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2016年7月24日日曜日

フリーフォーム要素

SOLIDは分解可能

下の図のように角を面取りするようなファミリを作るとします。これをRevitのファミリエディタで作成しようとすると結構手間と工夫が必要です。
角が面取りされたキューブ
他のCADで作成した要素を「CADを読み込む」で読み込んでもいいのですが、読み込んだCADデータはマテリアルの設定が色ごとにしか設定できないのであとが面倒です。

そこで、Revitでは難しいモデリングは、AutoCADのような一般的な3D-CADを使って「ソリッド」で作成しておけば、Revitに読み込んで分解して自由にマテリアルを設定することができます。

AutoCADでソリッドを作ってみる

まずは手軽にAutoCADを使ってBOXコマンドで1000x1000x1000の立方体を作成します。ソリッドを作るところがポイントです。サーフェスやメッシュにならないように気を付けます。
BOXコマンドで立方体を作成
次にFILLETEDGEコマンドで、半径100で各辺を丸めます。
FILLETEDGEで角を丸める
このファイルを保存します。

Revitに読み込む

Revitのファミリエディタで、「CADを読み込む」でこのファイルを読み込みます。
Revitによみこまれたソリッド
読み込んだソリッドを選択して、「完全に分解」します。
完全に分解
分解後の要素を選択すると、「フリーフォーム要素」となっています。
フリーフォーム要素に分解されたソリッド
こうなるとRevitの要素になってしまうので、サブカテゴリやマテリアルの変更は自由にできるようになります。
Revitのネイティブ要素として編集可能
パラメータを付けることは一部にしかできませんが、パラメータが必要ない要素を作成するには大変便利です。

2016年7月17日日曜日

DWG/DXF書き出し~色について

前回はカテゴリ/サブカテゴリの名前とレイヤの名前を一致させることについてお話ししましたが、今回は色についてです。

インデックスカラー


前回のようにレイヤごとに異なる色を付けたいという場合は、下のダイアログボックスで色ID(1~255)の番号を入力する必要があります。

そして、「色」のタブで[インデックスカラー]を選択したうえで出力します。
インデックスカラーを指定する

そうすると、各レイヤにインデックスカラーが割り当てられます。

ただ、この色の割り当てをダイアログボックス上で行うことはちょっと大変ですよね。今回はこの割り当てをRUTS2016/RUTS2017を使ってエクセルで行う方法をご紹介します。RUTSは右上のリンクから最新版をダウンロードすることができます。

(1) [RUTS]-[]-[カテゴリ一覧]をクリック
(2) ファイル名を指定して保存

作成されたファイルは「タブ区切り」のテキストファイルになっています。これをエクセルで開きますが、そのときウィザードが開きますので、テキストファイルウィザード 1/3で「カンマやタブなどの区切り文字によってフィールドごとに区切られたデータ」をチェックして[完了]をクリックします。
エクセルでタブ区切りテキストを読み込む
エクセルで開いて列幅を調整すると、次の図のようになっています。
カテゴリ一覧ファイル
このファイルをもとにカスタムレイヤ設定ファイルを作成することができます。

A列------カテゴリ
B列------サブカテゴリ(空欄の場合はメインカテゴリを示す)
C列------見え掛かりのレイヤ名
D列------見え掛かりのレイヤのインデックスカラー
E列------断面のレイヤ名
F列------断面のレイヤのインデックスカラー

このうちA列とB列は固定値なので書き換えないようにします。

C・E列は見え掛かりのレイヤ名です。接頭辞の意味は
Mdl-----モデル  Ano----注釈  Ana----解析
V----見え掛かり    C----断面
ですので、必要なかったり、ほかの文字がいい場合はExcelの「置き換え」の機能を使って書き換えてください。

D・F列はレイヤのインデックスカラーです。あらかじめカテゴリごとに色番号が振ってありますので、エクセルの機能を活用して、1から255までの数字を設定してください。

