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2017年7月30日日曜日

改訂(2)

強制的に改訂を表示する

シートの改訂プロパティ
改訂はシートに配置しているビューに、改訂に関連付けられた雲マークがあれば自動的に改訂表に表示されますが、雲マークがなくても強制的に改訂表に表示することができます。シートビューのプロパティ「シートの改訂」の編集ボタンをクリックすると下の図のようなダイアログが開きます。
チェックを入れれば強制的に表示される
すでに雲マークがある改訂はグレーになっていますが、任意の改訂にチェックを入れれば、改訂表に表示することができます。

改訂表の行数は固定

しかしながら、図面枠に仕込んだ改訂表は、集計表をシートに配置したときのように分割することができません。つまり行数=表示可能項目数が決まっています。
改訂表の表示項目数を超えて改訂が生じたら?
では、改訂がシートの改訂表の行数以上になるとどのように表示されるのでしょうか?
答えは、最新のものから表示可能項目数分だけ表示されます。図面枠に対して縦に改訂表を入れることができればある程度の項目数を表示できますが、図のように横型の場合は表示数が限られてしまいます。シートの改訂プロパティで改訂10までチェックを入れてみると
新しいものだけが表示される
このように新しいものから表示項目数分だけ表示されます。

改訂の行数を可変にする

スペースを気にせず、とにかくすべてを表示したい場合は、ファミリエディタで図面枠のファミリを作るときに、改訂表の外観プロパティで高さを「変数」にしておきます。
高さを変数にしておく
図面枠のスペースさえ気にしなければ、すべての改訂を表示することができます。
表の高さは改訂の項目数に応じて増えていく

改訂を発行する

改訂が修正されるなどして、状況がFIXされたならば、改訂を「発行」して、雲マークや改訂タグなどをロックすることができます。
表示タブ>シート構成パネル>改訂
いったん発行にチェックが入ると、雲マークを削除したり、内容を変更したりすることができなくなります。
発行された改訂に関する雲マークは編集できません。
ただ、改訂のチェックを外せば、元通り編集できるのであまり強力なロックとは言えないので注意が必要です。

改訂雲マークの非表示

改訂の表示で「なし」を選択すると雲マークやタグを全てのビューで非表示とすることができます。
雲マーク・タグをすべてのビューで非表示にできる。
たとえば、改訂作業が終わった改訂は、雲マークを非表示にしてもいいでしょう。雲マークは表示されていないだけなので、いつでも復活させることができます。

2017年7月22日土曜日

改訂(1)

変更を管理する

プロジェクトに変更が生じた場合、その改訂を記録することは重要です。Revitの「改訂」を使えば、変更履歴を効率的に管理することができます。
変更情報の管理をRevitに集約
今回から数回にわたり、この優れた改訂機能を解説します。ぜひ仕事に役立ててください。

改訂履歴付きの図面枠

改訂を利用するには次のファミリが必要です。

  • 改訂表がある図面枠
  • 改訂タグ

改訂履歴は改訂表という集計表に表示されますが、改訂表はちょっと変わっていて、図面枠ファミリにしか表示できません。改訂表をもつ図面枠のファミリを作成してみましょう。(改訂タグは今回は標準ライブラリにある改訂タグを使います。)

【手順】

  1. ファイル>新規作成>ファミリ
  2. Japaneseフォルダ>図面枠フォルダ>任意のテンプレートを選択(ここではA3 メートル単位.rftを選択しました)して開く
  3. 線分やラベルを使って、図面枠に必要な要素を作成する。
    線分とラベルで図面枠に必要な要素を作成
  4. 表示タブ>作成パネル>改訂表
    改訂表
  5. 改訂番号、改訂日付、改訂の説明を選択し順番を整えます。
    改訂表に表示するフィールドを設定
  6. 並べ替え/グループ化で改訂番号で並べ替え、各インスタンスの内訳はOFFにしておきます。
    並べ替え/グループ化
  7. 外観タブで文字や枠線を指定しOK。
    タイトルOFF 見出しON
  8. 見出し欄を適切な名前にします。
    見出しを編集
【図面枠への配置手順】


  1. プロジェクトブラウザ>シート>-をダブルクリックしてシートを開く
  2. プロジェクトブラウザ>集計(集計表)>改訂 をドラッグしてシートに配置
    改訂をドラッグドロップで配置
  3. 改訂表の幅や高さを調整します。
  4. ファミリを名前を付けて保存し、プロジェクトにロードします。

基本的な使い方

1. ナンバリングの原則を決めよう!

