単に編集できます。
    見慣れたスケッチモードに!
インプレイスマスを編集する場合、フリーフォームではない「単純なボリュームの作成」を行う場合、次の点に注意してください。
  • オプションバーの[閉じたループからサーフェスを作成]はオフにする。
  • プロファイルはロックする
この2点に注意すれば、昔通りのマスを扱うのと大きく異なることはありません。