2015年12月28日月曜日

ファミリ作成チュートリアル(1)

ファミリ作成チュートリアル


ファミリの作成を練習してみましょう。ファミリ作成はまったく難しくありません。これは一種のデザイン行為であり、ファミリ作成ができるようになると、Revitはずいぶん扱いやすくなります。

ここではドアを例に建具を作る練習をします。ドアや窓などの建具は頻繁に作成するものです。部品に分けて作成しておくと、あとは組み合わせればいいのでたいへん便利です。

Step 1-1 ガラス記号の詳細コンポーネント

ガラスを表す記号はいろいろありますが、今回は下の図のような記号を使います。
ガラス記号
いきなりすべてを作らず、まず部品のファミリを作成します。

(1) [新規作成]-[ファミリ]で「詳細項目(メートル単位).rft」を選択
(2) 既存の参照面の交点から45度に新たな参照面を作成し、寸法を使ってロックします。
参照面を作成し角度寸法でロックする
(3) [管理]-[オブジェクトスタイル]で、サブカテゴリ「建具記号_ガラス」を作成。
建具記号_ガラス を新規作成

(3) [作成]-[線分]で線分をを下の図のように「建具記号_ガラス」で作成し、寸法を与えます。
説明を追加

(4) 寸法を選択し、オプションバーの「ラベル」から、<パラメーターを追加>を選択し、タイプパラメーター「記号_ガラス_長さ」「記号_ガラス_間隔」を作成します。

(5) 記号_ガラス_コーナー.rfaとして保存します。

Step 1-2 ガラス記号の詳細コンポーネント

記号_ガラス_コーナー.rfaを複数組み合わせて、ガラス記号.rfaを作成します。

(1) [新規作成]-[ファミリ]で「詳細項目(メートル単位).rft」を選択
(2) 既存の参照面を中心に、上下左右に等間隔で新たな参照面を作成し、それぞれ寸法を与えて均等ロックをします。
上下左右に参照面を作成
(3) 寸法を選択し、オプションバーの「ラベル」から、<パラメーターを追加>を選択し、インスタンスパラメーター「記号_ガラス_幅」「記号_ガラス_高さ」を作成します。
(4) 上下左右の参照面のパラメーター「参照」をそれぞれ「上」「下」「左」「右」とします。
参照面の「参照」プロパティを設定
(5) Step 1-1で作成した、記号_ガラス_コーナー.rfaをロードします。
(6) 回転や鏡像を使って適切な方向にして4つのコーナーに配置し、「位置合わせ」コマンドを使ってロックします。
「位置合わせ」を使って、参照面に確実にロックする
(7) 配置したガラス記号_コーナー.rfaを選択し、「タイプを編集」をクリック
(8) 「ガラス記号_長さ」「ガラス記号_間隔」の右端の□をクリックして、同じ名前のタイプパラメーターを新規に作成して関連付けます。
記号_ガラス_コーナーのタイププロパティを関連付ける
(9) 右上と左下のガラス記号1を選択し。[表示]の□をクリックし、「右上左下」という名前のパラメーターを新規作成して関連付けます。
表示パラメーターを関連付ける
(10) 左上と右下のガラス記号1を選択し、[表示]の□をクリックし、「左上右下」という名前のパラメーターを新規作成して関連付けます。
(11) [作成]-[ファミリタイプ]で、タイプパラメーター「反転表示」を[はい/いいえ]、[グラフィックス]で作成します。

(12) 右上左下の式に「=not (反転表示)」、左上右下に「=反転表示」を設定。これで、二組の記号の表示をクリック一つで反転することができます。
式を設定
(13) 最終的なパラメーターは以下のようになります。
「反転表示」はオフにしておく


(14) 記号_ガラス.rfaとして保存します。

Step 1-3 ガラスのファミリ

ガラスだけのファミリを作成します。平面図、断面図、立面図での表示も作成します。

(1) [新規作成]-[ファミリ]で「一般モデル(メートル単位).rft」を選択
(2) [作成]タブ-[プロパティ]パネル-[ファミリカテゴリとパラメーター]で「ドア」を選択
カテゴリを選択
(3) 平面図で下の図のように参照面と寸法を作成し、パラメーター「厚さ」を設定する。また、参照面の参照プロパティおよび名前プロパティも「正面」「背面」「右」「左」を設定する。
参照面と寸法、パラメーターを設定
(4) 立面図の背面を開いて、参照面の参照パラメーターと名前を設定します。「下」の参照面はレベルの線と重なっているので、TABキーを使って慎重に選択してください。

(5) 幅と高さの寸法を選択して、オプションバーのラベルから「幅」「高さ」を選択し、「インスタンスパラメーター」にチェックを入れる。
インスタンスパラメーターにチェックを入れる
(6) [作成]タブ-[フォーム]パネル-[押し出し]で、[描画]パネルから[長方形]を選び、図のように描画して、スケッチラインを参照面にロックし編集モードを終了します。
参照面に確実にロックする
(7) 平面図を開き、位置合わせを使って、正面、背面の参照面にロック
フォームを参照面にロック

(8) フォームを選択し、サブカテゴリを「ガラス」にする。
サブカテゴリを

(9) マテリアルの□をクリックし、パラメーターを関連付けます。
マテリアルのパラメーターを関連付ける

(10) 立面図-背面 を開き、Step 1-2で作成した、記号_ガラス.rfa をロードし、一旦適当に配置します。
(11) 配置した記号_ガラス.rfaを選択し、[作業面]パネル-[作業面を編集]をクリックし、「正面」を選択します。
作業面を設定

