手すり子とパネル型手摺子を配置する
それではパネル型の手摺(三共立山アルミ:ファインマスター参照)のタイプを作成してみます。手すり子の間隔を800mmです。
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800mmピッチで並べる |
ここで注目するのは「手すり子(パネル)の位置は芯で指定する」ということです。芯の位置を表示してみると下の図のようになります。
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手すり子は400mmピッチで並んでいる |
そこで、手摺タイプのプロパティ「手すり子の位置」の設定は次のようになります。
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主パターン |
この
①②の値は下の図の
①②に当たります。
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主パターンを読む! |
これによって、二種類の手すり子が400mm間隔で繰り返し並べられて下の図のような手摺になります。
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800mmピッチの手摺 |
端部の問題
ところが端部に問題があります。よく見ると下の図のようになっていて、上部手摺のおさまりがイマイチです。
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端部の上部手摺のおさまりがおかしいですね。 |
これを下の図のように、おさめたいのであれば、
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端部の面で800で納めたいときは・・・ |
手摺のタイププロパティ手すり子の位置で手すり柱の始端側と終端側の「スペース」に手すり子の幅の半分の値をいれて、手すり子の位置を移動します。
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始端と終端の手すり子の挿入位置をずらす |
「はみ出し」の問題
手摺全体の長さが800mmの倍数であれば、手すりはきれに納まります。しかし、800で割りきれない長さの場合は端部に余りが出ます。
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端部の余りはどうするのか? |
端部に幅の異なるパネル(この図の場合は幅400のパネル)を加えたい、と思っても現在の手摺の機能では対処できません。一応、幅200のパネルを作って、下の図のように手摺タイププロパティを作ってみましたが、
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はみ出しを埋めると・・・ |
残念ながら、下部材と上部手摺の間におさめることはできません。
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うーん。惜しいっ! |
はみ出しの長さを埋める手すり子(パネル)は主パターンのように下部のホストを指定することができません。そこでパネルを一工夫します。
端部用手すり子パネルの作成
パネル型の手すり子の下端の距離を指定できるようにファミリを改造し端部用のパネルとして保存します。下端の距離の値は下端の横部材の高さに合わせます。
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下端にオフセットを設定できるようにする |
これでどうでしょうか?
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はみ出しを埋める部材はオフセットも指定できません。 |
む、まだ駄目ですね。スケッチラインに対してオフセットを指定できるようにしなければなりません。はみ出し用のファミリはオフセットを指定することもできません。
手順
(1) 下の図のように平面図で既存の中心線の左側に55mm移動した位置に参照面を作成し名前を「ガラス面」とする。
(2) ガラスのフォームを選択し、作業面を編集ボタンをおして、(1)で作成した参照面を指定します。
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左側へのオフセットを追加 |
これならどうだ!
うまくいきました。
お気づきになったかもしれませんが、この図ではさらに端部専用の手すり子ファミリを割り当てています。
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始端と終端に専用のファミリを指定 |
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始端と終端の様子 |
端部処理のサイズが異なるごとに手摺タイプを作成することになりますが、
全長=800の倍数+端部の長さ×2
で作成することができます。
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全長=メインパネルのピッチ×枚数+端部の長さ×2 |
手すりは割り付けを考えながら
ガラスパネルの部分を横部材として細長いプロファイルを使う手もあるのですが、今回はあえてパネル型の手すりを正攻法で作成してみました。集合住宅のバルコニー手すりなどの実施設計や施工段階では、割り付けを考えてから作成するこの方法がふさわしいのではないでしょうか?必要なファミリとプロフアイルをまとめると以下の6つでした。
必要な手すり子ファミリ
- 主パターン用ガラスパネル
- 主パターン用手すり柱
- 端部用ガラスパネル
- 端部用手すり子
必要なプロファイル
- 上部手摺用笠木プロファイル
- 下部部材用プロファイル