階段はわかりにくい?
ダイナモのお話は少しお休みして、階段のお話をします。階段は手すりとならんで複雑なシステムファミリです。下図はコンポーネント階段を使って作成した鉄骨階段です。プロパティや振る舞いをきちんと理解すれば、正確な階段を表現することが可能です。鉄骨階段の例(1階と2-3階の階高は異なっています。) |
階段を作成するには?
Revitに標準で添付されている建築テンプレートを使って新規のプロジェクトを作成し、レベルを追加します。[建築]-[階段]-[階段]-[コンポーネントによる階段]
に入ります。
階段を作成するときに最初にすべきこと
すぐに書き始めたいところですが、焦らず、まずはいくつかの設定を行います。タイプの選択
プロパティで階段のタイプを選択します。まずは鉄骨階段を作成したいので、[組み立て階段]-[鉄鋼](相変わらず名前がヘンですが。。。)を選びます。段数の指定
プロパティの[寸法]-[指定の蹴上げ数]で段数を指定します。この値を変更すると[実際の蹴上げ寸法]の値が変化し、1段分の高さが計算されるので、、この値を参考にしながら決定します。踏面の奥行
[実際の踏み板奥行き]に踏面の奥行の値を入力します。階段幅
階段の幅をオプションバーの[実際の経路幅]で指定します。まずは条件設定 |
制限値は変更可能 |
内部階段
外部階段
を作成し、それぞれに制限値を決めておくとよいでしょう。
いよいよ作成
準備が整ったところで、実際に階段を作成してみます。任意のポイントをクリックし、そのままポインターを移動すると、階段の絵が現れて、下部に「○○蹴上げが作成されました。××継続中」という文字が現れます。作成中の段数が表示される。 |
最後の段まで作成したところ |
1段送るには?
鉄骨階段なので、第二のフライト(段の集合)を一段分上方へ送ります。2番目に作成した経路を選択します。経路を選択 |
上側の経路を移動したところ |
階段同士の間隔を変更するには
次に経路同士の間隔を変更します。上方または下方の経路(フライト)を選択すると、仮寸法が表示されるので、これをクリックして任意の値に変更します。仮寸法を変更する。 |
規定では踊り場は階段作成終了位置からすぐに曲がってしまうのですが、ここにすこし余裕を与えておかないとササラのおさまりがおかしくなります。ここでは150mmほど右へ踊り場を移動します。
まず踊り場を選択し、踊り場幅を示す仮寸法に150加えた値を入力します。
踊り場の奥行に+150 |
踊り場の幅を調整 |
手すりの選択
使用する手すりを選択します。手すりについては以前ご紹介しましたが、階段用の手すりはまたちょっと特別な設定が必要な場合がありますので、のちほど詳細に説明します。今回は階段に話を集中するためにあえて、手すりなし、とします。[ツール]-[手すり]で[なし]を選択
上方の踊り場
階段上部にも踊り場を作成することができます。[コンポーネント]パネルの[踊り場]を選択し、[スケッチを作成]を選択します。
スケッチを作成、を使う |
踊り場のスケッチ。形状は閉じていなければならない。 |
ササラを一部削除する
3Dを表示してみます。最上部のササラが余計なので、これを選択して×あるいはDELETEキーで削除します。最上部のササラが余計 |
コンポーネントとは
階段の作成を[モード]の✔で終了します。この一連の作成手続きを通してお分かりいただけたように、鉄骨階段は
- 経路
- 側桁(ササラ)
- 踊り場
の三つの要素(=コンポーネント)で構成されています。これをコンポーネントによる階段と呼んでいるわけです。
次回は各コンポーネントの数値を変更し、どこをいじれば何が変わるのかを詳しく見ていきましょう。