改訂のナンバリングは
  • プロジェクトで一貫
  • シートごと
の二つから選択することができます。プロジェクトの途中で変更すると、番号が変わってしまい混乱するかもしれません。どちらを選択しても一貫性は保たれますので、見た目のわかりやすさの問題です。

(1) プロジェクトで一貫した改訂番号を用いる場合

プロジェクトで一貫して同じ番号を用いれば、すべての図面で同じ改訂番号を参照することができます。しかし、シートの改訂表に表示される改訂番号は欠番が目立つかもしれません。なぜなら改訂表にはそのシートに表示されている改訂しか表示しないからです。

(2) シートごとの改訂番号を用いる場合

一方、シートごとに番号をふれば、シート状の改訂表の番号は欠番なく並ぶことになりますが、同じ改訂でもシートごとに番号が異なることになります。

(3) 設定方法

  1. 表示タブ>シート構成>改訂
  2. 番号付けグループの「プロジェクトあたり」または「シートあたり」を選択
    番号付けのルールを指定
シートあたりを選択すると、「改訂番号」の列が消えます。これはシート内に存在する改訂をすべて集め、順番にならべて、上から自動的に番号を割り当てるから、ここで決めることができないからです。以降は「プロジェクトあたり」を選択したとして話を進めます。

2. 改訂を作成する

プロジェクトに変更が生じたら、以下の手順で改訂を登録します。
  1. まず何が改訂されたかを記録する。
  2. 各シートのビューに改訂雲マークを作成し改訂を割り当てる。
  3. 改訂雲マークに改訂タグを付ける。
  4. 改訂を発行する。

(1) 改訂を記録する


  1. 表示タブ>シート構成>改訂
  2. 番号付けに「数値」日付に改訂が発生した日付(例:2017.07.01)、説明に改訂の内容、発行元に改訂を発行した責任者の名前を設定する。
    改訂の登録
  3. 改訂が発生するごとに[追加]ボタンを押してこの手順を繰り返し、改訂情報を登録する。

(2) 改訂雲マークを作成し、改訂番号を割り当てる


  1. 改訂を行ったビューを開く。
  2. 注釈タブ>詳細パネル>改訂雲マーク。
  3. 描画パネルから適切なツール(例えば長方形)を使って、改訂部分を囲む(複数可)。
    改訂雲マークを作成
  4. プロパティウィンドウで改訂を選択。
    改訂を選択
  5. モードパネル>✔

(3) タグを付ける

  1. 挿入タブ>ライブラリからロード>ファミリをロード
  2. 注釈フォルダ>改訂タグ.rfa を選択し開く
  3. 注釈タブ>タグパネル>カテゴリ別にタグを付ける
  4. 改訂雲マークを選択してタグを付ける。
    改訂タグを作成する
  5. ビューを表示しているシートを開く。
  6. 図面枠のタイプを冒頭で作成した改訂表つきのシートに入れ替える。
  7. 改訂が表示されていることを確認する。
    シートに改訂情報が表示される
これを関連するビューで繰り返す。
例えば立面図でも改訂雲マークを作成し、同じ改訂を割り当てる

(4) 改訂の発行

改訂の発行とは、改訂を固定する、編集不可能にするということです。これはちょうど要素をピンでとめるのと似ています。改訂を発行すると発行を解除するまで改訂雲マークを削除することができなくなります

    1. 表示タブ>シート構成>改訂
    2. 確定した改訂の発行をチェックする。

    一貫した変更履歴(改訂)管理

    変更情報を管理することはプロジェクトを運営するうえで重要です。一般にこうした情報は散逸しやすく見つけるのが困難です。エクセルで管理してもいいですが、やはりRevitでモデルや図面の情報と統合して管理したほうが断然便利です。
    ぜひとも、プロジェクトの情報をRevitに集約して、効率的な変更管理を行ってください。






    2017年7月15日土曜日

    斜めの壁

    斜めの壁はどうつくる?

