ネストファミリ
ネストとは「入れ子にする」という意味です。ファミリの中にファミリを挿入するので、こういったファミリを「Nested Family」と呼びます。窓枠のファミリは特にネストしなくても作成することは可能ですが、複雑なファミリになると部品に分けてふるまいをチェックしながら作成したほうが、考え方が整理できて作成しやすくなります。では、前回作成したRC枠のファミリに、これまで作成した「窓枠」「水切」「額縁」を挿入して配置する方法を学習しましょう。
(練習用ファイルをここからダウンロードし、解凍してください。)
窓枠ファミリのロードと位置合わせ
パラメータの関連付け
- ダウンロードしたチュートリアルフォルダの[RC納り枠-6開始.rfa]を開く。
- [挿入]タブ>[ライブラリからロード]パネル>[ファミリをロード]
- 「窓枠.rfa」を選択して開く。
- プロジェクトブラウザで[ファミリ]>[窓]>[窓枠]>[窓枠]をダブルクリックしてタイププロパティダイアログボックスを開く。
- [幅][高さ]の関連付けボタンを押して、[幅][高さ]を選択。
- [枠見付上]の関連付けボタンを押して、タイプパラメータ[枠見付上]を下記の要領で作成して関連付ける。
パラメータを新規作成して関連付け - 同様に[枠見付下][枠見付左右][枠見込]のパラメータを作成して関連付ける。
- [作成]タブ>[プロパティ]パネル>[ファミリタイプ]でパラメータの順番を調整し、ロックを✔する。
関連付けられたパラメータ
マテリアルの関連付け
枠のマテリアルもパラメータを作成して関連付けを行います。
- プロジェクトブラウザで[ファミリ]>[窓]>[窓枠]>[窓枠]をダブルクリックしてタイププロパティダイアログボックスを開く。
- [マテリアル 枠]の関連付けボタンを押して、新しく[マテリアル 枠]パラメータを作成して関連付ける。
窓枠の配置
窓枠を配置して位置を固定します。躯体との関係を保つために式を利用します。
- [作成]タブ>[プロパティ]パネル>[ファミリタイプ]で次のパラメータを[データ]グループに[長さ]で作成します。
- 外壁から枠面 60
- 躯体から枠前 15
- 躯体から枠左右 20
- 躯体から枠上 20
- 次にパラメータの式を設定します。
- [平面図]>[参照レベル]を開く
- 下の図のように参照面と寸法を作成し、それぞれにラベルを作成する。
窓枠の位置を示す参照面と寸法を作成する。 - [作成]タブ>[モデル]パネル>[コンポーネント]
- タイプセレクタで「窓枠」を選択して、壁の下側に配置し、位置合わせで中心をロックする。
- 窓枠を選択して、インスタンスパラメータ[オフセット]を[規定値の敷居の高さ]に関連付ける。
オフセットを関連付けて枠の高さを固定する - 外壁から枠面に関連付けられている参照面に、枠の外面を位置合わせを使ってロックする。
枠を配置してロック - 「枠見込」や「だき見込」「幅」「高さ」などの値を変更して、振る舞いをチェックする。
額縁
同様に額縁も中心合わせで配置しますが、額縁の内側の面は、躯体の内側の仕上の内壁を立てられることを考慮し、インスタンスパラメータ「オフセット」を設定して仮想の仕上面(参照面)と枠の内側との間に作成します。
- 窓枠と同じ要領で額縁をロードして、それぞれのタイプパラメータを新規に作成して(幅と高さは既存を使う)関連付ける。
額縁のタイプパラメータを関連付ける - [作成]タブ>[基準面]パネル>[参照面]
- 壁の300mmほど下方に参照面を作成し、壁の下側に重なっている参照面との間に寸法を作成。
- 作成した寸法を選択し、[寸法にラベルを付ける]パネル>[パラメータを作成]でインスタンスパラメータ「オフセット」を作成。
- さらに下側に参照面をコピーして、下の図のように[額縁ちり]タイプパラメータを作成する。
オフセット(新規作成)と額縁ちり(既存選択)のラベル - [作成]タブ>[モデル]パネル>[コンポーネント]
- タイプセレクタで「額縁」を選択して、壁の下側に配置し、位置合わせで中心をロックする。
中心線をロック - 配置した額縁を選択し、インスタンスパラメータ[オフセット]を[規定値の敷居の高さ]に関連付ける。
- 位置合わせで額縁の上側を窓枠の下側の参照面にロック。
必ず参照面にロック - 額縁下の面を、一番下の参照面にロック
下端をロック
【お断り】
ときどき、このシリーズのバックナンバーで説明した方法が変わっていることがあります。例えば額縁はチュートリアルでは「シンボル線分」で額縁や膳板を書きましたが、今回使用しているものはマスキング領域で作成しています。できるだけベスト解をもとめていろいろと試しながらやっています。バックナンバーも随時更新しますので、この手の不整合についてはどうかご容赦ください。