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2017年9月30日土曜日

ファミリパラメータ~三択

3つの値を切り替える

Autodesk University Japan 1日目のセッションで 1H-2 ファミリチュートルアル解説にお越しいただいたみなさん、ご参加ありがとうございました。セッション後に「3つの値を切り替えるトグルスイッチのようなパラメータは作れませんか?」という質問がありました。
トグルスイッチ
ダイアログボックスでよく見かけるようなトグルスイッチは残念ながら作ることはできませんが、3つ以上の値から選択する、というパラメータは作成できます。

三択パラメータの作り方

選択肢「A、B、C」のうちどれかを選択する、というパラメータを作ってみます。
  1. 作成タブ≫プロパティパネル≫ファミリタイプ
  2. はい/いいえ型のパラメータを3つ作成します。
    はい/いいえ型のパラメータを3つ作る
  3. 入力用のパラメータとして、整数型のパラメータを作成する。
    整数型のパラメータを追加
  4. 2で作成したパラメータの式を次のように設定する。
    A:=InputValue<1
    B:=InputValue=1
    C:=InputValue>1
    式を設定
  5. InputValueの値を変更して、A、B、Cの値が変わることを確認する。
これで三つの値をInputValueの数字だけで制御できます。

あまり直接的な解決法でなくて申し訳ないのですが、これならば三択に限らず、五択でも十択でも可能です。
五択の例

2017年9月23日土曜日

ファミリをダウンロードできるサイト

ファミリを提供しているサイトがふえてきた

Revitのファミリがダウンロードできるサイトは海外ではたくさんあるのですが、最近日本でも増えてきました。今回はそんなサイトを3つご紹介します。

  • OKAMURA
  • KOKUYO
  • INAX

岡村製作所

URL:http://www.okamura.co.jp/product/bim/

OKAMURAのダウンロードサイト
言わずと知れた、家具の大手、岡村製作所の製品がrfaファイルを提供してくれています。大変ありがたいですね。ファイル形式は2016のようです。
ダウンロードしたファミリ
ファミリには同じ製品の色違いが別のタイプとして組み込まれています。色を変えるのもワンタッチ、ということですね。
色違いはタイプになっている

コクヨ株式会社

URL:http://www.kokuyo-furniture.co.jp/cad/
コクヨのダウンロードサイト
こちらも大手家具メーカー、コクヨ株式会社のダウンロードサイトです。9月22日のAutodesk University Japan 二日目のForgeのセッションで、最近オープンしたことを知りましたのでご紹介します。
各種オフィス家具がダウンロードできます。フリーフォームでとても美しくモデリングされています。こちらのファイル形式はRevit2014のようです。
ダウンロードしたファミリ
一つのファミリには色違いの製品がタイプとして作りこまれています。大変使いやすいです。
色違いがタイプに分かれている

INAX

URL:http://www.biz-lixil.com/prod_data/bim_rev/
INAX

衛生陶器のイナックスでもRevitデータの提供をいています。ファイル形式は2016。こちらもフリーフォームを使った美しいモデルです。
INAXのファミリ
MEPに対応したコネクタが装備されているのはさすがというしかありません。
コネクタがきちんと装備されていますね!素晴らしい!!

Revitのファミリ提供はどんどん増えてほしいですが、この3つのサイトで家具と便所回りの製品が一通りそろうので、とても助かります。

2017年9月16日土曜日

ファミリチュートリアル改訂

ファミリ作成チュートリアルPDF-増補改訂版

2015年12月から連載した「ファミリチュートリアル(1)~(5)」を増補・改訂して、PDFファイルにまとめました。こちらからダウンロードできます。
ファミリ作成チュートリアル.PDF

少々記述に間違いもあったので、それも含めて修正しました。またそれぞれの完成ファミリをダウンロードできるようにしています。

完成ファミリ

9月21日の Autodesk University Japan 2017  1H-2 14:50-15:40のセッションでは、実演と解説をいたします。ご期待ください。

今週はちょっと準備に忙しいのでこれでご勘弁を・・・

2017年9月9日土曜日

トラス

トラスファミリを作る
トラス梁をつくろう!

