2016年1月31日日曜日

ファミリ作成チュートリアル(5)~統合

ドアパネルのタイプを作成

(2)で作成したドアパネルを開き、複数のタイプを作成します。

Step by Step

(1) [作成][プロパティ][ファミリタイプ]を開き、次の値を設定。「新しいタイプ」ボタンをクリックして、名前を「スリットガラス」とし[OK][適用]を押す。
スリットガラス
(2) 同様に以下の二つのタイプを作成する。

小窓
(3) タイプを切り替えて、正しく形状が変化するかを確認する。
スリットガラス、小窓、框 の各タイプ
(4) 上書き保存する。

枠にパラメーターを設定する

(1) 前回作成した枠を「片開き扉 大枠.rfa」として保存。
(2) [作成][プロパティ][ファミリタイプ]をクリックし、パネル幅とパネル高さの「式」を以下のように設定する。

  • パネル幅=幅+2*戸当見付
  • パネル高=高さ+戸当見付-アンダーカット

(3) [挿入][ファミリエディタ][ファミリをロード]で「部品_ドアパネル(ガラス).rfa」を挿入。プロジェクトブラウザで複数のタイプがロードされていることを確認する。
スリットガラス、小窓、框の3タイプの存在を確認
(4) 「スリットガラス」をダブルクリックし、関連付けボタンを使用して以下のタイプパラメーターを、関連付ける。
パラメーターを関連付ける
(5) 下記のパラメーターの関連付けボタンを押して、「パラメータを追加」ボタンをクリックし、同じ名前のパラメータを、同じパラメーターグループに新規に作成し関連付ける。

  • 記号_ガラス_長さ
  • 記号_ガラス_間隔
  • マテリアル_ガラス
    マテリアルを新規作成して関連付ける

(6) (4)(5)を「小窓」「框」について繰り返す。なお、(5)についてはすでに追加されているパラメータ尾を選択するだけで、新規にパラメータを作成する必要はない。
(7) [作成][モデル][コンポーネント]でスリットガラスのタイプを適当な位置に配置する。
(8) 配置したドアパネルを選択し、オプションバーの[ラベル]から「<パラメータを追加...>」を選択する。
パネルを選択し、<パラメータを追加...>
(9) 名前を「パネル形状」、パラメーターグループを「その他」としてOK。
パネル形状
(10) [作成][プロパティ][ファミリタイプ]を選択し、その他グループの「パネル形状」パラメータを変更し、形状が変化することを確認します。

パネルの位置をロックする

ここまででパネルの幅などのサイズは正確になりました。最後にパネルを正しい位置にロックします。

Step by step

(1) 平面図を開いて、パネル厚パラメータが設定されている参照面の間にもう1枚参照面を作成しEQでロックする。
参照面(赤↓)を追加し、寸法を作成してEQでロックする。
(2) [修正][修正][位置合わせ]を使って、パネルの中心を左右方向、上下方向の中心にロックする。
中心をロック
(3) パネルのインスタンスパラメータ「オフセット」を「アンダーカット」に関連付ける。
オフセットを「アンダーカット」に関連付ける。
(4) 「ガラス記号反転表示」の関連付けボタンを押して、同じ名前、同じパラメータグループにインスタンスパラメータを作成する。
インスタンスパラメータを作成し関連付ける

開き勝手の設定

平面図の開き勝手を追加します。

Step by step

(1) 平面図を開いて[挿入][ライブラリからロード][ファミリをロード]で、(3)で作成した「記号_片開き_平面.rfa」をロードする。
(2) [注釈][詳細][詳細コンポーネント]で適当な位置に配置する。
(3) 配置した開き勝手を選択し、インスタンスパラメーター「記号_幅」を「パネル幅」に関連付ける。
記号_幅をパネル幅に関連付ける
(4) s記号_角度をパラメータ「記号_角度」をパラメーターグループ「拘束」にインスタンスパラメーターとして追加する。
インスタンスパラメータを追加
(5)  [修正][修正][位置合わせ]を使って、下の図を参考にしてロックする。
開き勝手をロックする

