構造モデルで意匠モデルの開口情報を受け取る
構造モデルを作成するとき、意匠モデルから、開口の情報を取得する方法を考えてみます。Revit的な手法に準拠するならば、答えは「コピー/モニタ」を使うことになります。コピー/モニタはずいぶんと前からある機能ですが、今でも十分に役に立つ機能です。使い方を見てみましょう。意匠モデルの準備
意匠モデルはごく普通に作ります。Revit標準添付の建築テンプレートを使って、下の図のような簡単なモデルを作ってみました。平面図は下の図のようになっていて、各面に開口部を設けています。
外壁には開口部がある |
構造プロジェクト
構造テンプレートで構造プロジェクトを作成し、立面図を表示して、レベルを削除します。ビューも削除されますが気にせず削除してしまいましょう。この状態で意匠プロジェクトをリンクします。- [プロジェクトブラウザ]で[ビュー]>[立面図]>[北]をダブルクリックして開く。
- レベルを選択して削除
- [挿入]タブ > [リンク]パネル > [Revitをリンク]
- 意匠プロジェクトファイルを選択して、配置を[自動-基準点合わせ]として開きます。
- [表示]タブ > [作成]パネル > [3Dビュー] この時点では意匠モデルは床しか見えません。これはビュープロパティ[専門分野]が[構造]となっているからです。
- ビュープロパティの[専門分野]を[コーディネーション]に設定しOK。
専門分野をコーディネーションとする |
※2 ドアや窓が見えないのはカテゴリが非表示になっているからです。表示しても全く問題ありません。
コピー/モニタ
現在構造プロジェクトには何の要素もありません。意匠モデルをもとに壁のモデルを作成してみます。まずは構造として使用する壁がイプを用意します。壁厚150mmのコンクリート壁(タイプ名:W15)をこのプロジェクトの外壁のために作成しておきます。
次にコピーモニタの設定をします。
- [コラボレート]タブ>[コーディネイト]>[コピー/モニタ▼]>[リンクを選択]
- 意匠モデルを選択します。
- [コピー/モニタ]タブ>[ツール]パネル>[オプション]
- [壁]タブをクリックし次の操作をします。
壁の設定 - 意匠モデルに含まれている壁タイプの一覧が表示されていることを確認
- 意匠モデルの外壁のタイプにW15を設定する。
- 位置合わせのための配置基準線を躯体の中心線に設定する。
- 窓/ドア/開口部をコピーを✔
- OK
- プロジェクトブラウザで立面図を表示する。
- [ツール]パネル>[コピー]でオプションバーの複数にチェックを入れる。
- レベルを選択し、オプションバーの[終了]をクリック。
レベルがコピーされ、モニタリングされている状態 - 意匠モデルのレベルが構造モデルにコピーされます。
- コピーされたレベルにはモニタリングマークがついています。
- これはこのレベルが意匠モデルと関連付けられていることを示します。
- [表示]タブ>[平面図▼]>[構造伏図]
- レベル1を選択してOKし、1階の構造伏図を作成します。
- ビュープロパティの[専門分野]を[コーディネーション]とし、壁を表示します。
- [コピー/モニタ]タブ>[ツール]パネル>[コピー]
- オプションバーで[複数]をチェックし、壁と通り芯、床を選択します。
- オプションバーの[終了]を選択し、[コピー/モニタ]タブ>[コピー/モニタ]パネル>[終了]
- [表示]タブ>[グラフィックス]パネル>[表示/グラフィックス]
- [Revitリンク]タブで意匠モデルのチェックを外してOK
構造の壁としてコピーされる
リンクを非表示にしてみると、構造モデルに壁と通り芯がコピーされていることがわかります。壁は指定したW15のタイプでコピーされています。
- 壁をすべて選択
- プロパティウィンドゥで[構造]を☑
- [選択]パネル>[修正]
- プロパティウィンドゥで[専門分野]を[構造]にして[適用]
- 3Dビューでも同様の操作をします。
- 開口部を選択すると、ドアや窓ではなく[長方形直線の壁開口部]が作成されていることがわかります。
ドアや窓の部分には開口部が作成されている
意匠モデルを変更すると・・・
意匠モデルを変更すると、モニタリングしている構造モデルの壁にどのような影響が出るでしょうか?意匠モデルを下の図のように、開口部の大きさを変更したり、追加したりして3枚の壁に変更を加えます。
窓の幅を変更、ドアを追加、窓を追加 |
コーディネーション(整合性)の再検討をしてみましょう。