Pages - Menu

2016年12月25日日曜日

建具リストチュートリアル(3)~タグで数式を使う

その前に

Revitに関する一般的な質問があるときはAutodesk CommunityのフォーラムにAutodeeskIDを使って、質問を投げると誰かが答えてくれます。私も時々見ていますので、Revitの操作で疑問に思うことがあれば気楽に投稿してみてはいかがでしょうか?きっと答えが見つかると思います。

質問はこちら、または右のAutodesk Communityのリンクをクリックしてみてください。

準備


今回はドアタグを改造して、建具キープランを使って建具のプロパティをチェックしながら、建具リストを編集します。まずは下のリンクから練習用ファイルをダウンロードして開いてください。

練習用ファイルをここからダウンロード

共有パラメータファイル

このドアだけ変更する

建具キープラン1階を開き、右上の部分を拡大します。階段(2)から外部に出るドアがあるので、これを外部建具に設定します。SD-2はほかにもたくさんあるので、このドアだけを外部建具にします。タイププロパティを変更するので、タイプを複製してから変更します。

(1) 階段室から外に出るSD2のドア(ドアタグではない)を選択。
外部建具を選択
(2) プロパティウィンドゥの[タイプを編集]
(3) [複製]を選択し、名前を「900x2100 外部」とする。
タイプを複製する
(4) タイププロパティ「建具・外部」がグレーの✔なので、これをクリックして、白地に✔の状態とする。グレーの場合は「値が設定されていない」とう意味です。
(5) 建具番号を「2E」とする。
建具番号と建具・外部を設定

こうすることで、他のドアに影響を与えず、指定したドアだけのタイププロパティを変更することができます。
指定のドアのプロパティのみが変更される
ドアタグに情報を表示する
タイププロパティの情報をタグに表示します。

(1) ドアタグを選択し、[ファミリを編集]をクリック。
ファミリを編集
(2) [作成]タブ-[文字]パネル-[ラベル]
(3) [修正|配置]タブ-[書式]パネルで[左に位置合わせ]
書式を指定
(4) 任意の位置をクリック
(5) ラベルを編集ダイアログボックスで、[パラメータを追加]をクリックして、共有パラメータの[選択]、「建具・外部」を選択しOK。
パラメータを追加
(6) ラベルを編集ダイアログボックスで、[fx]をクリック。
(7) 計算値ダイアログボックスで、名前を「外部」、タイプを「文字」とする。
fxをクリック
(7) 計算式に 

  if(建具・外部,"外","")
 
と入力しOK。これは「建具・外部」のパラメータが「はい(☑)」のときは「外」という文字を、そうでない場合は「」を表示する、という意味です。
(8) ファイルを保存して、[プロジェクトにロード]
(9) [既存のバージョンとそのパラメータを上書きする]を選択。

建具キープランに下の図のように表示されます。
建具記号に「外」の文字が表示された
他のドアは「建具・外部」のプロパティがチェックはされているものの、グレー表示(値が設定されていない状態)なので、「外」の字が表示されていません。

上記の手順を繰り返して、「電気錠」や「自動扉」を設定することができます。
自動扉や電気錠を表示するドアタグ
  • 自動扉の計算式は   if(自動,"自","")
  • 電気錠の計算式は   if(電気,"電","")
です。
電気錠や自動扉も同様に設定

タグにパラメータの情報を表示することで、チェックが容易になります。



2016年12月18日日曜日

建具リストチュートリアル(2)

準備


今回は建具リストの集計表を作成します。練習用のファイルをダウンロードして開いてください。


「建具リスト 1階」のビューを開いてください。この時点で、すべてのドアに「建具記号」が割り当てられています。

集計表の作成

以下の手順で集計表を作成します。
(1) [表示]-[集計/数量]-[集計表]
(2) カテゴリで「ドア」を選択し、名前を「建具リスト(ドア)_作業用」として、OK
集計表の設定
(3) [フィールド]タブで以下のフィールドを追加。

  • ファミリとタイプ
  • 建具・外部
  • 建具記号
  • 建具番号
  • タイプ
  • 個数
  • タイプのイメージ
  • タイプの説明
  • 高さ
  • 耐火等級
  • 建具仕上
  • 枠材質
  • 枠仕上
  • 丁番
  • 金物
  • 取手
  • かぎ
  • 電気
  • 自動
    フィールドを追加

(4) [並べ替え/グループ化]のタブで、「建具記号」「ファミリとタイプ」を選び、「各インスタンスの内訳」のチェックを外し、建具記号を見出しに指定する。
並べ替えの設定
(5) OKで集計表が表示される。
集計表が作成された