(6) [作成][プロパティ][ファミリタイプ]を開き、「記号_角度」の値を90にする。

動作の確認

以上で、一通りの設定が終了しました。立面図の開き勝手については、今回と(3)を参考に作成してみてください。
プロジェクトにロードして振る舞いを確認しましょう。
簡略と標準・詳細
幅や高さ、パネルの形状を変更してみてください。




2016年1月24日日曜日

ファミリ作成チュートリアル(4)~枠

建具枠の作成

開き扉の枠を作成します。テンプレートは「ドア(メートル単位).rft」でもいいのですが、複数の必要なパラメーターの設定がされている「ドア_RUG.rft」を使うと便利です。

Step by Step

(1) 「ドア_RUG.rft」を使ってファミリ作成を開始し「建具枠_大枠A」という名前で保存する。
(2) 「平面図」-「参照レベル」を開き、複数の参照面を下の図を参考に作成する。寸法は必ず参照面に対して作成する。
参照面を作成
拡大
(3) それぞれの寸法に、下の図のようにラベルをつける。(寸法を選択し、オプションバーのラベルを選択する。)
寸法にラベルをつける
(4) 「立面図」-「外部」を開き、下の図ように上枠作成のための参照面およびラベル付き寸法を作成する。
上枠の参照面
拡大
(5) [TAB]キーを使いながら「開口部断面」を選択し、[スケッチを編集]をクリック。
(6) 上、右、左のスケッチ線を「枠見付」寸法が作成されている二つの参照面の間に配置し、図のように寸法を作成して[EQ]でロックし、✅する。
枠見付の中心にロックする
拡大
(7) [作成]タブ-[フォーム]パネル-[スイープ]
(8) [スイープ]パネル-[パスをスケッチ]
(9) [描画]パネル-[選択]で、オプションバーの「ロック」をチェックする。
(10) 下の図のように参照面にロックし、「トリム」や「位置合わせ」を使って、形を整える。また、プロファイルの作業面の位置を左にする。
スケッチ線とプロファイルの作業面の位置を調整する。
(11) スケッチの編集を終了し、[プロファイルを編集]をクリック
プロファイルを編集
(12) [ビューに移動]で「平面図:参照レベル」を選択し[ビューを開く]
(13) 下の図のように枠形状をスケッチし、参照面にロックする。
枠形状をスケッチ
(14) [モード]パネルの✅を2回クリックして、スイープの作成を終了する。
(15) 枠を選択し、プロパティパネルの「識別情報」グループの「サブカテゴリ」を[フレーム/マリオン]に指定
(16)「マテリアルと仕上げ」グループのマテリアルの関連付けボタンをクリックし、[枠マテリアル]を選択。
マテリアルパラメーターを関連付ける
(17) 壁厚や、パラメーターを変更してファミリの振る舞いを確認する。正しくない場合は、スケッチのロックが外れていることが考えられるので、再度スケッチの編集をして確認する。
壁厚やパラメータを変更してチェックする

図面表現

プロジェクトにロードしてみると、下の図のようになり図面表現上の問題があることがわかります。
図面表現としては?
これを修正しましょう。

Step by Step

(1) [平面図]-[参照レベル]を開く
(2) 作成したスイープを選択し、[モード]パネルの[表示設定]をクリック
(3) [ビュー固有の表示]グループで[前/後]を除いてチェックを外す。これは立面図以外では、このフォーム(ドア枠)を表示しない、という意味です。
表示設定
(4) フォームの代わりにマスキング領域でドア枠を平面図と断面図に表示します。[注釈]タブ-[詳細]パネル-[マスキング領域]で、下の図を参照に、左右の枠を作成する。このとき実践部分にはサブカテゴリ「フレーム/マリオン[切り取り]」を、その他には<非表示>を使用する。
枠のマスキング領域を作成
(5) 作成したマスキング領域を選択して、[モード]パネルの[表示設定]を選択し、「インスタンスが切断された場合のみ表示」にチェックが入っていることを確認する。
切断されたときだけ表示するように設定する
(6) [立面図]-[右]を開き、(4)と同様の手順で枠の断面図の表示を作成する。
枠のマスキング領域を作成
(7) 枠の見え掛りを下の図を参考に作成する。サブカテゴリは「フレーム/マリオン[投影方法]」を使用する。
見え掛りのマスキング領域を作成
(8) 見え掛りのマスキングを選択し、「前景で描画」のチェックを外す。これは後から挿入するパネルが見え掛りのマスキングで隠されないようにするためです。
前景で描画のチェックを外す
(9) 二つのマスキング領域を選択し、(5)と同様に表示設定を確認する。
(10) プロジェクトにロードして、平面、断面図を確認する。また、パラメーターを変更して振る舞いを確認する。「額縁オフセット」の値は0にしておく。
平面図と断面図の表現をチェック