(12) インスタンスプロパティ「記号_ガラス_幅」「記号_ガラス_高さ」の□をクリックして、それぞれ「幅」「高さ」に関連付けます。
幅と高さを関連付ける
(13) 前景で描画のチェックを外します。
前景で描画のチェックを外す
(14) 記号の上下左右の中心を位置合わせします。
位置合わせで中心線をロック
(15) 同様に平面図-正面をひらき、[注釈]タブ-[詳細]パネル-[詳細コンポーネント]で、記号_ガラスを、作業面「背景」に配置し、同様の設定を行い、中心線をロックする。
背景に詳細コンポーネントを配置
(16) 配置した記号を選択し、プロパティウィンドゥの[タイプを編集]をクリック。[反転表示]の□をクリックして、インスタンスパラメーター「反転表示」に関連付ける。
反転表示を関連付ける

(17) 平面図-参照レベル を開き、フォームを選択し、[修正|ガラス]タブ-[モード]パネルの表示設定をクリック。下の図のように設定し、立面図を除いてこのフォームを表示しないように設定する。
フォームは立面図を除いて表示しない。
(18) [注釈]タブ-[詳細]パネル-[シンボル線分]をクリック。サブカテゴリを「ガラス[切り取り]」として、ガラスの線分を下の図のように作成。
詳細線分を作成

(19) 位置合わせを使って、左右、水平位置を参照面に合わせる。
(20) 作成したシンボル線分を選択し、[表示設定]をクリック、「インスタンスが切断された場合のみ」にチェックを入れる。
インスタンスが切断された場合のみをチェックする
(21) 立面図-右 を開き、(17)-(19)の手順を繰り返し、断面時のシンボル線分を作成すします。
断面のシンボル線分を作成
(22) フォームを選択し、プロパティウィンドウの[マテリアル]の□をクリックし、例によって「マテリアル_ガラス」というパラメーターを作成して関連付けます。
マテリアルのパラメーターを関連付ける
(23) 立面図を開き、記号を選択、タイププロパティを開いて、「記号_ガラス_長さ」、「記号_ガラス_間隔」を同じ名前のタイプパラメータを作成して関連付ける。
記号_ガラス_長さ 記号_ガラス_間隔 の関連付け

(24) ファミリパラメーターダイアログボックスで「厚さ」パラメーターを適切な値に変更する。また、[マテリアル_ガラス」にも、適切な値を設定する。
パラメーター一覧

(25) 3Dビューの「ビュー1」を開いて、見え方を調整する。

(26) 名前を付けて保存でファミリを選択し、オプションをクリック。サムネイルプレビューに3Dビュー:ビュー1を設定し、「ビュー/シートが最新でない場合は再生成」にチェックをして、「部品_ガラス.rfa」として保存する。

以上でガラスの部品は完成しました。プロジェクトにロードして、以下の点をチェックしてみてください。

  • 幅・高さの変更に形状、記号がつ追随するか?
  • 記号は片面だけ表示されているか?
  • 記号の反転表示はできるか?

プロジェクトにロードした「部品_ガラス」

今回はガラスの部品を作成しましたが、様々なテクニックをご紹介しました。次回は、このガラスを使って、ドアパネルを作成します。


2015年12月20日日曜日

ぐにゃぐにゃした形(5)~パターンベース(2)

パターンベースコンポーネントを使う

前回作成したパターンベースコンポーネントを、プロジェクトにロードして活用する方法をご紹介します。
まず、マスを使って割り付け面(サーフェス)を作成します。せっかくですので、ぐにゃっと曲がった面を作成してみます。
(1) プロジェクトを開いて、前回作成したパターンベースコンポーネントをプロジェクトにロードします。
(2) マス&外構タブの「インプレイスマス」をクリックし、マスの名前を設定します。
(3) 図のようにレベル1とレベル2に曲線を作成

(4) 二つの曲線を選択して「フォームを作成」を選択し、サーフェスを作ります。
(4) 作成した面を選択し、「サーフェスを分割」をクリックし、面を分割します。
(5) プロパティウィンドウで(1)でロードしたパターンベースコンポーネントを選択します。

(6)さらに、グリッドの間隔を調整します。

(7) マスを終了します。

いろいろなサーフェイスに割り付ける

パターンベースやアダプティブコンポーネントは、様々なサーフェスにレイアウトが可能です。同様の手順で今度はタイルパターングリッドを「六角形」にして、パターンベースコンポーネントを作成してみした。

これをプロジェクトにロードして使ってみましょう。

(1) プロジェクトに参照面を作成し名前(ここでは「A」とした)をつける
参照面を作成し名前をつけることで作業面として使えるようにする。

(2) 立面図に移動し、「マス&外構」タブの「インプレイスマス」で名前をつける。
(3) 「作業面」パネルの「セット」をクリックし、参照面:Aを選択
(4) 図のようにいくつかの点を作業面上に作成する
(5) 「複数の点をつなぐスプライン」を使って、これらの点をつぐ

(6) 作成したスプラインを選択し「フォームを作成」をクリックし、3Dビューを開く。
(7) 作成した点やスプラインが見えなくなっているが、面を作成し「X線モード」をクリックすれば、再び点やスプラインが表示される。

(8) 再度表示された点をクリックするとハンドルが表示されるので、ハンドルをドラッグして形を調整する。
(9) サーフェスを分割をクリックし、作成した六角形のコンポーネントを選択し、間隔などを調整する。
レイアウトされたパターンベースコンポーネント
部分拡大
マス、アダプティブコンポーネント、パターンベースコンポーネントを組み合わせればさらにいろいろな形状をデザインすることができます。ダイナモはちょっとハードルが高いな、と思われている方は、まずマス、アダプティブコンポーネント、パターンベースコンポーネントを使ってみてはいかがでしょうか?