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2015年1月25日日曜日

階段手すり(1)

RC手すり

階段の手すりの作成にはいろいろと「不思議」が付きまといます。まず簡単なRC階段手すりを作成してみましょう。
RC手摺はどう作る?

上部手摺用のプロファイルを準備

手摺は次の三つがあります。

  • 上部手すり
  • 手すり1
  • 手すり2

いずれも、プロファイル(断面形状)が必要です。
(1) [新規作成]-[ファミリ]で「プロファイル-手摺」を選択して、下の図のように130mm×1280mm(手摺高さ1100mm+踏み板厚30mm+躯体厚150mm)の閉じた長方形を作成し、RC手摺1100.rfaとして保存し、プロジェクトにロードします。
プロファイル

(2) プロジェクトブラウザで[ファミリ]-[手すり]-[上部手すりのタイプ]を展開し、任意のノードを右クリック-[複製]を選択し、適切な名前を設定します。
(3) これをダブルクリックし、タイプパラメーターを開き、[プロファイル]に作成したプロファイルを指定します。また、必要に応じてマテリアルを設定してください。
(4)[ハンドのすきま]が厚さの半分の値(ここでは130÷2=65)になっていることを確認します。
プロファイルを設定

手すりタイプ
(1)プロジェクトブラウザで[ファミリ]-[手すり]の任意のノードを右クリックして複製し、適切な名前を設定します。
(2)これをダブルクリックしてタイププロパティを開きます。
(3)「上部手すり」グループの[高さ]を1100、[タイプ]を先ほど作成した上部手摺のタイプを指定します。
上部手すりのタイプを設定
(4)[手すりの構造(非連続)]の[編集]をクリックして、中身をすべて削除します。
手すりの中身をすべて削除

(5)[手すりの位置]の[編集]をクリックして、下の図のように設定します。
手すり子をすべて「なし」に設定

手すりの作成

(1)[建築]タブ-[階段]パネル-[手すり]-[ホストに配置]
ホストとは階段のこと

(2)タイプセレクタで先の手順で作成した手すりを指定し、階段をクリックすると、警告は出ますが手すりが作成されます。
手すりが作成されますが、すこし修正が必要です。

(3)作成された手すりを選択し、「パスを編集」をクリックします。
(4)下の図のように、不必要なところを削除します。特に、内側の部分は慎重に削除してください。
必要な部分だけ残して削除

(5)スケッチを終了します。
(6)手すりのインスタンスプロパティで、を手すりの幅の半分の値(ここでは-65)とします。

これで手すりのとりつく位置を階段の外側に設定して完成です。
RC手摺ができました

実はこの階段手摺、一見何の問題もなさそうですが、細かな寸法を突き詰めるとちょっと問題があります。次回はその問題点の考察と、階段中央の壁柱を作成します。

2015年1月17日土曜日

RC階段(3)

踊り場

踊り場は階段の最下部に作成することはできません。経路の途中か、最上部に作成します。踊り場の作成自体はこのことさえ理解していれば特に難しくはありません。

Step By Step

(1) 前回作成した下の階段を選択し、「階段を編集」を押します。
(2) コンポーネントの「踊り場」、「スケッチを作成」で下の図のように踊り場を作成します。
踊り場をスケッチ

スケッチを終了すると、下のような階段踊り場ができます。

踊り場の取り合いがちょっと・・・
このままでは、上部の階段との取り合いがちょっと変です。

取り合いを調整してみよう!
これを調整してきれいに取り合うようにしてみましょう。

階段経路の修正

Step By Step
(1) 上の階段を選択し「階段を編集」
(2) 下の階段経路を選択
下の階段経路を選択

(3) プロパティで「蹴込み板をつけて開始」のチェックをOFF、「踏み板の基準より下に延長」に-180と入力し「適用」
プロパティを調整する
(4) この時点で、階段経路と下の踊り場がきれいに取り合います。この-180とは、踏み板30+構造の奥行き150で180としています。
踏み板+構造の奥行き

(5) ここで、1段減らしているので、階段経路の▼をドラッグして1段追加します。また、上部の経路の●をドラッグして一段増やします。


編集モードを終了します。

下の階段の踊り場と一部かぶっているので、再度下の階段の踊り場を編集すると下の図のようにきれいにとりあいます。
完成した階段

次回は手すりを作成してみましょう。

2015年1月12日月曜日

RC階段(2)

