オリジナルの塗り潰しパターンを作るには?
Revitの塗り潰しパターンはAutoCADのpatファイルと定義方法は同じで、メモ帳さえあれば作成できます。タイルパターンを作りながら、定義の仕方を見てみます。メモ帳を開いたら、先頭行に
;%UNITS=MM
と入力し、この定義がミリ単位であることを宣言します。次に「*(アスタリスク)」に続いて、パターン名を入れます。
*パターン名
次に、パターンが「製図」ならば
;%TYPE=DRAFTING
「モデル」ならば
;%TYPE=MODEL
とします。これは塗り潰しパターンの以下の部分に相当します。
塗り潰しパターンのタイプ |
;%UNITS=MM
*馬目地100×50
;%TYPE=MODEL
となります。
タイリングパターンを読む
ここからは、タイルパターンの作成に入ります。基本的な書式はカンマ区切りで
- 角度
- 始点X
- 始点Y
- オフセットX
- オフセットY
- ペンUP
- ペンDOWN
を1行ずつ記入します。とはいってもこれだけでは何のことやらさっぱりわかりません。そこで、まず下の図を見てください。
馬目地を読む! |
このタイルパターンは何本のセグメント(線)の繰り返しでできているか考えてみてください。答えは3セグメントです。これは以下の図に示す、赤、青、緑のセグメントの繰り返しでできています。
実は3つのセグメントの繰り返し |
では、この赤、青、緑のセグメントを記述していきます。
連続線のセグメント
赤のセグメントは、水平の無限線が50mm間隔で並んでいます。これを表現するには、
- 角度 0
- 始点X 0
- 始点Y 0
これは、「角度0で、(0,0)を通る線」という意味です。しかしこれでは線が一本しか書けません。これを何度も繰り返して描画させるために、次の描画の移動量を4,5で示します。
上の図を見ると、赤線はY方向に50mm移動しています。(X方向は移動していませんので0です。)
したがって、
- 角度 0
- 始点X 0
- 始点Y 0
- オフセットX 0
- オフセットY 50
となるため、メモ帳には
0,0,0,0,50
と記述します。
破線のセグメント
青と緑は50mmピッチの破線になっています。角度は90度であることは簡単に推測できるでしょう。
まずは青の線を考えてみます。
- 角度 90
- 始点X 0
- 始点Y 0
までは、いいと思います。問題は次のオフセットです。普通に考えると、X方向に100mm、Y方向に0mmと考えてしまいそうです。ところが、行の先頭で角度が90度と宣言しているので、これは下の図のように考えます。
オフセットは角度により考え方を変える |
ですから、答えは
- 角度 90
- 始点X 0
- 始点Y 0
- オフセットX 0
- オフセットY 100
となります。そして、50mmごとにペンを上げたり下げたりするので、続けて
- 角度 90
- 始点X 0
- 始点Y 0
- オフセットX 0
- オフセットY 100
- ペンダウン 50
- ペンアップ -50 (ペンアップはマイナスをつける)
メモ帳には
90,0,0,0,100,50,-50
と記述します。
始点をずらす
次に緑のセグメントを見てみると、青のセグメントの開始点が(0,0)ですから、(50,50)となります。
- 角度 90
- 始点X 50
- 始点Y 50
- オフセットX 0
- オフセットY 100
- ペンダウン 50
- ペンアップ -50 (ペンアップはマイナスをつける)
したがってメモ帳には、青の線の始点X,Yを書き換えて
90,50,50,0,100,50,-50
とします。
パターンファイルを保存
さて、メモ帳は次のようになりました。
;%UNITS=MM
*馬目地100×50
;%TYPE=MODEL
0,0,0,0,50
90,0,0,0,100,50,-50
90,50,50,0,100,50,-50
これを、拡張子を「pat」として、任意のフォルダに保存します。これを実際に使ってみましょう。Revitを開いて
(1) [管理]-[設定]-[その他の設定]-[塗り潰しパターン]
(2) パターンタイプで「モデル」を選び「新規作成」
(3) [カスタム]を選び、[読み込み]を押して、保存したpatファイルを指定。
(4) そのままOKする。
以上で、カスタム塗り潰しパターンを利用することができるようになります。
*馬目地100×50
;%TYPE=MODEL
0,0,0,0,50
90,0,0,0,100,50,-50
90,50,50,0,100,50,-50
これを、拡張子を「pat」として、任意のフォルダに保存します。これを実際に使ってみましょう。Revitを開いて
(1) [管理]-[設定]-[その他の設定]-[塗り潰しパターン]
(2) パターンタイプで「モデル」を選び「新規作成」
(3) [カスタム]を選び、[読み込み]を押して、保存したpatファイルを指定。
カスタムパターンを読み込む |
以上で、カスタム塗り潰しパターンを利用することができるようになります。