窓をつくる
ファミリ作成チュートリアル第2弾として、窓枠を作ってみます。RC枠、ALC枠、つらいち納まりの枠を作りましょう。窓は複雑なファミリですが、部品に分ければそれぞれはそれほど複雑ではありません。まずは共通部品として- 窓枠
- 水切
- 額縁
の順に部品を作成してみましょう。
窓枠
枠だけのファミリを作成します。パラメータの準備
- [ファイル]タブ>[新規作成]>[ファミリ]
- 「一般モデル(メートル単位).rft」を選択
- [作成]タブ>[プロパティ]パネル>[ファミリカテゴリとパラメータ]でファミリカテゴリから「窓」を選択しOK。
ファミリカテゴリとパラメータ - [作成]タブ>[プロパティ]パネル>[ファミリタイプ]
- [新しいタイプパラメータ]ボタンを押して、新たにタイプパラメータを作成し、値を設定し、ロックします。
- パラメータの表示順序もわかりやすく並べ替えましょう。
タイプパラメータを追加し、値を設定してロックする - OK
- [管理]タブ>[設定]パネル>[オブジェクトスタイル]
- [投影]の太さをすべて 1 とする。
オブジェクトスタイル - [OK]
- 名前を「窓枠.rfa」として任意のフォルダに保存する。
参照面とパラメータの割り当て
参照面を作成して、作成したパラメータを割り当てます。
- [平面図]-[参照レベル]ビューを開く。
- [作成]タブ>[基準面]パネル>[参照面]
- 下の図のように参照面を作成し、寸法を作成する。
参照面を作成する - 寸法を選択し、[修正|寸法]タブ>[寸法にラベルを付ける]パネル>[ラベル]から下の図のようにラベルを選択する。
寸法にラベルを追加 - [立面図]>[左]ビューを開く(左側が平面図の上になる)
- 平面図と同様に、下の図のように参照面を作成し、寸法を作成し、ラベルを作成する。また、有効開口上を示す参照面は作業面として利用するために名前「有効開口上」をつける。
- 参照面の名前について
- 参照面に名前をつけると、作業面として利用できるようになります。
- 識別を容易にするために、作業面として使う見込みがなくても、できるだけ名前を付けておくことをお勧めします。
- [ファイル]タブ>[保存]
フォームの作成
参照面を使って枠のフォームを作成します。フォームの形状は「おさまりが検討できる」ことを基本に考えて、枠の外形線を基本に抽象化します。
- [平面図]-[参照レベル]ビューを開く。
- [作成]タブ>[フォーム]パネル>[押し出し]
- [修正 作成 | 押し出し]タブ>[描画]パネルから適切なツールを選択し、下の図のようにスケッチラインを作成して、参照面にロックします。
スケッチラインを参照面にロックすることが重要です。 - プロパティウィンドウで、[サブカテゴリ]を[フレーム/マリオン]
- [マテリアル]の関連付けボタンをクリックし、「マテリアル 枠」というタイプパラメータを作成する。
マテリアルの関連付け - [修正 作成 | 押し出し]タブ>[モード]パネル>[編集モードを終了]
- [立面図]-[正面]を表示する。
- 作成したフォームを選択し、形状ハンドルをドラッグして、下の図の矢印で指し示した参照面にロックする。
確実にロックしましょう - [立面図]-[左]を表示する。
- [作成]タブ>[フォーム]パネル>[押し出し]で、下の図のように上枠をスケッチし、参照面にロックする。
上枠 - さらに下の図のように下枠をスケッチする。まず、左側に15mmの線を作成し、寸法をつけてロックする。
寸法でロックする - その後、下と右を作成して参照面にロック。
下と右を追加して参照面にロックする - [修正]パネル>[位置合わせ]で、右の長い線の先端を、レベルと重なっている参照面にロックする。(①→②の順に選択)
