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2014年11月24日月曜日

Revitに最適なPCは?

PCの選び方

Revitを使うにはどんな仕様のPCがいいのか?という疑問はRevitユーザーならば、誰しも悩むところでしょう。パソコンを販売する側から考えれば、一番無難な構成をお勧めすると思いますし、メーカーだってRevitを使っているわけではありませんから、今までのCGクリエーター向けの仕様をそのままお勧めするようなことになっているはずです。
そこで今回は、「Revitユーザーとしてのおすすめマシン」を考えてみます。

一般的な「Revitおすすめ構成」

メーカーや販売店の方はRevitの特性がよくわかっていませんので、ひとくくりに「グラフィック系」「CAD系」のおすすめ構成、つまりワークステーション級の高級PCを持ち出すわけです。たとえば
  • CPUはXEON
  • メモリは32GB
  • グラボはQuadro K4200

というような構成にすると軽く40万円をオーバーします。もちろんこれで快適に動作しないわけはないのですが、もう少しリーズナブルな構成を25万円以下で探してみましょう。

グラフィックカードはGeForce/Radeonがおすすめ

nVidiaのグラフィックカードにはQuadroとGeForceの2系列がありますが、これは消費電力を気にしなければGeForceのほうがRevit向きだと思います。私見ですが二つの系列の特性は
  • Quadro---グラフィッククリエーター向きの正確無比な表現能力
  • GeForce---ゲーマー向けの高速描画が売り(正確な再現性より高速描画重視)
CGクリエーターならば当然Quadroですが、Revitユーザーの場合、パースの作成よりも、モデリングの結果がストレスなく表示してくれたほうがいいし、そもそもレンダリングなんてクラウドに上げるのが普通なのでQuadroのような高級グラボより、ゲーマー向けのGeForceのほうが適していますし、GeForceのほうが値段が安いのです。AMDでいえばFireGLよりもRadeonのほうが適していると思います。

CPU&グラフィックカードの能力比較

CPUはグラフィックカードでどれを選択していいかわからない場合は、PASSMARKのベンチマークが一応の目安になります。

CPUベンチマーク
https://www.cpubenchmark.net/
グラフィックカードベンチマーク
http://www.videocardbenchmark.net/

このグラフィックカードベンチマークでHigh End Video Card Chart を見ればわかりますが、Quadro K6000は4999ドルですが、最高スコアのGeForce GTX980は549.99ドルと、格段に安くなっています。グラボはGeForceやRadeonを選択することで、かなり予算を抑えることができます。

CPUはクロック数で選択

CPUもワークステーションとなると当然Xeonが乗ってきます。RevitはグラボよりもCPUに負荷がかかる傾向がありますので、クロック数が高いほうがRevitは快適です。XeonとCoreではクロック数と世代が同じならば大きな性能の差がないので、Core i7のほうが値段的におすすめです。先ほどのCPUベンチマークでHigh End CPU Chartを見てみましょう。Core i7 5930Kと同程度のスコアのXeon E5が倍近い値段がします。

メモリーは16GBでよい

PCでRevit、ShowCase、Navisなどと一度に複数のソフトを立ち上げて作業をするのであればメモリーはたくさん必要ですが、Revitだけを使うのであれば16GBあれば十分で、8GBでもいいかもしれません。実際私が仕事で使用しているマシンは8GBしか積んでいません。これだと複数ソフトの立ち上げはちょっと苦しいですが、モニタリングしているとRevitの操作で8GBメモリを消費することは稀です。

SSDは強力な味方

Revitの立ち上がりがおそくて気になる場合は、断然SSDがおすすめです。私のPCもSSDなのですが、とにかくWindowsもRevitも立ち上がりが断然早く、プロジェクトを開くのもHDDに比較して非常に高速です。一度SSDを使うともうHDDには戻れないでしょう。

ゲーミングPC狙い目

以上のような傾向から判断すると、ワークステーションよりもゲーミングPCのほうがRevitに向いているのではないでしょうか?具体的にノートPCとデスクトップで探してみましょう。

デスクトップ

DellのALIENWAREはメジャーなゲーミングPCです。Area-51のスタンダード(http://www.dell.com/jp/p/alienware-area51-r2/pd)でも

