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2014年10月4日土曜日

鉄骨階段(3)

ささら桁【ササラゲタ】

横森製作所のHPではささら桁を「踏板を両側から挟む鋼板」と定義しています。Revtiの場合は「階段経路」を挟む部材と言い換えることもできるでしょう。Revitではコマンドや状況で訳がころころ変わっていて非常にわかりにくいです。

  • 桁(オブジェクトスタイルなど)
  • 支持(階段作成コマンドなど)
  • 側桁(ファミリブラウザなど)

これらはすべて同じものをさしていると考えてください。

側桁のプロパティ

プロジェクトブラウザで[ファミリ]-[階段]-[側桁]を展開すると、ささら桁ファミリがあります。(こちらも作成時には「支持」となっており、訳に一貫性がありませんので注意してください。)
これを右クリックし、複製して、ダブルクリックしてタイププロパティダイアログを開きます。
側桁のタイプパラメータ
断面図プロファイルの値が「規定値」の場合、断面形状は単純な矩形であり、そのサイズは
幅×奥行き合計
です。
ささら桁の寸法
階段経路の構造の奥行きとは、下の図のような鉄骨階段としてはなんだか妙な位置を示しています。
階段経路の構造の奥行きはここ
一般には、鉄骨階段の場合、段鼻からささら桁上端までの距離を30mm程度に決めることが多いので、この位置では希望通りの階段にしにくいのは事実です。計算で設定することも可能ですが、蹴上が変わるごとに異なるタイプを作成する必要がありますので、実用的には60~70程度にしておくとよいでしょう。

踊り場

踊り場のシステムファミリは、階段経路のプロパティを継承する場合と、独自に踊り場だけの設定を行うことができます。前者の場合、ささら桁の「踊り場構造の奥行き」というパラメーターは以下の断面図の通りです。

ささら桁を30mm、踊り場の踏み板厚を45mmとして、300-(30+45)=225というわけです。
踊り場のタイププロパティを見てみると以下のような設定になっています。
階段経路に準ずる場合
「階段経路と同じ」を選択した場合、階段経路と同じ設定が適用されますが、このチェックボックスを外すと、
階段経路と異なる設定をする場合
踊り場だけの踏板の厚さなどが設定できます。

中央桁

階段を支持する要素として、「側桁」のほかにもう一つ「中央桁」というシステムファミリがあります。プロジェクトブラウザで[ファミリ]-[階段]-[中央桁]の中にあるのですが、これは下の図のような階段を作る場合に使用します。
(開いた)中央桁を使用した例

再度、階段のプロパティを見てみると、「桁」の欄に[右側の桁][左側の桁]というプロパティがあり、その選択肢が

  • なし
  • (閉じた)側桁
  • (開いた)中央桁

というこれまた意味不明の用語が並んでいます。上の図の階段の設定を以下に示します。
(開いた)中央桁
中央桁支持をONにし、右の側桁、左の側桁をなしとすれば、下のような階段を作成できます。
中央支持を使用した例
上の階段のプロパティ

おさらい

コンポーネント階段は次の三つのタイプがあります。

  • プレキャスト階段
  • 現場打ち階段
  • 組み立て階段

そして、これらは次のシステムファミリの組み合わせです。

  • 階段経路(一体型、非一体型)
  • 踊り場(一体型、非一体型)
  • 側桁
  • 中央桁

ここまで、それぞれの「タイププロパティ」を見てきましたが、実際のモデリングではそれぞれの「インスタンスプロパティ」の振る舞いを知ることが重要です。次回は複数階の鉄骨階段を作成しながらインスタンスプロパティについて解説していきます。