    斜めや曲面の壁はRevitではどうやって作るのか?基本的な手順は

    • マス>面選択>壁

    の順番です。
    斜め壁も曲面壁も自由自在
    マスを作成してその面を指定して壁を作成します。マスを自由に作ることができれば、壁も自由に作成できます。

    まずは基本から

    下の図のような、簡単な場合を考えてみます。外壁の下端は1FLでY2通り、2FLでY1通りであるとします。
    1FLはY2通り、2FLはY1通りの壁を作成する


    1. 外構&マスタブ>コンセプトマスパネル>インプレイスマス
    2. 適切な名前をつけてOK
    3. プロジェクトブラウザ>平面図>1FL
    4. 描画パネル>長方形でY2-Y3×X1-X3に長方形を作成。
      1FL
    5. プロジェクトブラウザ>平面図>2FL
    6. 描画パネル>長方形でY1-Y3 × X1-X3に長方形を作成
      2FL
    7. 3Dビューにして、二つの長方形を選択しフォームパネル>フォームを作成
      斜めの面をもったマス
    8. インプレイスエディタパネル>マスを終了
    9. 建築タブ>ビルドパネル>壁
    10. 描画パネル>面を選択
    11. オプションバーで、レベルを1FL、見上げ、2FL、配置基準線を躯体の中心線
    12. マスの側面を選択
      マスの側面を指定して壁を作成
    13. 選択パネル>修正
    14. マス&外構タブ>コンセプトマス>マスを表示フォームおよび床 でマスを非表示
    斜めの壁の更新
    マスの面から作成した壁は、マスの変化に追随します。マスを選択してインプレイスマスを編集し
    マスを編集
    壁を選択してモデル面タブ>面に更新
    面に更新
    これで壁が更新されます。
    壁が更新される

    斜めの壁の取り合い

    間仕切壁と斜めの壁の取り合いを考えてみましょう。単純に壁を作成しただけでは包絡はしません。
    斜めの壁(よこ)と間仕切壁(たて)
    まずは十分な長さで間仕切りを作成します。
    十分な長さで間仕切壁を作成
    次に間仕切りを選択しプロファイルを編集します。
    このときマスを表示しておいて、間仕切壁の縦の線を、マスの面に位置合わせします。
    マスの面に位置合わせする
    マスの面を躯体芯としているので、躯体芯まで間仕切壁を伸ばす、ということです。
    次に平面ビューを開いて、修正タブ>ジオメトリパネル>接合 で二つの壁を結合します。下の図のようにならない場合は、ジオメトリパネル>接合▼>接合順位を入れ替え で結合順位を変更してください。
    結合することで包絡する

    カーテンウォール

    カーテンウォールはマスの面を指定して作成することができません。
    マスの面とは互換性がない、と警告が出ます。
    この場合はカーテンウォールではなく「カーテンシステム」を使います。
    1. 建築タブ>ビルドパネル>カーテンシステム でマス面を選択
    2. 複数の選択パネル>システムを作成
    あとはカーテンウォールと同様にマリオンを指定したり、パネルを入れ替えたりします。
    カーテンウォールと同じように扱える
    マスは、ボリュームがなくても面だけのマスでも構いません。マスとカーテンシステムの連携で様々な外壁を作成できます。
    マスとカーテンシステムの組み合わせ

    2017年7月9日日曜日

    地形で法面をつくる

    垂直面は作れません

    Revitは基本的にソリッドモデラーですが、唯一地形はメッシュ要素です。崖のような法面を垂直に作れるか?というとこれは不可能です。ですが「ほぼ垂直」な法面であれば作成可能です。「地形(3)+フェーズ(2)=切土・盛土」の回で紹介した地形はほぼ垂直な法面を地形で作成しています。この地形の作り方について質問がありましたので、簡単に説明します。
    地形で法面をつくる