トラス梁のファミリはちょっと特殊です。このファミリは形状だけを定義します。実際に簡単なトラスファミリを作ってみましょう。
  1. ファイル>新規作成>ファミリ で「メトリック構造トラス.rft」を選択し開く。すると作成タブにいつもとはちょっと違ったパネルが表示されます。
    作成タブ>詳細パネル
  2. 作成タブ>詳細パネル>上弦材で上の参照面に線を作成
    上弦材をスケッチ
  3. 作成タブ>詳細パネル>下弦材で下の参照面に線を作成
    下弦材をスケッチ
  4. 作成タブ>詳細パネル>ウェブで垂直線(黒)を数本作製して、寸法を使って均等に割り付けます。
    束材をスケッチし均等拘束
  5. 作成タブ>詳細パネル>ウェブで斜材(緑)を作成します。
    斜材をスケッチ
  6. 名前を付けて保存
基本的にトラスのファミリは線で形状を定義するだけで、上弦材、下弦材、束材、斜材にどのような鉄骨を割り当てるかはプロジェクトで行います。ちょっとカーテンウォールの考え方に似ていますね。

トラスファミリを使う

では作成したトラスファミリを使ってみます。図のような2本の柱の間にトラスを作成してみます。

配置


  1. 構造タブ>構造パネル>トラス
  2. オプションバーで配置面を指定
  3. 2点をクリックしてトラスを配置
立面図

支持弦

インスタンスプロパティ「支持弦」で、トラス梁をレベルに対して下端合わせにも上端合わせにもできます。
下弦材で支持

上弦材で支持

上弦材のアタッチ

上現在は屋根やスラブなどにアタッチすることができます。

  1. 屋根を作成
  2. トラスを選択
  3. トラスを修正パネル>アタッチ

下の図は半円状の屋根にトラスをアタッチしたところです。
丸い屋根にもアタッチできます

材の変更

上弦材、下弦材、束材、斜材を編集することができます。

  1. 材に割り当てる構造フレームをプロジェクトにロードする。
  2. トラス材を選択して、タイプを編集
  3. 複製ボタンをおして、適切な名前のタイプを作成しOK。
  4. 上弦材、束材、斜材、下弦材の構造フレームタイププロパティを変更する。
    構造フレームタイプを指定
部材を指定可能

トラスファミリを取り除く

トラスファミリを取り除いて、部材の集合にすることができます。

  1. トラスを選択
  2. トラスを修正パネル>トラスファミリを削除
トラスファミリを削除

これで、トラスの拘束がなくなり、各部材が独立した状態になります。
部材を単独で操作可能になる

2017年9月2日土曜日

NURBサーフェスと屋根

NURBな屋根をつくる

Revitで屋根は比較的柔軟なモデルリングが可能な要素です。ライノセラスに代表されるNURBS(Non-Uniform Rational B-Spline)モデラーで作成したNURBサーフェスがあれば、その面に沿って屋根を作成できます。
NURBSurfaceから作成した屋根
今回はNURBな屋根を作成する手順をご紹介します。

AutoCADでNURBサーフェスをつくる

まずばNURBサーフェスを作成します。意外かもしれませんが、AutoCADも立派なNURBSモデラーです。Revitのブログではありますが、まずAutoCADを使ってNURBサーフェスを作成する方法のほんの一例を説明します。

サーフェス(NURBS)をつくる


  1. ホームタブ>表示パネル>未保存のビュー▼>平面図
  2. 表示パネル>表示スタイル▼>ワイヤフレーム
  3. サーフェスタブ>作成パネル>平面
  4. 0,0  10000,10000 でサーフェス(平面)を作成
  5. 作成したサーフェス(平面)を選択
  6. 右クリック>NURBSに変換
  7. 右クリック>オブジェクトプロパティ管理(またはCTRL+1)
オブジェクトプロパティ管理で選択している平面が「サーフェス(NURBS)」と表示されていることを確認します。
NURBSurfaceの作成