建具プロパティの設定

次に建具番号を設定します。集計表の建具番号のセルに番号を入れます。
入れるたびに下の図のようなダイアログボックスが表示されますが、OKにしてください。
タイプパラメータを変更するときの警告
これはタイプパラメータの値を変更します、という意味です。

番号を下の図のように設定してみました。
建具番号を設定した集計表
その他の建具プロパティも同様に設定します。
その他の情報も設定する

ここまでのファイルはこちらからダウンロードできます。

計算式のフィールド


だいたいの情報が入力できたので、シートにレイアウトするための集計表を作成します。

(1) プロジェクトブラウザで、集計表「建具リスト(ドア)_作業用」を右クリックして複製し、名前を「建具リスト(ドア)_シート」とする。
(2) [並べ替え/グループ化]で下の図のように設定。
並べ替えの設定
(3) [書式]タブで、「ファミリとタイプ」「建具・外部」「電気」「自動」を非表示とする。
非表示にするフィールドを指定
(4) [フィールド]タブで、[fx]をクリックし「外部」という名前のフィールドを計算式を使って作成する。
計算式は if(建具・外部,"外","") となっており、「建具・外部」の値が はい の場合は「外」、いいえの場合は空欄にする、という意味です。
計算式のフィールドを追加
(5) 同様に、

電気錠  if(電気,"○","")
電気錠フィールド
自動扉    if(自動,"○","")
自動扉フィールド

というフィールドを追加する。それぞれ電気、自動のはい/いいえの値に対応して、文字を集計表に表示することができます。

シートにレイアウト


新規にシートを作成し、集計表をレイアウトします。

(1) [表示]タブ-[シート構成]-[シート]で新規作成を選択。
(2) プロジェクトブラウザから集計表:建具リスト(ドア)_シートをドラッグドロップして追加。
(3) [修正]-[移動]で、集計表の左上の角を、シートの左上の角に合わせる。

この集計表にはイメージが含まれています。イメージが含まれている集計表は、イメージのサイズを数値で指定することができます。

(4) シートにレイアウトした集計表を選択し、[修正 | 集計表のグラフィックス]タブの[イメージ]パネルで[サイズ変更]をクリックし、高さを12mmに設定する。
集計表に含まれるイメージの高さは数字で指定できる
(5) 集計表のビューとシートビューを左右に並べて、[集計表/数量を修正]タブの[外観]パネルにあるツールを使って、罫線の太さや、文字の位置を調整します。

また、[列]パネルの[サイズを変更]を使って、列の幅を調整し、見栄えを整えてください。

なお、タイプのイメージとタイプの説明の間の罫線を非表示にしたい場合は、タイプの説明の列を選択し、[外観]タブの[罫線]で、左側の罫線をなしに設定します。
罫線を非表示にする
以上の手順で下の図のような建具リストの基礎が出来上がります。
建具リスト
しかしながら、一部に姿図がない建具もありますし、電気錠などの情報は空欄のままです。

次回は、姿図の設定や、電気錠や自動扉の設定など、建具のプロパティをタグに表示しながら設定していきます。

2016年12月15日木曜日

建具リストチュートリアル(1)

建具リストを論理的にまとめる

仕上表に続いて建具リストも集計表でまとめる練習をしてみましょう。仕上表は部屋なのですべてインスタンスなのですが、ドア・窓はタイプでまとめます。タイプ-インスタンスの考え方は、Revitの重要な概念なのでしっかりマスターしましょう。
建具リストを集計表でまとめる

まずは必要な共有パラメータを準備します。建具リストの書式は千差万別ですが、基本的な方法がわかれば、自由に建具リストを作成することができます。

練習用ファイルをここからダウンロード
共有パラメータファイルをここからダウンロード

共有パラメータの設定


ドア・窓のカテゴリには建具リストに使えそうなパラメータがいくつか用意されていますが、足りない項目については、共有パラメータを作成してプロジェクトに設定します。ここでは以下のパラメータを用意しました。そのほかに建具リストに必要なパラメータがあれば、共有パラメータファイルを編集して追加してみてください。


  1. 建具記号―――文字
  2. 建具番号―――文字
  3. 建具・外部――はい/いいえ
  4. 建具仕上―――文字
  5. 枠材質――――文字
  6. 枠仕上――――文字
  7. 丁番―――――文字
  8. 金物―――――文字
  9. 取手―――――文字
  10. かぎ―――――文字
  11. 電気―――――はい/いいえ
  12. 自動―――――はい/いいえ