  • Core i7-5820K
  • AMD Radeon R9
  • 8GBメモリ

とかなりのスペックですが、これでストレージをSSDにすれば完璧でしょう。
HPでいえば、ゲーミング向けのHP ENVY Phoenix 810-380jp/CTがよいでしょう。

  • Core i7-4790
  • GeForce GTX780

ですが、SSD、メモリ32GBにしても22万円程度です。
意外なメーカーですが、マウスコンピューターのゲーミングマシン「G-Tune」はコスパの良さが魅力です。Next Gear シリーズはねらい目でしょう。こちらのRADEON R9シリーズのグラフィックカードを搭載したPCは

  • Core i7 5820K
  • Radeon R9 290X
  • 32GBメモリ

となっており、SSDに変更すれば、相当Revitを回せるでしょう。

ノートPC

ノートPCの場合、デスクトップと異なり、期待する性能として「軽さ」というのが加わるでしょう。重さは2Kg程度に抑えたいところです。重さが2Kg程度で高性能グラフィックとなると、もう選択肢はかなり限られます。私がみたところ以下の3機種が有力だと思います。

メーカー ①Dell ②Hp ③Mouse Computer
モデル Dell Precision M3800 HP Zbook 14 NEXT-GEAR NOTE i420PA1
CPU Core i7-4712HQ Core i7-4600U Core i7-4900MQ
GPU Quadro K1100M Fire Pro M4100 GeForce GTX860M
メモリ 16GB 16GB 16GB
ストレージ SSD 256GB mSSD32GB+HD500 SSD 256GB
モニタ 15.6 14 13.3
重さ 1.88Kg 1.7Kg 2.1kg
値段 277759円 251640円 199800円

どれも甲乙つけがたい性能ですし、PCはスペックだけで判断できるものでもないので、正確には言えません。先ほどのPassMarkのベンチマークなどで性能を比較してみてください。
実は、私は仕事では③を使っていますが、性能的にはすこぶる満足です。Revitも非常に快調です。ただ、熱暴走が気になるので、冷却には非常に気を使っています。CPUは温度が上がると極端に性能が低下しますので、ご注意ください。


2014年10月12日日曜日

鉄骨階段(4)

1F-3F階段の作成

まず、1FL-2FL間の階段を「鉄骨階段(1)」の要領で作成してください。同様に2FL-3FLの階段も作成してみましょう。
(1)2FLの平面図ビューを開き、[建築]-[階段]-[コンポーネントによる階段]を選択。
(2)階段のインスタンスプロパティで、「指定の蹴上げ数」「実際の踏み板奥」を確認。
(3)オプションバーで「実際の経路幅」を確認
まずは、このプロパティに注意

(4)図のように、階段と踊り場を作成。このとき、1番目の階段経路は、必要段数+1で作成するのがコツです。
1段多く作成するのがコツ

(5)✔で終了し、3Dビューで確認します。

踊り場との取り合いがヘンです。

こうしてみると、2階の踊り場と最初の1段目の取り合いがおかしいですね。この状態を何とか改善してみましょう。そのためには階段コンポーネント(階段経路・側桁・踊り場)のインスタンスパラメーターを調整する必要があります。

階段経路のインスタンスプロパティ

TABキーを使って、2FL-3FLの最初の階段経路を選択してください。

階段経路を選択した状態で、プロパティボックスを注目してください。まず、「蹴込み板をつけて開始」のチェックを外します。

階段経路を踏み板から始めるように設定


ここで「適用」ボタンを押すと警告が出ますが、ここではOKを押して無視します。すると、階段の上がり始めの形状が次のようになります。
ささら桁がヘン?

同様に、「踏み板の基準より下に延長」に-270と入れて[適用]します。
踏み板を下に270mm延長すると、ささら桁も延長される

こうすることでささら桁が踊り場のささら桁とうまくとりあいます。
きれいに取り合いました。

また、断面図を作成して、階段上部が3FLに到達しているか確認してください。

平面図の調整

1段目を踏み板にすることで、見た目はよくなりましたが、平面図では段差がないところに線が引かれているので、これをラインワークで非表示にします。
ラインワークで最初の線を消す。

矢印の調整

階段矢印を選択し、タイプを「固定された上方向:標準」に変更します。必要に応じてタイプパラメーターを調整し、矢印の形状や、始点のマークを変更しましょう。
矢印もカスタマイズ

