MEPの世界をのぞいてみよう
意匠設計者はふだん[設備]タブを使うことはあまりないのですが、ルーフドレンの納まり検討をするならば、[設備]タブの[配管]を使うと大変便利です。
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ドレン管の作成に挑戦! |
今回は雨水排水管の配管を作成しながら、MEPの世界に少し触れてみましょう。
練習の準備
(1) 右のリンクからルーフドレンの練習.rvtをダウンロードして開きます。
(2) [12 断面]-[建築]-[断面図:ルーフドレン] ビューを開きます。
練習用ファイルの説明
このファイルにはすでにルーフドレンが設置されています。
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ルーフドレンが配置されている |
このルーフドレンには「配管コネクタ」と呼ばれる配管を接続するポイントが仕込まれています。配管コネクタには接続口の直径が設定されていて、この場合は150mmです。
配管作成準備
設備用のテンプレートから作成したプロジェクトであれば、最初から配管の設定がしてあるのですが、建築系のテンプレートから作成したプロジェクトで配管を作成するには準備が必要です。
配管タイプの作成
まず今回使用する塩化ビニル管の「配管タイプ」を作成します。配管タイプとは、配管に使用するファミリ(エルボや継ぎ手)のセットのことです。材質によって継ぎ手はいろいろですから、こうした仕組みが採用されているのですね。
(1) プロジェクトブラウザで[ファミリ]-[配管]-[配管タイプ]の「既定値」をダブルクリック。
(2) 名前を「塩化ビニル管」に変更
(3) [経路設定時の優先指定]の[編集]をクリックします。
(4) [ファミリをロード]をクリック。
(5) ライブラリの「パイプ」-「継手」-「JIS K 6743 PVC-U」-「ソケットタイプ」のフォルダ内のすべてのファイルを選択して「開く」
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[パイプ]-[継手]-[JIS K 6743 PVC-U]-[ソケットタイプ] |
(6) 推奨経路設定ダイアログボックスの各項目を次のように設定します。このダイアログでは配管が交わったり、交差したときに自動的に作成される継ぎ手のファミリを指定することができます。
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エルボなどの推奨継手ファミリを指定 |
(7) [OK]-[OK]
配管システムの設定
配管の系統を示す「システム」を作成します。配管システムには基本のシステム分類(系統の種類)がありますが、これをベースに自由にシステム(系統)名を設定できます。今回は「雨水排水」という名前のシステムを「排水」から派生させます。
(1) [プロジェクトブラウザ]-[ファミリ]-[配管システム]の「衛生」をダブルクリック。
(2) プロパティウィンドゥで「システム分類」が「排水」になっていることを確認してください。
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システム分類が「排水」になっている |
(3) [複製]ボタンをおして、タイプ名を「雨水排水」とします。
(4) [グラフィックスの上書き]の[編集]をクリックし、色を青色にします。よく設備図で系統ごとに色分けをしますが、Revitではここでシステム(系統)の種類ごとに色分けを設定します。
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色分けの設定 |
(5) [OK]-[OK]
配管の描画
準備ができたので、配管を作成してみましょう。
(1) 左のルーフドレンを選択すると、図のようなパイプのアイコンが表示されます。
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パイプのアイコンをクリック |
(2) パイプのアイコンをクリックすると、配管の描画が始まります。
(3) 500mm程度下に移動したらクリックして[ESC]キーを2回。
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500mm下方をクリックし[ESC]×2 |
(4) 作成した配管を選択し、プロパティウィンドウの「システムタイプ」を「雨水排水」に。
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システムタイプを「雨水排水」に変更 |
(5) 作成した配管を選択し、先端(下端)の□を右クリックし、[配管を描画]
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パイプの端部を右クリックし[配管を描画] |
(6) リボンの[傾斜配管]パネルの[勾配値]を「1%」、[下り勾配]を選択。
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下り勾配、勾配値 1% |
(7) 下の図の矢印の位置でクリックして、配管を作成する。
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矢印でクリックして配管を作成。エルボが自動的に発生する。 |
(8) [ESC]を2回押して作成を終了。
配管が勾配を取って作成されます。またコーナー部には自動的にエルボが発生しますが、このエルボは上の「配管タイプ」で設定したエルボのファミリが配管サイズを調整しながら自動発生します。
右側のルーフドレン
(1) 右側のルーフドレンを選択し、左側と同じように「配管マーク」をクリックして配管の描画を開始します。
(2) 下の図のようにクリックして配管を作成し、最後はたて管上をクリックします。
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最後はたて管上でクリックするとT型の継手が発生する |
既存の配管上でクリックすると適切な継手が発生します。
配管サイズの変更
ルーフドレンからの配管は直径150mmで作成されていますが、合流後の配管を200mmに変更します。
(1) 合流点より下の配管をマウスオーバーして、[TAB]キーを押すと、そこから下の配管がすべてハイライトされるので、クリックして選択。
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200mmに変更する配管を選択 |
(2) オプションバーで[直径]を「200mm」にする。
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直径を200mmに変更 |
直径を200mmに変更すると適切に継ぎ手が発生します。
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エルボ |
合流前に200mmにしておく場合は、T型継手を選択して、同様の方法で200mmに変更します。しかしながら、十分に配管の長さが取れていないと、下の図のようなエラーになる場合があります。
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オレンジの部分が重なって、継手が作成できない。 |
このような場合は、あらかじめ右側の配管の水平部を下にドラッグして十分に距離を取ってから
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水平部を下側にドラッグ |
T型継手を選択し、オプションバーの直径を200mmに変更します。
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T継手を200mmに変更 |
3Dビューでの確認
この継手付近の配管を選択して、[修正|複数選択]タブ-[表示]パネル-[選択ボックス]をクリックするか、キーボードから「BX」と打ち込み、3Dビューを表示すると,
次の図のように線分で表示される場合があります。
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「簡略」「標準」では配管が線分表示される |
ビューの詳細レベルが「簡略」「標準」の場合は配管は線分表示になります。「詳細」にすると
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詳細レベルを「詳細」 |
となります。