RC階段を作成する

それでは前回の設定を使って、RC階段を作成してみましょう。外部階段と仮定して、階段幅を950mmとします。

Step by Step


(1) [建築]-[階段]-[階段]-[コンポーネントによる階段]
(2) タイプは前回作成したタイプを選択
(3) オプションバーで位置基準を「外部支持:左」、オフセットを「0」、実際の経路幅を「950」、自動踊り場を「ON」
オプションバーの設定
(4) インスタンスプロパティの「寸法」グループを見て、蹴上の数を確認します。(このサンプルは階高が3500なので、蹴上が200以下になるように18段と計算されています。)必要に応じてこの蹴上の数を調整してください。
指定の蹴上げ数に注目
(5) 階段の始まる点をクリックして、「9蹴上が作成されました。9継続中」と表示されたところでクリックします。

(6) 残りの階段経路を最初の経路に合わせて作成します。位置はあとで移動するのでとりあえず段だけを合わせておきます。

階段経路と踊り場の位置を調整する

階段経路を段裏がきれいに取り合うように調整しましょう。

Step by Step

(1) 2つ目の経路を選択
(2) 下側に現れた全体幅を示す仮寸法を、寸法補助線をドラッグして、階段経路の間に移動
その値を200として、階段経路間の距離を200にします。
階段経路の間隔を200に

(3) 2つ目の階段経路を選択し、移動コマンドで2段分登り口側へ送ります。エラーが報告されますが気にしないでください。
2段分ずらす
(4) 踊り場を選択し、階段側のコーナーの辺をドラッグして100移動します。表示される仮寸法を見ながら行います。(必要に応じて[管理]-[設定]-[スナップ]でスナップ間隔を調整しましょう)

(5) 次に踊り場の反対側の辺をドラッグし、踊り場幅が950になるようにします。
踊り場幅を変更

(6) 一旦[モード]のチェックマークをクリックし、階段の編集を終了します。

3Dビューで出来栄えを観察しましょう。

裏返してみると、段裏がきれいに取り合っていることが確認できます。

この階段を上の階にコピーします。

次回はこの二つの階段の間をつなぐ踊り場を作成します。



2015年1月4日日曜日

RC階段(1)

RC階段の構成パーツ

RCの階段はRevitのシステムファミリ「現場打ち階段」で作成します。RC階段を複数回連続してつないで作成するには、やはり鉄骨階段同様の設定を行うとよいでしょう。RC階段は以下のパーツで構成されます。鉄骨階段とは異なり側桁(ささら)のパーツがありません。

  • 階段経路(システムファミリ:一体型の階段経路)
  • 踊り場(システムファミリ:一体型の踊り場)

一体型とはなんだか変な訳ですが、鉄骨階段のようにささらと踏板、蹴込板が分離していないという意味です。ここでは躯体厚さ150mm、仕上モルタル30mmのRC階段を作成しましょう。
RC階段の例

階段経路の設定

建築テンプレートを使って新規にプロジェクトを作成し、プロジェクトブラウザで[階段]-[現場打ち階段]の中にあるノードをどれかダブルクリックして「タイププロパティ」を開きます。
プロジェクトブラウザ

蹴上げの最大高、最小踏み板奥行き、最小階段経路幅を適切な値に設定。
階段経路のタイプをクリックし、セルの右端の[...]をクリック。
階段経路のタイプを設定
下の図は典型的なRC階段の設定例です。

下の図を参考に寸法を設定してください。
各プロパティが指し示す位置
段鼻の長さを10、斜めのチェックを外し、蹴込み板と踏み板の取り合いを変更すると次のような形状になります。
段鼻の長さ、斜め、蹴込み板と踏み板の取り合いを変更
違いに注目!
踊り場の設定
OKして元の現場内階段のタイププロパティに戻り、「踊り場のタイプ」をクリックし、セルの右端の[...]をクリックします。

こちらも典型的な設定と、パラメーターが指し示す部位を下の図に示します。
踊り場の設定
一体式階段の厚さ
踊り場の踏板の厚さは、階段経路と同じにチェックを入れている場合、階段経路の値が継承されます。もし踊り場の踏み板を階段経路と異なる設定にしたい場合はこのチェックを外して改めて設定します。

以上でシステムファミリの設定は終了です。次回は階段のモデリングを行います。