ダイナモを使ってみよう!
皆さんは「ライノ」とか「グラスホッパー」の名前を耳にしたことがあるでしょうか?パラメトリックデザインというジャンルも徐々に市民権を得てきていますが、Revitのプラグイン「ダイナモ」は、このコンセプトをRevitに取り入れたものです。でも「そもそもRevitのファミリってパラメトリックじゃん。何が違うの?」
と思われる方もいらっしゃるでしょう。百聞は一見にしかず。まずは使ってみて、その違いを実感しましょう。ダイナモをインストールする。
ダイナモは以下のURLから無料でダウンロードできます。http://dynamobim.org/
DynamoのHP |
今のところ、最新のバージョンは0.7.1でまだメジャーが0のアルファバージョンです。
Try01-植木算
「池の周りに5m間隔で木を植えると・・・」というのは小学生の「植木算」ですが、これに類似して「線上に一定間隔で木を植える」というお題をRevitで解いてみましょう。モデル線分に沿って木を並べる |
(1) Revitを起動し、規定のテンプレートで新規プロジェクトを開始します。
(2) level1を作業面として、任意のモデル線分を作成します。
(3) アドインタブでDynamo 0.7 のアイコンを選択して起動します。
ダイナモの起動直後の画面です。
Dynamoの画面 |
・挿入点
・ファミリタイプ
が必要です。まずは挿入点を計算します。
Revitのデータを取得する
作成したモデル線分の情報を取得してみましょう。左側の黒地に白字のペインから[Revit]-[Selection]-[Select Model Element]
をクリックすると、右側の作業領域に「select Model element」という四角いボックスが現れます。
これを「ノード」と呼びます |
このSelectをクリックし、Revitの画面に戻り上記で作成したモデル線分を選択します。ダイナモを全画面表示にしているとRevitの画面に切り替わらないので、一旦ダイナモの画面を最小化するか、位置を調整して、Revitの画面を表示してください。
選択が終わると、ノードにはモデル線分のIDが表示されます。
選択した要素のIDが表示されます |
Selectionの領域をみてみると、様々な情報がRevitから取得できることがわかります。
なかなか興味深いものが並んでいるのですが、またの機会に回すとして次に行きましょう。
モデル線分から幾何情報を取り出す
選択したモデル線分から幾何学的な情報だけを取り出します。そしてこの曲線を分割して点の配列を作成します。(1)[Revit]-[Element]-[Actions]-[Geometry]をクリックし、Element.Geometryノードを追加
(2)[Select Model element]の[Element]をクリックし、ハンドルを伸ばしてElement.GeometryのElementをクリックしてつなげます。
Elementをつなぐ |
取得した曲線が表示さる |
見やすい位置になったらNodeをおして戻ります。
画面右下の切り替えボタン |
点を作成する
抽出した幾何曲線を分割して、曲線上に点を作成してみましょう。(1){Geometry]-[Curve]-[Action]-[PointAtDistance]を選択します。これは、曲線状をある一定の距離で分割した点の配列を作成するノードです。
(2)[Core]-[Input]-「Double Slider]をクリックします。これは実数の数字を作成するスライダです。
(3)これらを下の図のように連結します。
スライダを移動して点を移動させてみます。 |
木のファミリを配置してみる
(1)[Revit]-[Element]-[FamilyInstance]-[Create]-[ByPoint]
(2)[Revit]-[Selection]-[FamilyTypes]
(3)(1)(2)のノードを下の図のように連結します。
ノードを連結 |
Revitでファミリ名とタイプ名をアルファベットに変更 |
ファミリタイプを選択 |
Revitにファミリが作成されています。 |
(6)次にスライダを動かして、[F5]キーまたは[RUN]で実行してみます。木の位置が変わることが確認できます。またRUNの横にある□Run Automaticallyを☑しておくと、自動的に実行されます。
(7)[File]-[Save]でこのファイルを保存しておきましょう。
いかがでしたか?今回は点を一つだけ作成しましたが、これではお題の「植木算」になっていませんね。そこで次回は複数の点を扱う「配列」について考察します。お楽しみに。