また、矢印のインスタンスパラメーターを調整し、UP文字の表示非表示などを調整できます。
これを繰り返せば、次のような鉄骨階段を作成できます。
鉄骨階段の完成
階段はタイプパラメーターとインスタンスパラメーターをうまく調整することで、適切に表現することができます。




2014年10月4日土曜日

鉄骨階段(3)

ささら桁【ササラゲタ】

横森製作所のHPではささら桁を「踏板を両側から挟む鋼板」と定義しています。Revtiの場合は「階段経路」を挟む部材と言い換えることもできるでしょう。Revitではコマンドや状況で訳がころころ変わっていて非常にわかりにくいです。

  • 桁(オブジェクトスタイルなど)
  • 支持(階段作成コマンドなど)
  • 側桁(ファミリブラウザなど)

これらはすべて同じものをさしていると考えてください。

側桁のプロパティ

プロジェクトブラウザで[ファミリ]-[階段]-[側桁]を展開すると、ささら桁ファミリがあります。(こちらも作成時には「支持」となっており、訳に一貫性がありませんので注意してください。)
これを右クリックし、複製して、ダブルクリックしてタイププロパティダイアログを開きます。
側桁のタイプパラメータ
断面図プロファイルの値が「規定値」の場合、断面形状は単純な矩形であり、そのサイズは
幅×奥行き合計
です。
ささら桁の寸法
階段経路の構造の奥行きとは、下の図のような鉄骨階段としてはなんだか妙な位置を示しています。
階段経路の構造の奥行きはここ
一般には、鉄骨階段の場合、段鼻からささら桁上端までの距離を30mm程度に決めることが多いので、この位置では希望通りの階段にしにくいのは事実です。計算で設定することも可能ですが、蹴上が変わるごとに異なるタイプを作成する必要がありますので、実用的には60~70程度にしておくとよいでしょう。

踊り場

踊り場のシステムファミリは、階段経路のプロパティを継承する場合と、独自に踊り場だけの設定を行うことができます。前者の場合、ささら桁の「踊り場構造の奥行き」というパラメーターは以下の断面図の通りです。

ささら桁を30mm、踊り場の踏み板厚を45mmとして、300-(30+45)=225というわけです。
踊り場のタイププロパティを見てみると以下のような設定になっています。
階段経路に準ずる場合
「階段経路と同じ」を選択した場合、階段経路と同じ設定が適用されますが、このチェックボックスを外すと、
階段経路と異なる設定をする場合
踊り場だけの踏板の厚さなどが設定できます。

中央桁

階段を支持する要素として、「側桁」のほかにもう一つ「中央桁」というシステムファミリがあります。プロジェクトブラウザで[ファミリ]-[階段]-[中央桁]の中にあるのですが、これは下の図のような階段を作る場合に使用します。
(開いた)中央桁を使用した例

再度、階段のプロパティを見てみると、「桁」の欄に[右側の桁][左側の桁]というプロパティがあり、その選択肢が

  • なし
  • (閉じた)側桁
  • (開いた)中央桁

というこれまた意味不明の用語が並んでいます。上の図の階段の設定を以下に示します。
(開いた)中央桁
中央桁支持をONにし、右の側桁、左の側桁をなしとすれば、下のような階段を作成できます。
中央支持を使用した例
上の階段のプロパティ

おさらい

コンポーネント階段は次の三つのタイプがあります。

  • プレキャスト階段
  • 現場打ち階段
  • 組み立て階段

そして、これらは次のシステムファミリの組み合わせです。

  • 階段経路(一体型、非一体型)
  • 踊り場(一体型、非一体型)
  • 側桁
  • 中央桁

ここまで、それぞれの「タイププロパティ」を見てきましたが、実際のモデリングではそれぞれの「インスタンスプロパティ」の振る舞いを知ることが重要です。次回は複数階の鉄骨階段を作成しながらインスタンスプロパティについて解説していきます。

2014年9月27日土曜日

鉄骨階段(2)

階段タイプ

階段は以下の3つのコンポーネント

  • 階段経路(階段コンポーネントということもある)
  • 桁(側桁・階段支持など訳が一定してないので非常にわかりにくい)
  • 踊り場

の三つのコンポーネントで構成されており、階段タイプでそれぞれどのコンポーネントを使用するかを指定します。屋外鉄骨階段を例にとって、新たに階段タイプを作成してみます。
プロジェクトブラウザで[ファミリ]-[組み立て階段]-[階段]を展開し、「鉄骨」(なければどれでもよい)をダブルクリックし、タイププロパティダイアログを表示します。まずは、[複製]ボタンをおしてあらたに「屋外鉄骨階段」を作成したうえで始めましょう。

