フェーズを理解する
フェーズの作成
「建築テンプレート」で新しいプロジェクトを作成して、[管理]-[フェーズ]をクリックすると下の図のようなダイアログが現れます。既定では「既存」と「新しい建築」となっていますが、これは自由に名前を変更したり、追加することが可能です。
フェーズ作成ダイアログボックス |
(1) 一番上の行を選択し「後ろに」を何回かクリックして、フェーズ5までを追加します。
(2) 「既存」を選択し「次と」をクリック
(3) 「新しい建築」を選択し「前と」をクリック
フェーズの作成 |
フェーズの要素への割り当て
フェーズを作成したら、各要素に「いつ作成されて」「いつ壊されるか」を割り当てます。平面図の「レベル1」ビューを開いて、適当に壁を作成し選択します。壁インスタンスプロパティの一番下を見てみると、フェーズセクションがあります。
要素のライフタイムを決めるフェーズプロパティ |
ここには二つのプロパティがあり、選択した要素が「いつ作成」されて「いつ解体」されるかをフェーズ単位で指定できます。ここで要素のライフタイムを決定します。解体は「なし」も選択できます。選択した壁を下の図のように、フェーズ1で作成し、フェーズ3で解体する、と指定してみます。
フェーズ1で作成し、フェーズ3で解体 |
ビューのフェーズ
これはレベル1のビューが「フェーズ5」の状態を表示するとなっているからです。何も選択していない状態で、ビューのプロパティを見てみると、やはり一番下に「フェーズ」があります。このビューはフェーズ5の状態を表示している |
フェーズフィルタ
ここで「フェーズフィルタ」を「なし」にしてみましょう。すると、再び壁が現れます。各フェーズにはそのフェーズで- 作成される要素
- 解体される要素
- 何もしない要素
- 作ってすぐに壊す要素
が存在します。これらをRevit用語では
- 新築
- 解体
- 既存
- 仮設
と呼びます。これらの用語と状態をしっかりと理解する必要があります。
要素のライフタイム |
- 「要素4」はフェーズ3においては[新築]です。
- 「要素2」はフェーズ3で解体されるので[解体]です。
- 「要素3」はフェーズ3では存在しているがなにもしないので[既存]です。
- 「要素5」はフェーズ3で作って同フェーズで解体するので[仮設]です。
- 「要素1」は[解体]
- 「要素2」は[既存]
- 「要素3」は[新築]
となります。このように、フェーズごとに、要素のライフタイムの状態は変化します。
これらの要素を色分けしたり、点線で表示したり、非表示にしたりするために「フェーズフィルタ」が存在します。[管理]-[フェーズ]で「フェーズフィルタ」タブをクリックします。
フェーズフィルタ |
また、7の「解体と新築を表示」では「新築」を普通に表示し、「解体」と「仮設」を優先設定を使って表示する、となっています。この優先設定とは、ダイアログボックスの最後のタブ「グラフィックスの上書き」です。
グラフィックスの上書き
下の図はグラフィックスの上書きタブです。グラフィックスの上書き |
実例
緑:既存 赤:解体 青:新築 仮設:マゼンタ |
この例では既存と新築の規定値の二つのフェーズを使っています。各要素のライフタイムは次のようになっています。
ライフタイム |
これを「新築」のフェーズでみたときに、フェーズフィルタを設定します。
フェーズフィルタはすべてを優先設定済みに |
既存は緑、解体は赤、新築は青 |
切土と盛土とフェーズ
地形を複数のフェーズで作成すると、直前のフェーズの地形との差分を「切土」「盛土」としてい計算できます。条件は、直前のフェーズにある地形の境界線の内側に比較対象となる地形がある、ということです。切土・盛土を計算するには「フェーズ」の理解が欠かせません。
次回は地形で切土と盛土をフェーズを利用して計算してみます。