上記のリンクから共有パラメータファイルをダウンロードして、任意のフォルダに配置します。仕上表チュートリアルをご覧いただいた場合は、上書きしてください。

共有パラメータファイルの設定


(1) [管理]-[設定]-[共有パラメータ]
(2) [参照]ボタンを押して、ダウンロードした共有パラメータファイルを指定しOK。
(3) [OK]でダイアログボックスを閉じる。

プロジェクトパラメータの設定


練習用ファイルを開いて、プロジェクトパラメータを追加します。

(1) [管理]-[設定]-[プロジェクトパラメータ]
(2) [追加]をクリック。
(3) [共有パラメータ]を選択し、[選択]をクリック。
(4) [パラメータグループ]から「建具リスト」を選ぶ。
共有パラメータ「建具記号」を追加
(5) 「建具記号」を選んで[OK]。
(6) カテゴリで「ドア」と「窓」、「タイプ」、パラメータグループで「データ」を選んで[OK]。
ドアと窓のタイプパラメータとして設定する
(7) (2)-(6)を上記の 2~9について行う。

平面図を開いて任意のドアを選択し、[タイプを編集]をクリックしてタイプパラメータを見て、パラメータが追加されていることを確認してください。
ドアのタイプパラメータを確認
パラメータを追加する作業が終了したデータはこちらにあります。

建具キープランの作成

平面図をベースにして建具キープランを作成し、建具記号を作成します。

(1) プロジェクトブラウザで、[ビュー]-[平面図]-[平面図 1階]を右クリックし、[複製]-[ビューを複製]-[複製]
ビューを複製
(2) 出来上がった「平面図 1階 コピー 1」を右クリックして[名前変更]を選択し、「建具キープラン 1階」とする。
(3) 同様に、平面図 2階、平面図 3階を複製して、それぞれ建具キープラン 2階、建具キープラン 3階のビューを作成。
(4) [注釈]-[タグ]-[すべてにタグをつける]
(5) 「ドアタグ:建具記号5.0」を選択し[OK]
ドアタグの行を選択してOK
このような建具キープランができます。必要に応じて、建具記号の位置を調整します。
ドアに建具符号(タグ)が作成された

2階、3階にも同様の操作をします。

建具記号の設定


建具キープランのタグの上側をクリックして、建具種類を設定します。
建具記号を設定
タイプが同じドアは一つのタグに建具記号を設定するだけで同じ建具記号が振られます。

カーテンウォールのドア


このプロジェクトではカーテンウォールにもドアタグが作成されています。カーテンウォール自体のカテゴリは壁ですが、カーテンパネルのカテゴリは

  • カーテンパネル
  • ドア

の3種類から選ぶことができます。例えば風除室のカーテンウォールは可動部分のパネルはドアでできたパネルで、そのほかはカーテンパネルのカテゴリです。
可動部分のパネルはドアのカテゴリ

そのため、可動部分にだけドアタグが作成された、というわけです。カーテンウォールもドアの集計表の一部として取り込むことができます。

カーテンウォール全体を一つの建具として計上したい場合は、二つあるドアのうち、どちらか一つにだけ建具記号のプロパティを設定します。つまり代表選手として建具リストに計上しておいて、あとは姿図を参照してもらうという方法があります。(この方法はこのシリーズの後半で説明します。)

次回は、ドアの集計表を作成します。

2016年12月3日土曜日

仕上表チュートリアル(5)~行間の調整と集計表の分割

行間の統一

下のリンクをクリックして、練習用のファイルをダウンロードして開いてください。

建築_サンプルプロジェクト_仕上表_行間調整開始.rvt


プロジェクトブラウザでA-07仕上表(1)を開きます。仕上表はできましたが、シートにレイアウトされた仕上表は行間がバラバラです。そこで、行間を一定の高さに保つように、フィールドを追加します。


(1) [管理]-[設定]-[プロジェクトパラメータ]
(2) [追加]をクリックし、「行間調整」という文字のパラメータを部屋のインスタンスパラメータとして追加する。
部屋に新しいパラメータを追加
(3) プロジェクトブラウザで、[集計表/数量]から「部屋_仕上表」を開く。
(4) プロパティウィンドゥで[フィールド]をクリック。
(5) 右側のリストで、一番上の「仕上表グループ」を選択した状態で、左側のリストから「行間調整」を選択して、[→]をクリックして追加し、さらに一番上に移動する。
行間調整を最上位に追加
(6) 見出しの「行間調整」という文字を削除し、A列の幅を2mmに設定する。
A列を選択し幅を2.00mmに
(7) A列を選択したまま[外観]パネルの[フォント]をクリックし、色をできるだけ薄い色(例えば薄いグレーなど)に設定します。これは印刷時に...が印刷されてしまうことを防ぐためです。
フォントサイズを6mm
(8) さらにA列を選択したまま、[罫線]をクリックして、右側の罫線を非表示にします。
右側の罫線を非表示
ここで、集計表をレイアウトしたシートを見てみると次のように、行間が統一されていることがわかります。
行間が統一された!