サーフェス(NURBS)を成型する

  1. 再び右クリック>NURBS編集>制御点を再生成
  2. 制御点の数グループでU方向、V方向の制御点の数を任意の数(ここでは4)に変更しOK
    制御点を再生成
  3. 再度サーフェス(NURBS)を選択し、右クリック>NURBS編集>制御点を表示
  4. SHFT+マウスホイール押し下げで、ビューを任意の向きに向ける。
    制御点が表示されたNURBSurface
  5. ホームタブ>表示パネル>表示スタイル>シェードとエッジ
  6. サーフェス(NURB)を選択
  7. 制御点にマウスを重ね、表示されたギズモを選択、上下に移動
    ギズモをドラッグして成型
  8. これを制御点に対して繰り返し、任意の形状にする
    AutoCADで作成したNURBSurface
ファイルを名前を付けて保存(ここではNURBSurface001.dwg)します。
いかがですか。けっこうAutoCADもやるでしょ?

RevitでNURBSurfaceを読む

手順

このDWGファイルを使って、屋根を作成するのですが、手順としてはまず
  1. NURBSurfaceを一般モデルのファミリにする。
  2. 1のファミリをプロジェクトに読み込む
  3. 屋根を面で作成する
となります。

NURBSurfaceを一般モデルのファミリにする

  1. [R]ファイル>新規作成>ファミリ
  2. 一般モデル(メートル単位).rftを選択
  3. 挿入タブ>読み込みパネル>CADを読み込む
  4. 現在のビューのみのチェックを外す。
  5. ファイルの種類をDWGにして、AutoCADで作成したNURBSurface001.DWGファイルを指定して開く
  6. 表示タブ>作成>既定の3Dビュー で、正しく読み込まれていることを確認する。
    ファミリに読み込んだDWG
  7. 名前を付けて保存(ここではNURBSurface001.rfa)

ファミリをプロジェクトに読み込む

  1. プロジェクトファイルを開く、または新規作成する。
  2. 挿入タブ>ライブラリからロード>ファミリをロード
  3. 作成したNURBSurface001.rfaを指定して開く
  4. 建築タブ>コンポーネント
  5. タイプセレクタでNURBSurface001を選択し、クリックして配置する。
  6. 表示タブ>作成パネル>3Dビュー

屋根を面で作成する

  1. 建築タブ>構築パネル>屋根▼>屋根(面)
  2. NURBSurfaceをクリックして選択
  3. 複数の選択パネル>屋根を作成
    屋根を作成
  4. 選択パネル>修正
    NURBS屋根
屋根がNURBSurfaceに沿って作成されました。ファミリと面が重なっているためまだら模様になっていますが、ファミリを非表示にすれば、きれいな面が表示されます。

基準面を変更する

作成された屋根は、指定したNURBSurfaceを屋根の上面として作成されましたが、これを屋根の下面に変更します。
  1. 作成した屋根を選択
  2. インスタンスプロパティ[選択した面の位置]を屋根の下部の面にして適用
    基準面の変更
  3. NURBSurfaceを屋根の下面として屋根が再構築されます。
選択した面の位置を屋根の下部の面に変更

断面を作成してみる

下の図は任意の位置で切った断面です。詳細表示にすればきちんと層構造を表示します。
断面図(標準モード)
インスタンスプロパティには容積や面積も表示されるので、いろいろと活用方法があると思います。
また、屋根のエッジを利用してインプレイスファミリのスイープで鼻隠しを作成することもできるようになります。
屋根のエッジを使ったスイープ(インプレイスファミリ)

もちろんライノセラスも

今回はAutoCADで基本となるNURBサーフェスを作成しましたが、もちろんライノセラスで作成したデータ(.3dm)も直接ファミリに読み込めるので、同じ手順で屋根にすることができます。
3dmも直接ファミリに読み込める