このまま、下の図のようなRevitのビューをDWGに書き出してみます。
カラースキームで塗潰した平面図
(1) [R]-[書き出し]-[CAD形式]-[DWG/DXF]
(2) 書き出しセットアップを選択で[…]を押す。
書き出し設定
(3) [ファイルをロード]で作成したテキストファイルを選択。
テキストファイルを選択する
(4) 読み込んだ後は次のようになります。
レイヤと色が読み込まれた!
(5) [OK]で元に戻り[次へ]でファイル名を指定して書き出す。

AutoCADで開くと下の図のように、レイヤに色が設定されます。
AutoCADで開いてみる
レイヤ
各レイヤには指定したインデックスカラーが割り当てられていることが分かります。また特にRevitで要素に色を割り当てない限り(つまり「カテゴリ別」)の場合、要素の色、線種、線の太さはByLayerで書き出されます。

True Color

さて、Revitのビューで「カラースキーム」で塗られてる部屋の色ですが、AutoCADで開いたところ微妙に異なります。例えば右上のカフェテリアの色は

Revit----------RGB 139-166-178
AutoCAD-------色253 (RGB153-153-153)

となっています。インデックスカラーを指定して出力したため、カラースキームのRGBのTrueColorは最も近いインデックスカラー253に置き換えられてしまいました。

そのほかの色も似ているけれども、すべてインデックスカラー、つまり256色になっているというわけです。

そこで、書き出し設定で色を「True Color」にして書き出してみます。
True Colorの指定
AutoCADで開いてみると、色の情報は正しく変換されています。
色は正しく変換されている。
一方、レイヤはどうでしょうか?
このように[レイヤ]タブでレイヤに設定した色IDは無視されて、Revitのカテゴリで指定された色、つまり黒(AutoCADでは白)が画層の色として設定されます。
レイヤの色は基本は■White
True Colorを使えば、線の色、線種、線の太さを印刷上RevitとAutoCADで同じにすることができます。

2016年7月10日日曜日

カテゴリ/サブカテゴリ名のレイヤでDWGに書き出す

サブカテゴリ名をレイヤに割り当てる

Revitの図面データをDWG形式で出力するとき、問題となるのはレイヤの割り当てだと思いますが、カテゴリおよびサブカテゴリ名をそのままレイヤ名として出力するのであれば、とても簡単です。

(1) 任意のフォルダを右クリックし、[新規作成]-[テキストドキュメント]で空のテキストファイルを作成して、適切な名前で保存します。
(2) [R]-[書き出し]-[CAD形式]-[DWG]で、書き出しセットアップのボタンをクリック
書き出しセットアップを修正
(3) 新しい書き出しセットアップをクリックし、名前をつける。
新しい書き出しセットアップ
(4) [標準からレイヤをロード]のプルダウンメニューから[ファイルから設定をロード]を選択。
ファイルから設定をロード

(5) 警告が表示されるが、気にせず[はい]を選択し、(1)で作成した空のテキストファイルを選択すると、カテゴリ、サブカテゴリ名がレイヤの列に表示されます。
カテゴリ/サブカテゴリ名がレイヤに割り当てられる
(6) [OK]を押して[DWGを書き出す]ダイアログボックスに戻り、DWGファイルを出力する。

サブカテゴリは、任意に作成できるため、プロジェクトごとに異なりますので、プロジェクトが異なる場合はもう一度この手順を繰り返します。

さて、出力されたDWGをAutoCADで開いてLAYERコマンドで、画層をみてみます。
AutoCADのレイヤ
このようにカテゴリとサブカテゴリの名前で出力されていることが分かります。
実は「モディファイヤ」を使えば、このような空のテキストファイルは必要ないのですが、こちらのほうが簡単かつ確実なので、ご紹介しました。

