2016年9月4日日曜日

躯体モデルチュートリアル(5) 開口(1)

躯体開口の作成

下の図のような窓とドア用の躯体開口を作成してみます。それぞれファミリを準備しました。
躯体窓開口_抱き納り
躯体ドア開口

細かい説明はさておき、まずは配置してみましょう。右のリンクから躯体モデル_50をダウンロードしてください。ここにはすでに上の二つのファミリがロードされています。

窓開口の配置

(1) 構造伏図(見上図)-1階見-1階見上を開きます。
(2) Y3通りの壁を拡大し、[建築]-[構築]-[窓]。
(3) 壁をクリックして躯体開口を二つ配置します。
躯体開口を配置

パラメータの変更

開口の幅と高さを変更します。ここで重要なことは「タイプパラメータ」と「インスタンスパラメータ」を理解することです。タイプとインスタンスを理解すれば、建物情報を効率的に管理することができるようになります。

タイプパラメータ

タイプパラメータは一つの建具タイプ(AW102などといった建具記号を考えるとわかりやすいでしょう)に特有のパラメータです。幅や高さなどがこれに含まれます。変更してふるまいを確認しましょう。

(1) 右側の躯体開口を選択し、[修正|窓]-[プロパティ]-[タイププロパティ]
どちらでもよい
(2) [建具有効開口幅]を600→1000に変更しOK
開口幅を変更
(3) 二つの開口幅がどちらも変更されます。
両方の建具開口幅が1000(躯体開口幅1030)となった
このようにタイプパラメータを変更するとそのタイプに属するパラメータは共通して変更されます。
なお、躯体開口幅は「枠ちり外+建具有効開口幅+枠ちり外」となっていますので、枠ちり外のパラメータの値を変更することでさらに細かい調整ができます。

インスタンスパラメータ

3Dビューでこの開口を表示します。二つの躯体開口を選択し、[修正|窓]-[表示]-[検索ボックス]で3D表示し、断面ボックスの範囲を少し広げます。

インスタンスパラメータとは、個々の要素に特有のパラメータです。たとえば、片方の開口の腰高を下げたい場合などがこれに該当します。
(1)右側の開口を選択し、プロパティウィンドゥの[敷居の高さ]を100に変更。

インスタンスパラメータを変更
(2)右側の開口高さだけが変更されたことを確認します。
右側の腰高だけが変更されます

タグの追加

3Dビューを閉じて、もう一度[1階見上]ビューを表示します。タイプパラメータやインスタンスパラメータの情報を文字にして表示します。

(1) [注釈]-[タグ]-[すべてにタグを付ける]
(2) [窓タグ]を選択し、[引き出し線]のチェックが外れていることを確認してOK
引出線のチェックを外す
下の図のようにタグが配置されます。
タグでプロパティを表示
タグは要素の持つタイププロパティやインスタンスプロパティを文字にして表示するための機能です。
さらに寸法を配置すれば、下の図のようになります。
寸法を追加

従来の2次元CADのように、図面の絵面を修正するのではなく、Revitでは「モデルとプロパティを修正する」ことが非常に重要です。