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2016年3月26日土曜日

スタートアップ画面の履歴を消去する

スタートアップ画面

Revitを起動すると、下の図のようなスタートアップ画面が表示されます。
スタートアップ画面
これはこれで便利なのですが、プレゼンなどでお客さんに画面を見せる場合は、関係のない他のプロジェクトは非表示にしておきたいと思うこともあるでしょう。今回はこの履歴をクリアする方法をご紹介します。

Revit.ini

この履歴はRevit.iniというファイルに保存されています。保存先は

C:\Users\(ユーザー名)\AppData\Roaming\Autodesk\Revit\Autodesk Revit 2016

のフォルダ内にあります。このファイルをメモ帳で開いて、[Recent File List]を探します。そこに次の図のように、いくつかのファイルパスが列記されています。
[Recent File List]セクション
このFile1・・・・・のすべての行を思い切って削除します。
[Recent File List]のセクションを空にする
これで保存して、Revitを再度起動してみます。
Revit,ini編集後のRevit
これでスタートアップ画面が初期化されました。

スタートアップそのものを表示しない


履歴は残しておきたいが、スタートアップ画面そのものを表示したくない場合もあるでしょう。その場合はもっと簡単で、スタートアップ画面が開いた状態で

[表示]-[ユーザーインターフェイス]-[最近使用したファイル]

のチェックを外します。
最近使用したファイルのチェックを外す
これで、スタートアップ画面が表示されなくなります。
スッキリした初期画面

2016年3月20日日曜日

リアリスティック

もっとリアリスティック

レンダリングをすると確かにフォトリアルな画像を得ることはできますが、Revitのリアリスティック表示は調整次第でかなりクオリティの高い画像を作ることができます。しかもほぼ瞬時に画像を得ることができるので、検討用、挿絵用としては十分使えると思います。下の画像はRevitのサンプルプロジェクト「rac_basic_sample_project.rvt」の3Dビュー「Living Room」の画像です。
プロジェクト設定のまま
このままでは検討用としても使えませんね。しかし、これを一工夫するとかなり見やすくなります。
一工夫すればここまで追い込める
カーペットのディテールが再現されていることがわかります。
こちらは外観「From Yard」の比較です。
プロジェクト設定のまま
リアリスティックにして一工夫するとこうなる
設定次第でずいぶんと変わることがわかります。

設定方法

まずはLiving Roomの設定を実際にサンプルプロジェクトを開いて手順を追ってみます。
(1) 3Dビュー「Living Room」を開く
(2) ビュープロパティ[グラフィック表示オプション]をクリック
(3) 下の図のように設定する。
グラフィック表示オプション
ここで特に重要なことは「周囲の照明」の値です。この値によりかなり画面の明るさが変わりますので、適切な位置を見つけてください。(よくわからない場合は上から順に50,40,30としておけばだいたいヒットします。)
(4) 背景をクリックし、「イメージ」を選び、[イメージをカスタマイズ]をクリック。
背景の設定
(5) 任意の空の画像を選択しOK。
背景画像を指定
これで背景部分に任意の空の画像をはめ込むことができます。
これだけの設定で、画像は見違えるほどリアルになります。

重要なのは光源の位置

照明のスキームを「外部:太陽のみ」した場合、光源は一つです。したがって光源の位置が非常に大事になります。光源の位置は「照明」の「太陽の位置」で決まります。太陽の設定ダイアログボックスで、[方位角]は太陽の水平角度、[高度]仰角を示しています。
方位角は画面に向かって真後ろが180度、右側が90度、左側が270度です。下の図の壁に注目してください。
方位角135度の場合
向かって右後方に光源があるので、左の壁が明るい
次に方位角を90度回して225度にしてみます。
方位角225度の場合
向かって左後方に光源があるので、左の壁は照らされていない。
だいぶん状況が変わることがわかります。また高度を変えて変化を見てみます。

高度を10°にした場合
床が暗くなった
床が暗くなっていることが確認できます。これらのパラメータをうまく組み合わせることで、リアリスティック画像のクオリティはかなり向上します。
approachの画像をリアリスティックで表示

2016年3月13日日曜日

曲面ガラス

曲面ガラスはどうつくる?

下の図のような曲面ガラスをもったカーテンウォールを作成してみましょう。カーテンパネルは平面のみですが、一工夫すれば、このような曲面のカーテンウォールが作成できます。
曲面ガラスをつかったカーテンウォール (リアリスティック表示)
種明かしをすると、この図のパネルは「ガラスのマテリアルをつけた薄い壁」で作成しています。パネルでないところが引っかかるといえばひっかりますが、カーテンウォールのパネルにはカーテンパネルだけではなく、壁も設定することができるという機能を利用しています。

カーテンウォールの作成

(1) 図のように円弧のカーテンウォールを作成します。この時点では、定義は円弧でもカーテンウォールは直線形をしています。
この時点では曲がっていない
(2) 次にいくつかのグリッドを作成します。だいぶ曲線に近づきましたが、まだパネルは直線形状をしています。
まだカクカクしています。
(3) ここで、パネルを任意の壁に取り換えてみます。この時点で、曲面の壁になっていることがわかります。パネルは平面だけですが、壁ならば曲面の壁が作成できます。
(4) 次に、壁タイプを複製して、下の図のような薄いガラスのマテリアルをもつ壁を作成します。
厚さ10mmでガラスのマテリアルで構成された壁を作成
(5) これを(3)のカーテンパネルに割り当てると、曲面ガラスの壁ができます。
ガラスの「壁」をパネルに設定したところ
(6) さらに垂直マリオンをグリッドに割り当てると「らしさ」が増します。
垂直マリオンを追加 (リアリスティック表示)

水平マリオンは?

