ササラをなんとかしたい!
鉄骨階段をレベルでつなげる場合、どうしてもササラがうまく取り合いません。特に「納まりが苦しい階段」では、うーん、と考えてしまうような結果になります。階段は大筋ではよくできたツールですから、ササラの接続部をできるだけ簡単な方法で補完する方法を考えてみます。ササラをできるだけきれいに納めるには? |
側桁=ササラはスイープです
2FL~3FL 階高36001FL~2FL 階高4000
というレベルを設定し、それぞれ鉄骨階段を作成し、この二つの階段を2FLで接続してみます。
まずは、ササラ=側桁の設定です。
Revitは基本的にソリッドモデラーなので、基本的には「押し出し」と「スイープ」でいろいろな要素を構成しています。ササラもプロファイルを階段経路に沿ってスイープしています。単純な長方形プロファイルは、側桁のプロパティに「規定値」としてプリセットされています。
規定値とは矩形のこと |
ササラはこのプロファイルを変更することでいろいろな形状に変更できます。今回は単純な矩形のプロファイルを作成し、プロジェクトにロードします。
ゆとりのない階段で試す
では段送りのない苦しい階段をモデリングしてみましょう。まずは1FLの平面ビューを開き下の図のように階段をスケッチします。1FL-2FLの階段 余裕のない階段になっています |
レベル(2FL)側に踊り場を作成 |
この時点で、レベル側の踊り場が作成されるので、上記手順で作成した20+1などの経路を削除します。警告が表示されますが、無視します。3Dビューで状況を確認すると、下の図のようになります。
登り口のササラを削除 |
他のササラを選択して、タイプを編集し、断面図プロファイルをロードしたプロファイルファミリに変更します。
プロファイルを変更。奥行合計と幅はプロファイルの値となりグレーアウトする |
- 300mm(ササラの高さ)-30(仕上面からササラの天端)-40(踏板厚)=230mm
としました。この設定が後で重要になります。
続いて
- [ツール]パネル>[手摺]で「なし」を選択
- [モード]パネル>[✔]で階段の作成を終了します。
同様に2FL~3FLの階段を作成すると、2FLのレベル側の踊り場と階段経路は下の図のようになります。
踊り場と階段経路の取り合いが今一つ |
- 1FL-2FL階段の踊り場の形状
- 2FL-3FL階段のササラの形状
まず2FL-3FLの階段を選択し「編集」に入って、経路を選択します。(TABキーをうまく使えば階段の編集モードに入らなくても、階段経路を選択できます。)
階段経路のインスタンスプロパティ[蹴上の基準より下に延長]を30mmとします。
こうすると、階段のササラの下端と踊り場のササラの上端がそろいます。
階段ササラの下と踊り場ササラの上を合わせる |
踊り場形状の変更
この階段は転び(蹴込)を30mmに設定しています。そのため、階段と踊り場に隙間ができています。1FL-2FLの階段の踊り場形状を変更します。
- 1FL-2FLの階段を選択し、編集に入ります。
- 2FLの踊り場を選択
- [ツール]パネル>[スケッチを編集]
- 2FLの平面図で、転び(蹴込)の分だけ右にスケッチラインを移動します。
踊り場形状を修正 - ✔を2回おして、階段の編集モードを終了します。
ササラをインプレイスで追加
あとはインプレイスファミリでササラを追加します。
- 3Dで段裏が見えるようにビューを調整。
- [建築]タブ>[構築]パネル>[コンポーネント]>[インプレイスを作成]
- [ファミリカテゴリとパラメータ]で[階段]を選択しOK。
- 適切な名前を設定。
- [フォーム]>[スイープ]
- [修正|スイープ]タブ>[スイープ]パネル>[パスを選択]
- ササラの下端をクリックして選択し、長さを調整する。
2FL-3FL階段の下端をクリック - ロードしたプロファイルを選択し、オプションバーで角度を調整
ササラと同じプロファイルを使用する。 - [モード]パネル>[✔]
- プロパティウィンドウで次の操作を行う
- マテリアルをササラと同じマテリアルに設定。
- サブカテゴリを[側桁]に設定
- 同様に内側のササラを追加。
- [インプレイスエディタ]パネル>[モデルを終了]
追加したササラ |
全体でみると
こうした納まりが苦しい階段は、Revitとしては「どのようにモデリングしていいのかわかりません。」というところでしょう。
インプレイスファミリはあまり使いたくはありませんが、階段のカテゴリでファミリが作成できるのはインプレイスのみです。