既存の壁の内側に壁をもう1枚追加して結合し、額縁オフセットの値を調整して二つの壁に開口するかどうか確かめてください。
結合した壁でチェック
次回は、作成したパネルや記号を合成してドアを完成させます。

2016年1月17日日曜日

ファミリ作成チュートリアル(3)-回転するファミリ

片開き戸の記号を作成します。
記号は開きの角度を調整できるようにします。回転のファミリは中心を設定するところにちょっとしたコツが必要です。

記号の作成

(1) 「詳細項目(メートル単位).rft」のテンプレートを使って新規にファミリを作成します。
(2) 図のように参照面を作成し、均等ロックし、インスタンスパラメーターを追加して「記号_幅」とします。

(3) 円弧の部分を作成します。[作成]-[詳細]-[線分]で[中心-両端指定による円弧]で図のように円弧を作成します。この時表示される、鍵マーク()をクリックしてロックします。
(4) 上の図で、をクリックして、寸法を実体化し、半径には(2)で作成した「記号_幅」のパラメーター、角度には新たにインスタンスパラメーターを追加して「記号_角度」とします。
(5) 円弧を選択し、プロパティパレットの「中心マークを表示」をオンにする。

(6) 中心マークと参照面に寸法を作成して、0でロックする。ロックが終わったら「中心マークを表示」をオフにする。
円弧の中心点を0寸法を使って参照面にロック

(7)次に直線を使って円弧の端点から、下の図のように中心に近い位置まで線分を作成し、端点と円弧の中心に寸法を二つ作成します。
(8) 作成した線分をクリックし、寸法の値を0にしてロックします。これで回転の中心を固定することができます。
寸法を0にしてロック
(9) [プロパティ]-[ファミリタイプ]でパラメーターの値を変更して、振る舞いが正しいことを確認します。

以上のように、回転する要素がある場合は、線分、または参照線使って、その端点を参照面に確実にロックすることが必要です。

入力値の制限

記号_角度の値を0°にしてみると、エラーになります。

よく「拘束が満たされていません」という表示になりますが、たいていの場合これは「ある要素が描画不可能な状態になっている」という意味ととらえていいでしょう。

この場合は、角度が0なので、円弧の長さも0となって描画できなくなり、このようなエラーが表示されます。そこで、角度の値がマイナスなどにならないように、10°~180°の間に入力値を制限してみます。

(1) [プロパティ]-[ファミリタイプ]で、入力用のインスタンスパラメーターとして、「s記号_角度」を作成します。
パラメータータイプ:角度、パラメーターグループ:拘束
(2) 「記号_角度」の「式」に以下を設定します。

  • if(s記号_角度<10,10,if(s記号_角度>180,180,s記号_角度)

この式はif文がネスト(入れ子)になっています。意味は、s記号_角度が10未満であれば10を、180を超える場合は180を、そうでなければ入力値を「記号_角度」に入力する、という意味です。
式を設定する。°は自動でつく
(3) s記号_角度に0や180より大きな値を入れてみて、記号_角度の値に制限がかかっていることを確認してください。

最後にプロジェクトにロードして、振る舞いが正しいかどうか入念に確認します。

プロジェクトにロードして振る舞いを確認する。
回転を含むファミリは、端点の拘束が重要になります。位置合わせでもロックはできますが、ゼロ寸法によるロックのほうがより明快です。
また、参照面は端部を持たない無限の面なので、回転の中心に固定することはできません。この場合は「参照線」を用いて端部を回転中心に拘束するとよいでしょう。