蹴上と踏面と階段幅

ダイアログの一番上の「計算規則」グループで

  • 蹴上の最大高=最大蹴上寸法(蹴上寸法):200
  • 最小の踏板奥行き(踏面寸法):240
  • 最小階段経路(階段幅):900

を設定します。(用語があまりにひどいので、日本語訳をつけておきます。)

階段経路

[階段経路のタイプ]をクリックすると、右端に[...]ボタンが表示されるので、これをクリックします。ここでも[複製]を押して[屋外鉄骨階段]という新たなタイプを作成します。
階段経路には二つのシステムファミリがあります。

  • 一体型の階段経路(RC、PC階段)
  • 非一体型の階段経路(木造、鉄骨階段)

一体型(Monolithicとは、支持と踏板が一体となっていることを意味しています。鉄骨の場合踏板をササラで支持するので「非一体型(Non-Monolithic)」を使います。

踏み面グループと蹴上げグループ(踏板グループと蹴込板グループ)

踏板と蹴込板の形状を決定します。プロファイルを工夫すればいろいろな形状が作成できますが、まずは

  • 踏み板のプロファイル(踏板のプロファイル)
  • 段鼻のプロファイル
  • 蹴込み板のプロファイル(蹴込板のプロファイル)

をどちらも[規定値]にした場合、プロパティと作成される階段の形状の関係は以下の図の通りです。


規定値のプロファイルは矩形なので、そのサイズは実際の蹴上寸法や踏面寸法により変化します。蹴上げグループの[斜め]をOFFにすると、蹴込板が垂直になります。
[斜め]をOFFの場合
プロファイルを変更してみる
ここでプロファイルを変更してみましょう。建築テンプレートには次のようなプロファイルが含まれています。
踏板のプロファイル(赤→が原点=段鼻)
これを踏み板のプロファイルに設定し、蹴上げのチェックボックスをOFFにすると、次のような階段になります。

踏み板にプロファイルを適用した例
これを応用すると、横森製作所のFRC階段なども作成可能です。次のようなプロファイルを作成し・・・
同様に踏み板のプロファイルに割り当てます。
独自のプロファイルを適用した階段
もちろん3Dにしても、表示されます。ただし、この場合、踊り場まではプロファイルに追随してくれないので、踊り場部分はインプレイスファミリとして自作する必要があります。

ノンスリップを加えてみる

段鼻にとりつけるノンスリップは、正確な形状を表そうとしたら、別途ファミリを作成してひとつづつ取り付けるしかありませんが、断面形状だけでよければ、段鼻のプロファイルとして作成可能です。

ノンスリップのプロファイルを作成する。

[R(アプリケーションマーク)]-[新規作成]-[ファミリ]で「プロファイル - 段鼻(メートル単位)」を選択します。
第一象限に図のように35mm×5mm程度の矩形を描画し、名前を「ノンスリップ」とつけて保存し、プロジェクトにロードします。

ノンスリップを割り当てる

階段経路のプロパティを以下のように設定します。踏み板のプロファイルは規定値に戻しておきます。

踏み板のプロファイルを規定値、段鼻のプロファイルをノンスリップに設定
断面は次のようになります。
断面(ノンスリップつき)
3Dでみると・・・・
蹴込み板あり


さらに蹴上をなしにすると
蹴込み板なし

次回はササラと踊り場のお話です。

2014年9月21日日曜日

鉄骨階段(1)

階段はわかりにくい?

ダイナモのお話は少しお休みして、階段のお話をします。階段は手すりとならんで複雑なシステムファミリです。下図はコンポーネント階段を使って作成した鉄骨階段です。プロパティや振る舞いをきちんと理解すれば、正確な階段を表現することが可能です。
鉄骨階段の例(1階と2-3階の階高は異なっています。)
この階段を作りながら、「どこをいじれば何が変わるのか?」そういったところを中心にお話を進めてまいります。

階段を作成するには?