モディファイヤの追加


AutoCADのレイヤをみると、モデル要素も注釈要素もごちゃ混ぜになっています。注釈のカテゴリは[注釈]という接頭辞をつけて出力してみましょう。

(1) [R]-[書き出し]-[オプション]-[書き出し設定 DWG/DXF]
書き出し設定の修正
(2) モディファイヤのノードまでスクロールして、[カスタム1]のレイヤの列を「注釈」、色を[3]とします。
モディファイヤの編集
(3) まず[すべてを展開]をクリックし、またスクロールして、注釈のノードすべてを、[SHIFT]キーを使って選択したうえで、[レイヤモディファイヤ]列の[追加/編集]をクリックする。
注釈のレイヤモディファイヤの[追加/編集]をクリック
(4) [カスタム1]を追加し、区切りに「-」を設定し、OK。
{カスタム1}_{複数のカテゴリ}
この設定を保存し、DWGに書き出してみると、レイヤは下の図のようになります。
注釈が接頭し、色が3(緑)に

注釈のカテゴリが「注釈_○○」のレイヤになりました。モディファイやは「カスタム」以外にも、フェーズの名前やレベル、ワークセット名などを組み合わせて使うことができます。

(4)の「使用できるモディファイヤ」の一覧は、モデルのカテゴリでは、異なる値が表示されます。

2016年7月3日日曜日

もう少し複雑な塗り潰しパターンをつくる

目地のあるタイルパターン

今度はタイル目地がはいったパターンを作ってみましょう。下の図をみてセグメントがいくつかるか考えてみます。
セグメントを考える
色々考え方はあると思いますが、今回は下の図のように4本のセグメントとしてとらえます。
説明を追加
最初は「お決まりのパターン」です。
;%UNITS=MM
*TILE95x45
;%TYPE=MODEL

水平セグメント(

まず赤のセグメントです。下の図を見てください。赤の線が(50,50)で移動していっていることに注目してください。
赤の線は(50,50)でオフセットしている

したがって、
  1. 角度:0
  2. 始点X:0
  3. 始点Y:0
  4. オフセットX:50
  5. オフセットY:50
  6. ペンダウン:95
  7. ペンアップ:-5
となり、最初の行は

0,0,0,50,50,95,-5

です。青の線は赤の「始点」が異なるだけで同じ動きをします。
  1. 角度:0
  2. 始点X:0
  3. 始点Y:45
  4. オフセットX:50
  5. オフセットY:50
  6. ペンダウン:95
  7. ペンアップ:-5
0,0,45,50,50,95,-5

です。

垂直セグメント(オレンジ

角度は90度なので、下の図のように回転して考えます。
90度回転して考える
したがって、
  1. 角度:90
  2. 始点X:0
  3. 始点Y:0
  4. オフセットX:50
  5. オフセットY:50
となります。次に、ペンアップとペンダウンを見てみると
45mm書いて、55mmあける
図のように45mm線を書いて、次に55mm間をあけて、再度45mmかくことを繰り返しています。つまり
  1. 角度:90
  2. 始点X:0
  3. 始点Y:0
  4. オフセットX:50
  5. オフセットY:50
  6. ペンダウン:45
  7. ペンアップ:-55
となります。オレンジの線は始点が(95,0)であるだけの違いなので

90,0,0,50,50,45,-55
90,95,0,50,50,45,-55

です。まとめると

;%UNITS=MM
*TILE95x45
;%TYPE=MODEL
0,0,0,50,50,95,-5
0,0,45,50,50,95,-5
90,0,0,50,50,45,-55
90,95,0,50,50,45,-55


これをメモ帳にコピーして保存し、拡張子をpatとします。

使ってみる

パターンを利用して、壁面のマテリアルに適用してみます。

(1) [管理]-[設定]-[その他の設定]-[塗り潰しパターン]
(2) [モデル]を選択し、[新規作成]
(3) [カスタム]を選択して、[読み込み]
作成したpatファイルを読み込む
(4) 作成したパターンファイルを選択しOK

このパターンを使ってマテリアルを作成し、壁に適用すれば下の図のように利用できます。
タイル割り
「パターンを読む」ことさえできれば、どのようなタイルパターンも作成可能です。