集計表の分割

集計表を配置したシートを開いて状況を確認します。各行の高さは統一されましたが、シートからはみ出してしまいました。
シートをはみ出した仕上表
今度は集計表を二つに分割しましょう。

(1) プロジェクトブラウザで[集計表/数量]-[部屋_仕上表]を右クリックして、[名前変更]を選択し、「部屋_仕上表(1)」に名前を変える。
(2) さらに右クリックして、[ビューを複製]-[複製]で集計表を複製し、名前を「部屋_仕上表(2)」に変更する。
(3) [部屋_仕上表(1)]をダブルクリックして表示し、プロパティウィンドゥの[フィルタ]をクリックし、下の図のように設定する。
フィルタを使って表示する範囲を設定
(4) すると、仕上表グループで「1階」「2階」「3階」のみが表示される。より詳細なページ分けをしたい場合は、さらにフィルタとして「仕上表整列番号」を追加すればいいでしょう。
(5) [部屋_仕上表(2)]のフィルタも下の図のように設定する。
部屋_仕上表(2)のフィルタ
(6) 新たにシートを追加して、「部屋_仕上表(2)」をレイアウトする。
出来上がった仕上表

以上で仕上表が完成しました。手順を踏めばたいへん論理的に仕上を設定することができます。最後に完成したデータのリンクを張っておきますので参考にしてください。

完成

また、仕上表についてなにか質問がありましたら、ぜひコメントを入れてください。可能な限りお答えいたします。

2016年11月27日日曜日

仕上表チュートリアル(4)~シートにレイアウト

準備


下のリンクをクリックして、練習用ファイルをダウンロードしてください。このファイルはRevit2017で作成しています。

見出しをグループ化する

集計表をシートにレイアウトしましょう。その前に、先頭行の見出しの文字をグルーピングして、読み取りやすくします。

(1) A列の「仕上表名前」のセルを選択し、「部屋名」に変更する。
(2) FLからCHまでをドラッグして選択し[タイトルと見出し]の[グループ]をクリック。
連続するセルを選択して、[グループ]
(3) 結合されたセルに「レベル」と入力
結合セルにヘッダーを追加
(4) (2)-(3)を繰り返して、以下のように、床、壁、天井についてタイトルをグループ化する。
説明を追加
(5) 見出しをすべて選択し、[外観]パネルで[水平に位置合わせ]-[中心]、[垂直に位置合わせ]-[中心]で文字をセルの中心に位置合わせします。
見出しの文字をセルの中心に
(6) B、C、D、J列を選択し、[外観]パネルで[水平に位置合わせ]-[中心]、[垂直に位置合わせ]-[中心]で文字をセルの中心に位置合わせします。

列幅の調整

次にシートにレイアウトしたときの、列の幅を指定します。

(1) A列を選択し、[列]パネルの[サイズ変更]を選択
A列を選択し、[サイズ変更]
(2) 40mmと入力しOK。
列の幅を設定
(3) 同様にほかの列も幅を設定する。複数の列を選択した場合は(2)で指定する幅は複数の列全体の幅となり、個々の列幅は等分されます。

B~D(レベル) : 50mm (B,C,Dの3列を選んで50mmに指定するので、1行あたりは50/3mmです)
E~F(床)       : 75mm
G(幅木)        : 40mm
H~I(壁)       : 75mm
J(廻り縁)      : 20mm
K~L(天井)   : 75mm
M(備考)        : 30mm

シートの追加


(1) [表示]-[シート構成]-[シート]
(2) 「A3メートル単位(ロゴなし)」、「新規作成」を選択し[OK]
新規シートを作成
(3) プロジェクトブラウザで[集計表/数量]の「部屋_仕上表」を選択し、ドラッグドロップしてシートに追加する。
プロジェクトブラウザからドラッグ&ドロップ
(4) [移動]を使って、集計表の左上の角を、シートの左上の角に合わせる。
左上を合わせる。

罫線の太さを変更する


(1) C~E列を選択し、[外観]-[罫線]
(2) 太線を選択して、外側の縦線に、太線を設定する。
罫線の太さを設定
(3) (1)-(2)を繰り返して、必要な罫線を太線にする。罫線の太さはシートビューで確認します。
罫線の太さをシートで確認
出来上がった集計表は行の高さがバラバラです。次回は行の高さを統一して、さらに集計表を分割します。