Revitに標準で添付されている建築テンプレートを使って新規のプロジェクトを作成し、レベルを追加します。

まずは1FLから2FLへの階段を作成します。1FLの平面図に移動し、
[建築]-[階段]-[階段]-[コンポーネントによる階段]
に入ります。

階段を作成するときに最初にすべきこと

すぐに書き始めたいところですが、焦らず、まずはいくつかの設定を行います。

タイプの選択

プロパティで階段のタイプを選択します。まずは鉄骨階段を作成したいので、[組み立て階段]-[鉄鋼](相変わらず名前がヘンですが。。。)を選びます。

段数の指定

プロパティの[寸法]-[指定の蹴上げ数]で段数を指定します。この値を変更すると[実際の蹴上げ寸法]の値が変化し、1段分の高さが計算されるので、、この値を参考にしながら決定します。

踏面の奥行

[実際の踏み板奥行き]に踏面の奥行の値を入力します。

階段幅

階段の幅をオプションバーの[実際の経路幅]で指定します。

まずは条件設定
蹴上の最大寸法、踏面の最小奥行、最小階段幅は階段のタイプで決まっていますので、その制限値を超えて指定することはできません。たとえば階段の幅を900にすることはできませんが、この制限値を変更することは可能です。[タイプを編集]ボタンをおして、以下の図の部分で制限値を変更してください。
制限値は変更可能
これはモデリング上のミスをなくすための制限値なので、タイプを複製して
内部階段
外部階段
を作成し、それぞれに制限値を決めておくとよいでしょう。

いよいよ作成

準備が整ったところで、実際に階段を作成してみます。任意のポイントをクリックし、そのままポインターを移動すると、階段の絵が現れて、下部に「○○蹴上げが作成されました。××継続中」という文字が現れます。
作成中の段数が表示される。
この表示を参考にしながら作成を進めます。この例では22段を指定しているので、11段でいったんクリックします。さらに続けて22段まで作成します。
最後の段まで作成したところ

1段送るには?

鉄骨階段なので、第二のフライト(段の集合)を一段分上方へ送ります。2番目に作成した経路を選択します。
経路を選択
これを[修正]-[移動]を使って左に一段移動します。
上側の経路を移動したところ
経路の形状を変えずに、位置を移動するには「移動」を使います。

階段同士の間隔を変更するには

次に経路同士の間隔を変更します。上方または下方の経路(フライト)を選択すると、仮寸法が表示されるので、これをクリックして任意の値に変更します。
仮寸法を変更する。
踊り場の位置を変更するには?
規定では踊り場は階段作成終了位置からすぐに曲がってしまうのですが、ここにすこし余裕を与えておかないとササラのおさまりがおかしくなります。ここでは150mmほど右へ踊り場を移動します。
まず踊り場を選択し、踊り場幅を示す仮寸法に150加えた値を入力します。
踊り場の奥行に+150
次に踊り場の経路と経路の間のエッジに表示されている形状ハンドルをドラッグして、仮寸法が元の踊り場幅になるように調整します。
踊り場の幅を調整
このほかにも参照面を作成して、位置合わせを行う方法もあります。

手すりの選択

使用する手すりを選択します。手すりについては以前ご紹介しましたが、階段用の手すりはまたちょっと特別な設定が必要な場合がありますので、のちほど詳細に説明します。今回は階段に話を集中するためにあえて、手すりなし、とします。
[ツール]-[手すり]で[なし]を選択

上方の踊り場
階段上部にも踊り場を作成することができます。[コンポーネント]パネルの[踊り場]を選択し、[スケッチを作成]を選択します。
スケッチを作成、を使う
下の図のように、閉じた形状で踊り場をスケッチします。
踊り場のスケッチ。形状は閉じていなければならない。
踊り場のスケッチを[モード]の✔で終了します。

ササラを一部削除する

3Dを表示してみます。最上部のササラが余計なので、これを選択して×あるいはDELETEキーで削除します。
最上部のササラが余計

コンポーネントとは

階段の作成を[モード]の✔で終了します。

この一連の作成手続きを通してお分かりいただけたように、鉄骨階段は

  • 経路
  • 側桁(ササラ)
  • 踊り場

の三つの要素(=コンポーネント)で構成されています。これをコンポーネントによる階段と呼んでいるわけです。

次回は各コンポーネントの数値を変更し、どこをいじれば何が変わるのかを詳しく見ていきましょう。