2017年9月2日土曜日

NURBサーフェスと屋根

NURBな屋根をつくる

Revitで屋根は比較的柔軟なモデルリングが可能な要素です。ライノセラスに代表されるNURBS(Non-Uniform Rational B-Spline)モデラーで作成したNURBサーフェスがあれば、その面に沿って屋根を作成できます。
NURBSurfaceから作成した屋根
今回はNURBな屋根を作成する手順をご紹介します。

AutoCADでNURBサーフェスをつくる

まずばNURBサーフェスを作成します。意外かもしれませんが、AutoCADも立派なNURBSモデラーです。Revitのブログではありますが、まずAutoCADを使ってNURBサーフェスを作成する方法のほんの一例を説明します。

サーフェス(NURBS)をつくる


  1. ホームタブ>表示パネル>未保存のビュー▼>平面図
  2. 表示パネル>表示スタイル▼>ワイヤフレーム
  3. サーフェスタブ>作成パネル>平面
  4. 0,0  10000,10000 でサーフェス(平面)を作成
  5. 作成したサーフェス(平面)を選択
  6. 右クリック>NURBSに変換
  7. 右クリック>オブジェクトプロパティ管理(またはCTRL+1)
オブジェクトプロパティ管理で選択している平面が「サーフェス(NURBS)」と表示されていることを確認します。
NURBSurfaceの作成

サーフェス(NURBS)を成型する

  1. 再び右クリック>NURBS編集>制御点を再生成
  2. 制御点の数グループでU方向、V方向の制御点の数を任意の数(ここでは4)に変更しOK
    制御点を再生成
  3. 再度サーフェス(NURBS)を選択し、右クリック>NURBS編集>制御点を表示
  4. SHFT+マウスホイール押し下げで、ビューを任意の向きに向ける。
    制御点が表示されたNURBSurface
  5. ホームタブ>表示パネル>表示スタイル>シェードとエッジ
  6. サーフェス(NURB)を選択
  7. 制御点にマウスを重ね、表示されたギズモを選択、上下に移動
    ギズモをドラッグして成型
  8. これを制御点に対して繰り返し、任意の形状にする
    AutoCADで作成したNURBSurface
ファイルを名前を付けて保存(ここではNURBSurface001.dwg)します。
いかがですか。けっこうAutoCADもやるでしょ?

RevitでNURBSurfaceを読む

手順

このDWGファイルを使って、屋根を作成するのですが、手順としてはまず
  1. NURBSurfaceを一般モデルのファミリにする。
  2. 1のファミリをプロジェクトに読み込む
  3. 屋根を面で作成する
となります。

NURBSurfaceを一般モデルのファミリにする

  1. [R]ファイル>新規作成>ファミリ
  2. 一般モデル(メートル単位).rftを選択
  3. 挿入タブ>読み込みパネル>CADを読み込む
  4. 現在のビューのみのチェックを外す。
  5. ファイルの種類をDWGにして、AutoCADで作成したNURBSurface001.DWGファイルを指定して開く
  6. 表示タブ>作成>既定の3Dビュー で、正しく読み込まれていることを確認する。
    ファミリに読み込んだDWG
  7. 名前を付けて保存(ここではNURBSurface001.rfa)

ファミリをプロジェクトに読み込む

  1. プロジェクトファイルを開く、または新規作成する。
  2. 挿入タブ>ライブラリからロード>ファミリをロード
  3. 作成したNURBSurface001.rfaを指定して開く
  4. 建築タブ>コンポーネント
  5. タイプセレクタでNURBSurface001を選択し、クリックして配置する。
  6. 表示タブ>作成パネル>3Dビュー

屋根を面で作成する

  1. 建築タブ>構築パネル>屋根▼>屋根(面)
  2. NURBSurfaceをクリックして選択
  3. 複数の選択パネル>屋根を作成
    屋根を作成
  4. 選択パネル>修正
    NURBS屋根
屋根がNURBSurfaceに沿って作成されました。ファミリと面が重なっているためまだら模様になっていますが、ファミリを非表示にすれば、きれいな面が表示されます。

基準面を変更する

作成された屋根は、指定したNURBSurfaceを屋根の上面として作成されましたが、これを屋根の下面に変更します。
  1. 作成した屋根を選択
  2. インスタンスプロパティ[選択した面の位置]を屋根の下部の面にして適用
    基準面の変更
  3. NURBSurfaceを屋根の下面として屋根が再構築されます。
選択した面の位置を屋根の下部の面に変更

断面を作成してみる

下の図は任意の位置で切った断面です。詳細表示にすればきちんと層構造を表示します。
断面図(標準モード)
インスタンスプロパティには容積や面積も表示されるので、いろいろと活用方法があると思います。
また、屋根のエッジを利用してインプレイスファミリのスイープで鼻隠しを作成することもできるようになります。
屋根のエッジを使ったスイープ(インプレイスファミリ)

もちろんライノセラスも

今回はAutoCADで基本となるNURBサーフェスを作成しましたが、もちろんライノセラスで作成したデータ(.3dm)も直接ファミリに読み込めるので、同じ手順で屋根にすることができます。
3dmも直接ファミリに読み込める