[位置合わせ]を使ってスケッチラインの端部②を参照面①にロック - 最後に斜めの線を作成する。
斜めの線が最後 - プロパティウィンドウで、[サブカテゴリ]を[フレーム/マリオン]
- [マテリアル]の関連付けボタンをクリックし、「マテリアル 枠」というタイプパラメータを選択する。
- [修正 作成 | 押し出し]タブ>[モード]パネル>[編集モードを終了]
- [立面図]-[正面]を表示する。
- 作成したフォームを選択し、形状ハンドルをドラッグして、下の図の矢印で指し示した参照面にロックする。
形状ハンドルをドラッグして左右の参照面にロック - [ファイル]>[保存]
平面図と立面図での表示
フォームは抽象化されているので、図面表記にふさわしい表示とするために、シンボル線分を利用し、平面図や立面図では一部のフォームを非表示に設定します。
- [平面図]-[参照レベル]ビューを開く。
- 左右のフォームを選択し、[修正|フレーム/マリオン]タブ>[モード]パネル>[表示設定]
- [平面図/天井伏図]と[平面図/天井伏図で切り取り時(カテゴリが許可する場合)]のチェックを外してOK。
[表示設定] - [注釈]タブ>[詳細]パネル>[マスキング領域]
- [サブカテゴリ]パネル>[サブカテゴリ]で「フレーム/マリオン[切り取り]」を選択
- 下の図のようにスケッチを作成し、参照面にロックする。一部は寸法を使ってロックする。
マスキング領域 - [サブカテゴリ]パネル>[サブカテゴリ]で「<非表示>」を選択し、残りの部分に線を作成する。
<非表示>でスケッチ - 右側にも同様にスケッチを作成する。
- [モード]パネル>[スケッチを終了]
- [モード]パネル>[表示設定]
- [インスタンスが切断されたときのみ表示]にチェック(これをチェックしないと、描画範囲に入ったらいつでも切断されていなくても表示されてしまいます。)
表示設定 - [立面図]-[左]を表示する。
- 上下枠のフォームを選択し、[モード]パネル>[表示設定]
- [前/後]を除くすべてのチェックを外しOK。
表示するのは前後だけ - 4~9の手順で下の図のように上枠と下枠にマスキング領域を作成する。
マスキング領域
- 作成したマスキング領域を選択し、11と同様表示設定を行う。
- [平面図]-[参照レベル]を表示する。
- [作成]タブ>[作業面]パネル>[セット]で[レベル:参照レベル]を選択。
- [注釈]タブ>[詳細]パネル>[マスキング領域]
- [サブカテゴリ]パネル>[サブカテゴリ]で「フレーム/マリオン[投影方法]」を選択。
- 下の図のように下枠の見えかかりを作成する。
スケッチラインは参照面に確実にロックする - プロパティウィンドウで[前景で表示]のチェックを外す。前景で描画の説明はこちらを参考にしてください。
前景で描画をOFF - 保存する。
◆なぜマスキング領域を作成するのでしょうか?◆
窓カテゴリは平面図の表示がちょっと特別なカテゴリで、切断面よりも上にある要素でも平面図上に表示されしまいます。つまり平面図上に上枠が表示されてしまうのです。
そうなると、上枠と下枠の間にある障子が、上枠に隠れて表示されないことになります。そこで、上枠と下枠のフォームを平面図では非表示とし(手順13~14)、マスキング領域を作成し障子が表示されるようにしてみました。
枠.rfa |
テスト
作成した枠をプロジェクトにロードして表示をチェックします。平面図・断面図・立面図・天井伏図で表示を確認してください。最初はFL±0で挿入されるので、オフセットの値を900程度にして、平面図や天井伏図の切断面にかかるようにしてチェックしてください。
また、枠見込や幅、高さのタイプパラメータを変更して振る舞いが正しいかどうか確認してください。
平面図 |
断面図 |
次回は水切の作成です。