水平マリオンを加えるとどうなるでしょうか?これはちょっと残念な結果となってしまいます。
マリオンも直線部材だった! (リアリスティック表示)
残念ながら、マリオンもまた直線部材でしかありません。そこで水平部材はマリオンではなく、「壁の造作材(旧名壁のスイープ)」で作成します。

プロファイルの作成

壁の造作(スイープ)にはプロファイルが必要です。
(1) [R]-[新規作成]-[ファミリ]で「プロファイル(メートル単位).rft」を選択。
(2) [プロファイルの用途]を「壁の造作材」に。
(3) マリオンの形状をスケッチし、名前を付けて保存したら、プロジェクトにロードします。
マリオン形状をスケッチ
(4) ガラス壁のタイププロパティを開いて、[構造]-[編集]を選択、左下の[プレビュー(P)>>]ボタンをクリックし、同じく左下に現れた[ビュー(V)]を「断面図:タイプ属性を編集」に設定。
ビューを断面図に
(5) [壁の造作材]をクリックし、[追加]をクリック、(3)で作成したプロファイルを設定する。プレビューを見ながら、[オフセット]の値を調整する。
壁の造作材のプロファイルを設定
以上で、壁の端部にマリオン(もどき)が作成されます。
曲線の水平マリオン (リアリスティック表示)


2016年3月6日日曜日

マテリアル(8)~木材

Autodesk Material

[管理]-[マテリアル]で見ることのできる「オートデスのマテリアル」では、あまりほしいものがないなぁ、と思われている方も多いかもしれませんが、実は、オートデスクマテリアルライブラリにはまだまだ使われていない、かなり多くの画像が収録されています。これを使わないのはもったいない!と思いましたのでご紹介します。

Autodesk マテリアルライブラリは以下のフォルダに多くのマッピング画像が収録されています。

C:\Program Files (x86)\Common Files\Autodesk Shared\Materials\Textures
1,2,3のフォルダはサイズ違いの同じ画像

この中に「1」「2」「3」のフォルダがあり、それぞれ

  • 1 256x256ピクセル
  • 2 512x512ピクセル
  • 3 1024x1024ピクセル

の同じ画像が保存されています。
多くの画像が収録されている
よくみると、実に様々な素材が提供されており、組み合わせれば一般的なものはすべてこれらだけで作ることができそうです。なかにはバンプとセットになっているものもあり、かなり使えそうです。名前に「.bump.」を含むものだけ表示すると次のようになります。
バンプマップもいろいろある。これはほんの一部。

木の仕上材を作ってみよう

それでは、これらの画像を使ってマテリアルを作成してみます。下の図はウォールナットの素地に塗装をして仕上げるような感じでマテリアルを作成しています。
リアリスティック表示

(1) [管理]-[設定]-[マテリアル]を選択し、左下の○に+のボタンをおして、マテリアルを新規に作成します。
(2) [アイデンティティ]タブで、名前を設定します。
(3) [外観]タブで[このアセットを置き換えます]をクリックし、アセットブラウザを開きます。
(4) [外観ライブラリ]-[既定]を選択し、「硬質木材」の右端の矢印をクリックし、マテリアルブラウザを閉じます。
硬質木材を選択

(5) [外観]タブで[イメージ]の矩形をクリックし、以下のファイルを選択します。
C:\Program Files (x86)\Common Files\Autodesk Shared\Materials\Textures\2\Mats\Woods & Plastics.Finish Carpentry.Wood.Walnut.png
ウォールナットの素地とバンプ
(6) さらに[レリーフパターン]にチェックを入れて、レリーフパターンを「カスタム」を選択し、イメージに
C:\Program Files (x86)\Common Files\Autodesk Shared\Materials\Textures\2\Mats\Woods & Plastics.Finish Carpentry.Wood.Walnut.bump.png
を指定します。
イメージの設定
(7) 木材グループの[ステイン]にチェックを入れ、塗装色を指定し、さらに仕上と用途を設定します。
ステイン色、仕上、用途を設定
(8) [グラフィックス]タブでシェーディングの[レンダリングの外観を使用]にチェックを入れれば、完成です。

色々な木

木目の作成はこのようにとても簡単です。さらに
C:\Program Files (x86)\Common Files\Autodesk Shared\Materials\Textures\2\Mats
を「Wood」で検索すると、たくさんの画像があることがわかります。
多種多様な木材の画像
これらの画像とステイン、レリーフを使えば、いろいろな木材のマテリアルが手軽に作成可能です。
Autodeskマテリアルライブラリで作成した木のマテリアル(リアリスティック表示)