天井伏図では下から全部描画
ここまで枠と水切の部品を作成しました。ここで「もし詳細項目を使わずフォームだけで窓を作ったらどうなるのか?」考えてみます。窓カテゴリは平面図ではフォームをそのまま表示しても大きな問題はないのですが、天井伏図の場合、なぜか「下からすべてを見えかかり」で描画します。
下の絵はマスキングなどの詳細項目を使わずにフォームだけで作成した窓です。
フォームだけで作成した窓 |
腰高800 高さ1500の窓を、 FL+1200で切断した平面 |
しかし、天井伏図ではちょっと???な表示になります。
同じ窓をFL+1200で切断した天井伏図 |
なんだか変なこの表示、よく見てみると次のようになっています。
要するにこれは、窓の真ん中あたりで切断しているにもかかわらず、「天井伏図では全てのフォームを下からの見え掛りで描画する」ということになります。ですから障子は枠にかくれて描画されていないのです。
このチュートリアルではこのような窓の描画システムの特徴を踏まえながら、適切な図面表示になるように詳細項目を併用しながら窓を作成します。
額縁・膳板
前置きが長くなりましたが、今回と次回は額縁と膳板の部品を作成します。額縁膳板はほとんど枠と同じですが、額縁がない場合(内部仕上を巻き込む場合など)や、膳板がない(吐き出し窓など)場合などに対応して、表示非表示が切り替えられるようにします。- 新規のファミリを「一般モデル(メートル単位).rft」で作成し、カテゴリを窓に変更する。
- [作成]タブ>[プロパティ]パネル>[ファミリタイプ]で次のパラメータを追加する。
- 長さ(寸法グループ)
- 奥行(インスタンスパラメータ)
- 額縁見付
- 膳板見付
- 枠見付内上
- 枠見付内下
- 枠見付内左右
- 額縁ちり
- マテリアル(マテリアルと仕上げグループ)
- マテリアル 額縁
- マテリアル 膳板
- はい/いいえ(グラフィックスグループ)
- 額縁表示
- 膳板表示
- 平面図>参照レベルで下の図のように参照面と寸法・ラベルを作成する。
平面図 - 立面図>正面で下の図のように参照面と寸法・ラベルを作成する。
立面図>正面 - 額縁(三方枠)のフォームを作成します。額縁は後ほど述べる表示上の問題から、垂直部分と水平部分を分けてフォームを作成します。
- [平面図]>[参照レベル]
- 下の図のようにスケッチラインを参照面にロックしながら作成し、[モード]パネル>[✔]。
左側です。右側も同様に作成します。 - [立面図]>[正面]で上下のハンドルをドラッグし、膳板の上端と額縁上部の下端を示す参照面にロックする。
上端の位置 下端の位置 - 作成したフォームを選択し、サブカテゴリを「敷居/鴨居」とする。
- プロパティウィンドウの[表示]の関連付けボタンをクリックして[額縁表示]を選択する。
- プロパティウィンドウの[マテリアル]の関連付けボタンをクリックし[マテリアル 額縁]を選択する。
- [立面図]>[左]
- 額縁上部のフォームを作成する。
額縁上部のフォーム - 正面のビューで左右の端部をロックする。
- 表示プロパティを「額縁表示」に関連付ける。
- マテリアルを「マテリアル 額縁」に関連付ける。
- 同様に下のスケッチを参考に、膳板の部分を作成する。
膳板のフォームを作成 - 正面のビューで左右の端部を参照面にロック。
膳板の端部をロック - サブカテゴリを「敷居/鴨居」
- 表示プロパティを「膳板表示」に関連付ける。
- マテリアルプロパティを「マテリアル 膳板」に関連付ける。
- 額縁.rfaとして保存する。
次回は詳細項目やシンボル線分を使用して表示・表現を調整します。