    AutoCADの出番

    種を明かすと、この地形はAutoCADで等高線を作成し、その高さを読み込んで地形を作成しています。

    AutoCAD

    (1) コマンド:RECTANG で0,0、50000,50000の50m□と20m□のポリラインを作成。
    AutoCADでポリラインを使って作成
    (2) 20m□のポリラインを内側に10mmオフセット。
    (3) 内側のポリラインを選択し、CTRL+1でプロパティを開き、高度をそれぞれ5000と-5000とする。
    内側に10mmオフセットしたポリラインの「高度」を設定
    (4) 保存する。

    Revit

    続いてRevit側の操作です。
    (1) 挿入タブ>リンクパネル>CADをリンク
    (2) 現在のビューのみのチェックを外し、配置先でZ=0の任意のレベルを選択。
    (3) 開くボタンをクリック
    (4) 表示タブ>作成パネル>3Dビューで、CADデータが立体的に挿入されていることを確認する。
    立体的に挿入されている
    (5) マス&外構タブ>外構を作成パネル>地盤面
    (6) ツールパネル>読み込みから作成▼>読み込みインスタンスを選択
    (7) リンクされたCADデータを選択し、等高線として使用するレイヤを選択。
    等高線として使用するレイヤを選択しOK
    (8) 地形が作成される。
    読み込みインスタンスを選択すると点が発生
    (9) サーフェスパネル>✔
    ほぼ垂直な法面

    リンクファイルは地形と連動しているわけではないので、削除してもかまいません。この地形を手動で作成するのはかなり困難です。AutoCADで等高線を作成したほうが、思い通りの地形を作成できます。

    RUTS-線の分割点を地形に追加

    でもいちいちAutoCADでポリラインで等高線を作成して高度を付与するのは、なかなか面倒な作業です。Revitだけで完結する方法はないでしょうか?
    もちろん地形編集に入って、等高線状に点をたくさん打てば、可能です。しかしながらこれまたかなり面倒な作業です。
    たくさん点を打てば解決だが・・・・

    そこでRevitUserTools2018 / RevitUserTools2017にある「線の分割点を地形に追加」の使い方をご紹介します。
    RUTS

    準備するもの


    • 編集したい地形
    • 詳細線分またはモデル線分で作成した等高線

    使い方


    1. まず、下の図のように地形(地盤面)と詳細線分で作成した等高線を準備します。等高線はスプラインで作成するとなめらかな線が作成できます。
      等高線を詳細線分で作成
    2. 地形と等高線を選択して、RUTSタブ>地形パネル>線の分割点を地形に追加をクリック。
    3. 選択した等高線の高さと、等高線を分割するピッチを指定。このコマンドでは、等高線の詳細線分上を等間隔で分割して点を発生させます。
      等高線の高さと、分割ピッチを指定
    4. OKを押すと、選択した地形に点が追加されます。
      三角形の分割エッジを表示すると点が追加されたことがわかる。
    5. もう一度、次の高さの等高線と地形を選択しコマンドを起動し、等高線の高さを指定してOKします。
      等高線の高さを1000に指定してOK
    6. 地形を編集モードに入ってみると、点が追加されていることが確認できます。
      +1000の点が約500mm間隔で追加された
    7. これをすべての等高線について繰り返します。
      全ての等高線に点を追加した!
    最終的に下の図のような地形を作成することができます。
    地形の完成
    もしDWGで等高線のデータがある場合は、読み込んで展開して詳細線分にすれば、同様に地形を編集することができます。
    これだけの点を短時間で手入力するのは困難だと思いますので、なかなか有意義なツールだと思います。法面を作る場合、例えば下の図のような詳細線分を作成すれば
    内側を±0、外側を+5000とすると
    このような川のような地形を作ることも比較的容易に可能です。
    川底の水はサブ領域で作成しました。