2017年4月8日土曜日

躯体ボリュームを拾う(1)

コンクリート立米数を拾うには

作成した躯体モデルを使って、コンクリートの立米数を集計表を使って拾ってみましょう。さらには打設した日付ごと、かつカテゴリごとに分けて集計してみましょう。

モデリング上の注意事項

床はスパンに分けて作成する

モデリングは普通に躯体モデルを作成すればいいのですが、床は要注意です。床を複数のスパンにまたがって一枚で作成してしまうと、スパンごとに拾うことができません。床はグリッドで分割して作成します。

躯体は結合する

躯体が結合されない状態で重なって作成されていると、立米数は重なっている部分はダブルで集計されます。結合していればダブらずに拾うことができます。

打設日を表す共有パラメータを決める

打設日を入力するパラメータを決めます。打設日はインスタンスパラメータなので、コメントなどのパラメータで代用することができますが、できれば共有パラメータを準備したほうがタグにも集計表にも表示できて便利です。

マテリアル

コンクリートを表現するマテリアルを作成し、各要素に割り当てます。もしコンクリート強度ごとに拾いたいという場合は、それぞれの強度を表す複数のコンクリート用マテリアルを準備しておきます。

実際に拾ってみる

下の図のような簡単な躯体を使って、まずマテリアルごとに数量を拾ってみましょう。
この躯体の数量を拾ってみます
(1) 表示タブ>作成パネル>集計▼>部材拾い出し
(2) カテゴリで「マルチカテゴリ」、名前に「コンクリート立米数」
新しい数量積算
(3) フィールドタブで「マテリアル:名前」「マテリアル:体積」を選択して集計済みのフィールドに追加
フィールド
(4) 並べ替え/グループ化タブで並べ替え方法に「マテリアル:名前」、「各インスタンスの内訳」のチェックをはずす。
並べ替え/グループ化
(5) 書式タブで以下のように設定しOK
書式タブ
まずは以下のようにマテリアルごとの集計表ができます。
簡単な集計表ができる

カテゴリごとにまとめる

今度はこれをカテゴリごとにまとめます。
(1) 集計表のインスタンスパラメータ「フィールド」の編集をクリック
(2) フィールド「カテゴリ」を追加し一番上に
フィールド
(3) フィルタタブ以下のように設定し「RC」のマテリアルだけが集計表に表示されるようにする。
フィルタ
(4) 並べ替え/グループ化の設定---カテゴリごとに集計するように設定する
並べ替え/グループ化
(5) OK
カテゴリごとに集計
これでマテリアル「RC」だけが集計されます。

打設日ごとに集計するには

集計の対象とするカテゴリは上の表から

  • 一般モデル
  • 構造柱
  • 構造フレーム
  • 構造基礎

の5つのカテゴリです。これらのカテゴリに対して、打設日を表すインスタンスパラメータ「打設日」を共有パラメータとして追加します。

共有パラメータの作成


  1. 管理タブ>設定パネル>共有パラメータで[作成]をクリックし、適切なフォルダに適切な名前で共有パラメータファイルを作成
  2. グループの[新規作成]で「施工」というグループを作成
  3. パラメータの[新規作成]で「Date」という名前のパラメータを「整数」で作成。
    Dateプロパティを整数として作成
  4. [OK]でダイアログボックスを閉じる

パラメータをプロジェクトに追加する

上ではパラメータを定義しただけですので、これをプロジェクトで使えるように、プロジェクトに追加します。

  1. 管理タブ>設定パネル>プロジェクトパラメータで、[追加]をクリック
  2. パラメータプロパティダイアログボックスで、パラメータタイプの共有パラメータを選択し、[選択]ボタンで作成した「Date」を選択しOK
    共有パラメータの追加
  3. カテゴリで、一般モデル、壁、床、構造フレーム、構造基礎、構造柱に✔
    パラメータDateを設定するカテゴリを選択
  4. パラメータデータでインスタンスを選択
    インスタンスパラメータとして追加
  5. OK

打設日の設定

打設日をモデル要素に設定します。設定方法は
  1. 複数の要素を選択
  2. 修正|複数選択タブ>選択パネル>フィルタ
  3. 対象とするカテゴリだけにチェックしてOK
    対象とするカテゴリだけにチェックを入れる
  4. プロパティウィンドゥでDateに「20170401」などの日付を表す数字を入力
    打設日をインスタンスパラメータに設定
これを繰り返すだけです。

集計表の修正

集計表を修正して打設日ごとの数量を拾ってみます。

  1. 集計表を開いて、プロパティウィンドゥの[フィールド]の編集ボタンをおす。
    フィールドの編集をクリック
  2. フィールドタブで「Date」を追加し一番上へ移動
    Dateを追加して一番上へ
  3. 並べ替え/グループタブで以下のように設定
    並べ替え/グループ化
  4. 書式タブでDateを選択し、非表示のフィールドに✔
    書式
  5. OK
すると次のような集計表ができます。
集計表
集計表の体裁と各設定の関係を下の図に示します。
見出し・フッタの設定の関係
集計表の仕組みは最初ちょっと難解なところがあると思いますが、慣れてしまえはこれほど便利なものはありません。
次回は金額を計算する集計表や、フィルタを使った色分けなどについて説明します。
打設日ごとに色分けした躯体


価格を計算した集計表